「ブラザー・フッド」
見事なできはえ。見事な導入部分から物語は本編、朝鮮戦争のスペクタクルへ。
スペクタクルシーンでありながら、人間ドラマの重厚なシーンの連続に観客は引き込まれてしまいます。
細かいカット割りと戦場シーンの手持ちカメラの効果的な使用で緊迫感が増幅され、一方で展開する兄弟愛の変化と兄の心のみだれの変遷がまるで織物を織るように折り込まれていきます。
その主要な物語の中にしつこくもなく、適度な長さで朝鮮戦争の歴史、戦争の醜さをカットインしていく。
韓国映画はさらに進化したようですね。
「ロスト・イン・トランスレーション」
アカデミー賞オリジナル脚本賞受賞の意味がわかりません。
そんなに優れた作品でしょうか?
フランシス・コッポラの力がかなり影響したのではないでしょうか?
これは言い過ぎかも知れませんね。
どちらかというとジムジャームッシュの作品のようなムードを映像にした作品と評すべきなのでしょうが、ジムジャームッシュのような見事な映像美にはなっていない。
といって、物語の中に何を言いたいという物も伝わってこない。
アメリカ人の無知を表現しているのか?東京の街は孤独と不思議の街といいたいのか?
いったいアメリカ映画はどこに向かっているのでしょうね。娯楽作品はパート2やリメイクばかり。芸術映画は独創性のない作品が多い。
スランプなのかもしれませんね。