くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「エアベンダー」

エアベンダー

独自の世界観を持って、商業主義にこだわらない作品を作り続けるM・ナイト・シャマラン監督の最新作はなんとアメリカのテレビアニメの実写映画化、しかもエンターテインメントアドベンチャーという大作である。

とにかく見せ場の連続、次から次に繰り出される特撮シーンのオンパレードにあれよあれよと物語に引き込まれてしまう。

物語は「第一章水の国」というクレジットから始まる。この意味がラストで明らかになるのであるが、とにかく物語のスタートは火、水、土、気という四つのエレメントを巡る最初は水なのである。
水の国の兄妹カタラとサカが氷原で狩りをしている。ところが氷のしたに何かがあると気が付いてそれに傷を付けるといきなりまっすぐな光が天に放たれ盛り上がってきた氷の固まりの中から一人の少年が姿を現す。この導入部からあとはもう見せ場の連続である。

この少年、いわゆるこの映画の主人公アンは水の国に連れて行かれまかなわれるのであるが、伝説のアバターを探す火の国の王子に連れ去られてしまう。
次々と登場人物が現れるが的確に紹介され、また主人公アンもピンチのようでいともたやすく脱出するという典型的なヒーロー像が素直に描かれていて、ストレスがたまらず次々繰り出される特撮アクションシーンを楽しむことができました。

修行の途中で逃げ出したため気の力しか操れないアンは水の力を身につけるべく北の水の国へ、そしてそこへ襲いかかる火の国の大船団とのバトルがクライマックスになっていきます。
途中で再三にわたり拉致されたり逃げ出したりを繰り返し、そのたびに次々と華麗な格闘シーンを見せるアンを演じるノア・リンガーという少年はテコンドーの黒帯の実力者を選んでいるので、全くよどみのないアクションとCGによる気のシーンのリアル感が抜群に楽しめました。

そして、火の国の船団との決戦、海を水の力で盛り上げて押し返し、見事逃げ帰らせるクライマックス。出だしからCGが多用されているので、その見せ方が難しいクライマックスですが、なかなかどうして、じっくりとスピードを落とした豪快なシーンを用意して、最後を飾ってくれました。

しかし、ここでこの映画は火の国の王が次の作戦として火のベンダーの達人である娘を呼ぶ場面、アンをとらえるべく新しい策略を語る場面が続く。つまり、この映画はシリーズ物で今回がまずアンが水の修行をマスターする物語であったときgつくのである。

従って、次は土、そして火と続いて世界を平和に導く物語へと続く。
エンターテインメントとして本当におもしろいし、見応え十分であったが、M・ナイト・シャマランの独特の宗教観とか世界観は見えてこなかった。