くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「世界にひとつのプレイブック」「バチェロレッテ あの子が

世界にひとつのプレイブック

世界にひとつのプレイブック
終始、いかれ男といかれ女のラブストーリー、しかも日本人にはなじみの薄いアメフトの熱狂的なファンの姿を背景にしている。その上、短いカット、機関銃のようなせりふの応酬、めまぐるしい切り替えしの連続でとにかくあわただしい作品である。

ここまで書くと、とても入り込めない映画のように思えるのですが、正直クライマックスまでの二時間ぐらいはそういう印象だけで押し切られてしまう。ところが最後の最後、ジェニファー・ローレンス扮するティファニーが主人公のパットが自分から遠のいていったと感じてダンス会場を去り、パットがロバート・デ・ニーロ扮する父親にハグされて本当に愛しているのは誰かそのサインを見つけろといわれて一気にこの映画が生き生きして、映画としての様相を帯びてくる。

そしてパットはティファニーを抱きすくめ愛を告白し、そのまま何事もないようにパットの家庭が平凡にとらえられるショットでエンディング。この終盤が実にうまい作品である。

最後の最後まで底辺でストーリーが平坦に流れ一気に盛り上がってすっと戻る。こういう構成の映画なのである。その意味でなかなかの佳作だった気がする。

パットが精神病院でつぶやいている後頭部のアップから映画が始まる。すぐに切れて暴力沙汰を起こすために病院に入れられ、愛する妻のニッキとも接近禁止例の裁判所の通達をもらっている。父親はアメフトの賭で毎日を送る不良中年。

母の努力で自宅に戻ったパットは隣人のディナーに呼ばれてそこでこれまた精神的に異常な尻軽女のティファニーと出会う。ティファニーはパットとダンス大会にでることにし、一方のパットの父も賭で金をもうけてレストラン開業を夢見る。どこかいかれたアメリカの一家族の物語がめまぐるしい会話の連続、次々と前にすすむストーリー展開に翻弄されていくのである。パットもティファニーも決して魅力的な人物でもなくある意味人生の負け組のごとくであるが、いつのまにかふつうの男女に変化していっているのだ。

そして、クライマックス。ダンス大会のシーンもさりげなく終わり一気にパットとティファニーはハッピーエンドして映画が終わる。

さすがに、万人に好まれるラブストーリーというわけにもいかず、正直、後ろのおばさんたちはなんのことかわからなかったとつぶやいていた。でも、決して駄作でも凡作でもないちょっと個性的な一本だったと思います。


「パチェロレッテ あの子が結婚するなんて!」
ふつうのアメリカンコメディでした。こういう映画にちょっとしゃれた映画を時々見かけますが、それでもなかった。

高校時代の仲良し五人の女性のうち一番もてそうにない太ったベッキーがグループのリーダー的な女性レーガンに結婚する旨の報告をするところから映画が始まる。

早速、レーガンはほかの友達ケイティー、ジェシーに連絡、おきまりのどたばた劇が始まる。結婚式前夜の友人の騒ぎのあとレーガンたちはふざけてベッキーのウエディングドレスを破いてしまい、ベッキーに気づかれないように一晩で治すべく奔走する。一方で高校時代の同級生と懇ろになったりと一騒動二騒動の展開がおきまりのアメリカンジョーク満載で展開するが、どれもこれもどたばたで抑揚も気持ちのいいテンポもなくふつうに進んでいく。

ラストはとりあえず完成したドレスで結婚式は滞りなく終わり、三人もそれぞれに未来を予感させるエンディングを迎えて映画は終わる。まぁ、ふつうの映画でしたね。損をしたほどに思う映画でもなかったのでまぁいいとしましょうかね。