くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ストロボ・エッジ」「唐山大地震」

kurawan2015-03-17

ストロボ・エッジ
廣木隆一監督作品でもあり、有森架純、黒島結菜がでているならいいかなという感じで見に行ったが、なんというか、どんだけ蓮くんもてるねん、どんだけ仁菜子ちゃん、もてるねんという余りに平凡なラブストーリーだった。

とにかく、だんだんこそばゆくなってくるほどにピュアなお話、誰も彼も片思いで、今一つ強引さがない。もちろん原作があるので、そういう話なのだろうが、映像にする段階での作り方というのがあるだろうに。

一人の女子高生仁菜子が電車の中で、同級生で、あこがれの蓮を見つめている。ホームに降りた連を追って仁菜子が前に行き告白、そしてふられるのがファーストシーン。

スプリットスクリーンで登場人物や、周囲の舞台背景を映し出し、物語はある高校でのラブストーリーへと流れていく。

後は、たわいのない軽いエピソードの数々と、連と親友の安堂、さらに連の彼女でモデルの麻由香との話も絡んでくるが、どれもこれも、平坦に淡々と描いてしまう。

思春期の揺れ動く心とか、甘酸っぱい危うさとかはまったく見えてこないし、ひたすらくりかえされる軽いエピソードの数々と、これという工夫もない演出に、さすがに長さを感じた。

結局、単調な紆余曲折の後、冒頭と同じシーンでホームで蓮と仁菜子がハッピーエンドになってエンディング。ふつう・・・・・。

しかし、福士蒼汰はかっこいいと思うし、有森架純、黒島結菜はかわいい。それだけでいいんじゃないかという一本だった。


「唐山大地震
東日本大地震で公開が延期された中国映画。

1976年の唐山大地震を発端に、生き別れた姉弟とその両親たちの人間ドラマを描く。

なかなかしっかり作られたドラマで、冒頭の大地震のシーンから、人間ドラマに流れ込み32年間の物語として描いていく展開は、二時間を超えるにも関わらず、それほどだれることはない。秀作とは呼べないまでもいい映画だったように思えます。

映画が始まると、踏切、列車が走るにつれて大量のトンボが飛んでいる。不気味なオープニングから、主人公である姉ドンと弟ダーの双子の兄弟の子供時代のシーン、そしてまもなくして、唐山大地震が彼らを襲う。

父が死に、がれきに埋もれた姉と弟、救助を叫ぶ母親に、どちらかしか助けられないと救助の人にいわれ、悩んだあげく弟を助けてと叫ぶ。

しかし、母ユェンニーがダーをつれて去った後、死体の中でドンが息を吹き返すのだ。そして、救助作業をした解放軍の夫婦に引き取られたドンは、やがてい学校へと進んでいく。

一方ダーは左腕を失うも、やがて、母の元を去り、抗州で事業を興し成功、妻を得て子供にも恵まれる。

ドンは大学で先輩の子供を身ごもり、大学を辞めシングルマザーに。そして、カナダの弁護士と結婚することになる。

こうして二人の物語が交互に描かれ、それぞれの親との物語を丁寧に描いていく。

時は10年ずつを刻み描いていくが、やがて2008年、四川で大地震が起こる。そして、その映像をみたドンはカナダから駆けつけ、ダーも会社の仲間と救援に向かう。そして、偶然にも、ドンはダーのそばで休息していて、弟と再会するのだ。

そして、二人は、母ユェンニーのところにいく。母の謝罪、そして32年間の思いを知って、泣き崩れるドン。

そして、家族で父の墓参りにいってエンディングとなる。

奇抜な演出もないのだが、しっかりした作風が安定感を生み、最後まで飽きずにみることができた。なかなかの一本だった気がします。監督はフォン・シャオガンです。