くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「天の茶助」「コングレス未来学会議」

kurawan2015-07-02

「天の茶助」
どこまで行くのか大暴走、という感じの映画。ストーリーが何の脈絡もなく、ただ、その場の勢いでどんどん膨らんでいく。本来、それはそれでおもしろいはずですが、どこか一歩引いてしまうのが物足りない映画でした。監督は、原作も書いているSABU。

天界で、下界の人々の人生のシナリオを書いている人々がいるところから映画が始まる。彼らに茶を出す担当が茶助と呼ばれる主人公。

一人の少女が、事故で死んでしまうというシナリオを正すために、下界へ降りた茶助は、ふとしたことから、歩けない少年を、その超能力で治したために、話題になって騒がれてしまう。一方で、少女をなんとしても死なせるべくシナリオが進んだり、訳の分からない舞踏シーンが挿入されたり、シュールな演出が続く。

茶助の周りに集まってくる人々、やがて彼が生前はやくざだったというシナリオが復活し、あれよあれよと少女と茶助のラブストーリーに流れていく。一にらみで敵を倒す能力も駆使し、妙な大騒ぎの展開が後半どんどんヒートアップ。

結局、少女と茶助が離れ島で手をつないでいるカットでエンディング。

ちょっと変わった画面があちこちに組み込まれるのだが、かえってストーリーの根幹をぼやかせてしまう。いったい、なにをメインに話を追いかければいいのかわからなくなる後半部分が雑い。

といって、みて損をしたというほどの駄作ではないし、それなりに、ぼんやりと楽しめたからいいとしようか。


「コングレス未来学会議」
スタニスラフ・レムの原作をもとに描いた作品。感動するラストシーンだったのだが、いかんせん、アニメと実写という映像構成とストーリーの煩雑さで、胸に直接迫ってこなかった。監督はアリ・フォルマンである。

映画は、主人公ロビン・ライト(そのまま本人)のアップから始まる。CG俳優としての登録を依頼されているが、断固拒否している。時代は、実写からCGのみの映像へと変わっていくという過渡期だというのだ。そして、最後の最後に、とうとうロビン・ライトがそれに同意し、スキャンしているシーンから、映像は変わって20年後へ。

病気の息子を育てるべく応じた契約だが、20年後、、未来のハリウッドは、まさにアニメの世界に変わっている。しかもそこにはいるには自らもアニメのようになる薬を飲む。

こうして後半が始まる。後半は、終始アニメシーンで、、その中で思い悩むロビン・ライト。そしてやがて起こった反乱で再び実写に戻るが、?と、このあたりからちょっとわかりにくくなって、最後は、再び空想の世界へ入る。そこには元気な息子アーロンがいて。という感動のラスト?である。

果たしてストーリーの理解が正しいか不安ですが、個性的な映画でした。