くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ファンタスティック・フォー」「マイ・インターン」「図書

kurawan2015-10-13

ファンタスティック・フォー」(ジョシュ・トランク監督版)
2005年版はテレビでしか見ていないのですが、今回はスクリーン鑑賞。普通の娯楽映画です。監督はジョシュ・トランクという人です。

この手の作品は、リアリティとかよりも、どんどんストーリーが前に進む適当さが気楽に見れて面白い。今回も、主人公となるリードの少年時代から始まり、7年後に転送装置を開発中のチームにスカウトされるや、いきなり転送装置が完成。そして、自分たちの名声のために、勝手に異空間に行って、そこで、無謀な行動をしたために、妙な姿に変わってしまう。

異空間で事故で残した一人ビクターが敵になって、クライマックスを迎える。とにかく、無用な描写は排除し、映像へのこだわりや実験的な演出もなく無難にシリーズの導入部を完成させてエンディング。

まぁ、今更特撮がすごかったなんてのもなく、SFアクションの世界を楽しむ一本でした。

CGが全盛になってから、監督の工夫とかは本当に見ることができなくなって、寂しい限りですが、これも娯楽映画の方向ですね。


マイ・インターン
とっても素敵な映画だった。主演のアン・ハサウェイロバート・デ・ニーロはもちろんいいのですが、脇役に手を抜かない演出と脚本が物語を安定させて、楽しいストーリーで完成されています。監督はナンシー・マイヤーズです。

会社を引退して、悠々自適のベン、ある日、街角のチラシで、インターン職を募集している記事を見つける。募集しているのは、一年余りでネット通販で成功したアパレル会社。代表は素敵なジュールズという夫も子供もいる若妻。

こうして物語は幕をあける。自転車で会社の中を走るアン・ハサウェイのジュールズのシーンもとってもチャーミング。そこへやってきたベンだが、すぐにみんなに好かれるようになる。秒単位で仕事をするジュールズの描写と、スローではないが落ち着いたいでたちのベンの対比、さらに一緒にインターンになった同僚たち、ジュールズの娘ペイジ、夫のマットなども、丁寧に人物描写をし、物語のリズムを作り出していく。

会社にCEOを迎えるかどうかの根幹の話の周りに、ジュールズの母のエピソードや、マットの浮気、ベンの第二の恋などの小さな出来事もさらりと流し、しかもどれもハッピーに収束させる。このうまさがこの作品の一番の魅力。

全て丸く終わって、ベンとジュールズが公園で太極拳をしているシーンでエンディング。観終わった後の清々しさも最高だし、アン・ハサウェイの魅力も最高。楽しくて素敵な映画でした。


図書館戦争 THE LAST MISSION」
この第二部は面白かったし、ストレートに感情移入できて、心なしか感動した。とにかく登場人物全ての処理がうまい。よくある、英雄的な死や、陳腐な展開を完全に排除して、工夫を重ねた演出がよかったのではないかと思います。監督は佐藤信介です。

原作があるし、人気男優を配置したので、その制約から死という展開を避けざるをえなかったのでしょうが、それが返ってよかったのでしょう。主要人物が生還し、粋な恋物語でエンディングは、見ていて気持ちがいい。恐らく原作にあるだろう幾つかのエピソードの入れ具合も適格。

物語は、図書館法成立のきっかけになった一冊の本を、水戸で開かれる自由展の目玉として持ち出すことが決まることから始まる。背後に松阪桃李扮する、現在の世界に失望し、図書隊潰滅を画策する手塚という人物の暗躍を描き、クライマックスは、両者の銃撃戦が水戸図書館ではじまる。

前作は岡田准一のアクションだけが見所のような銃撃シーンでしたが、今回は、照明の落ちた廊下に迫ってくる軍隊を不気味に描くとともに、対する図書隊の姿も、巧みに描いたのが良かった。

堂上、笠原の主要キャストの描写も上手く、ストーリーの中でしっかりとぶれずに存在感を見せる。エピローグも今後を匂わせながらも、希望を描いたのが良かったかと思います。映画のクオリティはともかく、よく完成された娯楽作品で楽しめました。面白かったです。