くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「破門 ふたりのヤクビョーガミ」「マグニフィセント・セブ

kurawan2017-02-07

「破門 ふたりのヤクビョーガミ」
なんともリズムの悪いというか、間の取り方の悪い映画でした。全く台詞が掛け合いになっていないし、ボケとツッコミもテンポが悪い。横山裕は前から下手くそだと思っていたが、やっぱり下手くそだね。演技のテンポというか間合いが身についていない。監督は小林聖太郎です。

ヤクザの桑原と経営コンサルタントの二宮が、映画のプロデューサーという男小清水二宮にまんまと騙され、さらに桑原の所属する組や本家筋が絡んできての息子の物語をアクションと意外性を満載に描いて行く。という流れなのだが、台詞がうまくからみ合わないし、やたら無駄な間が散在する演出と脚本に、だらだらと展開するのがしんどい。

まだ、原作の物語設定が面白いので、その勢いでラストまで引っ張って行くものの、二宮の事務所の手伝い北川景子も存在感がないし、小清水の愛人のキャラクターの面白さもいまひとつ引き立たず無駄に存在させてしまっている。

面白くできそうなのにできなかった一本という映画でした。ストレートに書けば普通の映画だったということですね。


マグニフィセント・セブン
七人の侍」「荒野の七人」の物語をメキシコを舞台にしたアントワン・フークワ監督の娯楽西部劇。アクション映画としての面白さ、映画としての出来栄えの良さはそれなりに仕上がった一本でしたが、いかんせん元ネタが映画史の燦然と輝く名作だけにそのイメージを払拭するのは難しいのも事実。ただ、クライマックスの豪快なカメラワークや前半部分の畳み掛けて行く物語の構成は評価してしかるべき映画でした。

物語の配分は過去のニ作品と同様。ある貧しい町を乗っ取ろうとやってくる悪人たちに立ち向かうべく、町の住民たちは助っ人を探しに都会に行き、そこで見かけたチザムというリーダーを中心に7人の凄腕が 町へやってくる。そして悪者集団を迎え撃って、四人が死に3人がまたいずこかへと去って行く。

7人それぞれのキャラクター分けが曖昧になっているので人間ドラマとしての出来栄えはいまひとつですが、最初にも書いたアントワン・フークワ監督得意の移動撮影はさすがに豪快で面白いし、迎え撃つ対決場面のアクション演出は秀逸。この場面を見ただけで、この作品のクオリティが半端じゃないと思える。

エンドクレジットで「荒野の七人」のテーマが流れたりして、あえて過去の名作を避けようとしない開き直りも潔いし、見応えのある一本だったと思います。