くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ビジランテ」「高校生心中純愛」

kurawan2017-12-12

ビジランテ
とにかくくどいし、出口の見えない展開が繰り返されるので、いったいいつ終わるのかと思ってしまう。しかも、核になるモール誘致の話が全体の中で非常にインパクトが弱いのが作品全体を薄くした感じです。監督は入江稔、久々のオリジナルである。

三人の少年、一郎、二郎、三郎が夜の川を必死で逃げている。追いかけてくるのは父親であるようで、一番先を行く一郎が何やら埋めたあと父親に捕まり、三人は折檻を受ける。そして物語は現代へ。

ある街の市議会議員が亡くなり、その葬儀の場、次男は父親の後を継いで市議会議員となっている。たまたま父親の相続財産の土地がショッピングモールの候補地となり、その利権もあり二郎にプレッシャーがかかり始める。

三郎はデリヘルの雇われ店長で、経営者のヤクザ者たちにも土地の利権を奪取するための行動隊にされて行く。

そんな時、行方不明の長男一郎が帰ってきて、遺言書の公正証書を持っており、モールが来る土地は一郎のものだから渡せないと言い出す。

こうして、一郎の土地の権利の奪取が絡み、地元の政治家、などなどの争いが起こり始めるのが本編。だが、結局それだけの話なのだが、どうにも深く展開していかない。三人の兄弟の背景ドラマも希薄で、三郎が関わる女たちのドラマもただ展開を殺伐とさせているだけにしか見えない。

どうしようもないまま、最後はヤクザ同士が一郎を襲って、殺し合いになり、モールの計画もなんとか無理やり目処が立ち、二郎はその推進副代表に、二郎はヤクザ者を殺して死んで行く。

と、結局出口もなく、全てはなるようになったという悲壮感で映画が終わるのです。あまり好みではないですが、と言って駄作でもない。これはこれでいいかなという作品でした。


「高校生心中恋愛」
どう考えても共感できない恋愛映画、正直嫌いな空気感満載の映画でした。とにかく世間知らずで自分勝手なヒロイン洋子が男たちを破滅させて行き、その自覚がないわがままな存在にどう観ても悲恋は見えない、そんな感想が最後まで残った。

相思相愛の高校生カップル洋子と由夫。ある日、由夫の兄が父親を刺し殺し、犯罪者となる。大企業の社長令嬢の洋子の両親は洋子に由夫との付き合いをやめるようにいう。しかし、わがままな洋子は勝手に由夫を追いかけるし、幼馴染の友達も死なせてしまい、最後は由夫を頼って行って、そのまま雪山に心中しに行ってエンディング。
ってどうよ。

とにかく、世間知らずなわがまま娘がひたすら男を不幸にして行く。その展開が見ていられない。恋愛映画を下手くそに作るとこうなるんだというお手本のような映画だった。