「2001年宇宙の旅」(デジタルリマスター次世代IMAX上映)
お世辞にも面白い映画ではないですが、やはり別格の映画ですね。ああいうイメージが作り出せるスタンリー・キューブリック監督の並はずれた才能に圧倒されます。
物語は今更いうまでもないので、今回は最新のレーザーIMAX上映によるデジタルリマスター版の感想などを。
IMAXのスクリーンはどちらかというと縦にでかい。しかし、この作品はシネラマ作品なので、極端な横長画面である。若干70ミリ版リストアされた形の映像ですが、やはりこの映画は極端な横長画面、シネラマで再見したかったです。といってもシネラマ上映できる劇場自体すでにないのですから不可能。
で、音響も映像も最新技術で蘇りました。やはり、画面のスケールは圧倒。しかもフィルムのみが作り出せる美しい景色、特にオープニングの人類の夜明けのシーンは息を呑みます。流石にデジタル技術が進歩した現代でもこの絵は再現できませんね。
もう一点は、音の強弱がくっきりしたために、宇宙空間の無音の静寂が際立ったこと、ラストシーンの真っ白な部屋での物音や息遣い、ざわざわする不気味な声がはっきり浮かび上がりました。
しかし、個々のテクニカルなクオリティより、作品全体の映像芸術とも言える表現は流石に圧倒されます。これがキューブリックですね。私のような凡人には絶対全てを理解することも、こういう映像を作り出すこともできないと思いました。