くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語」「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」

アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語」

つまらないわけではなかったけれど、話がよく理解できないのと、やや長く感じた。ロシア映画らしい一本でした。監督はカレン・シャフナザーロフ。

 

時は日露戦争満州の野営病院に勤めるアンナ・カレーニナの息子セルゲイのところに、かつて母の愛人だったヴロンスキー伯爵が運ばれてくる。カードをしていて爆弾に被爆したのだと言う。

 

若い頃からひたすら恨みを抱いていたセルゲイは、母が列車に飛び込んだ経緯を訪ねるためにベッドの傍に行く。

 

物語は、フラッシュバックで回想していく展開となり、時折、満州の地を挿入しながら流れていく。

 

セルゲイの母アンナはヴロンスキー伯爵と恋に落ち、すでに社交界でも噂されるまでになっていた。アンナの夫カレーニンは世間体と自尊心から彼女との離婚は拒否する。それでもアンナはヴロンスキーと離れることはできず、やがて妹アーニャを産み落とす。

 

まだ幼い息子セルゲイのことが気になりながらも、全てを捨ててヴロンスキーのもとに行くことを決心するアンナ。しかし、全てを捨ててヴロンスキーの元に走ったアンナだが二人の愛情は冷め始めていた。

 

アンナ・カレーニナの話をほとんど覚えていないのですが、自殺するに至る経緯の描写がなんともわかりにくく、満州での中国人少女のエピソードなど奥の深い脚本になっているものの、どうもわかりづらいままに、日本軍が満州に攻めてきて、撤退するセルゲイ、残って交戦するヴロンスキーの姿で映画が終わる。

 

お金がかかってるので退屈しない映像ですが、もうちょっと話をシンプルにしたほうがよかったと思います。

 

「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」

もうちょっと軽いタッチの映画かと思っていたら、やたら陰惨な作品だった。実話ということだから、こう言うことなのだろう。監督はジェームズ・コックス。

 

ディーンが高校時代の同級生ジョーと偶然出会うところからいきなり映画が始まる。高校時代に培ったテニスで、様々な方面の人脈を作り、その人脈を使って言葉巧みに小金を稼ぎ、羽振りのいい暮らしをしているディーンは、しがないディーラーをしているジョーを誘って、投資事業を始める。

 

資金を確保するために、ディーンの顔で、大勢のセレブと渡りをつけ、まず金に投資し、さらに友人を集めて資金を得ようとした矢先、金相場が暴落。しかしそれを逆手にとって、元金を返さず儲けだけを支払う投資詐欺を始めることになる。

 

そしてさらに飛躍のためとかつての投資家への配当支払いのため、次の大口投資家ロンのところへ向かう。そしてまんまと仲間に引き入れたかに思われたが、なんと、ロンは金など持っていず、彼らを騙して、銀行から資金を調達していた。

 

真相がわかりロンのところで詰め寄ったジョーだが、誤ってロンを殺してしまう。そこでディーンとジョーはさらに資金を得るために、アラブの巨大資金を持っている知り合いに近づき、その父を説得しようとするが、気が変わって断られる。思わずディーンがその男も殺してしまう。

 

こうして、どうにも行き場がなくなったところ、とうとうジョーたちは逮捕される。そして、ディーンは取引をしてジョーが首謀者だと訴えるところで映画が終わる。

 

こう言う事件があったのだと言う作品で、話はスピーディだが、キレがあるわけではなく、ただエピソードが次々と羅列されていくだけで、彼らがいかに巧みに資金を増やしたかに見せた面白さは描けていないのは残念。退屈はしないけど、それ以上ではなかった映画でした。