くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「レオン」「22才の別れ 22才の別れ Lycoris葉見ず花見ず物

kurawan2018-02-28

「レオン」(日本)
本当にバカバカしいコメディだし、テレビドラマレベルの映像リズムですが、まぁ、無難に楽しみました。監督は塚本連平

自然食品で大成功した会社の社長玲男は、会社乗っ取りを狙う男の計画で、交通事故を起こす。しかもぶつかった相手が会社の経理部にいるうだつの上がらない女派遣社員玲音。しかも、その事故で二人の体が入れ替わってしまう。

まぁ、よくあるお話で、あとは社長と入れ替わった女と女好きで女になってしまった社長が、会社乗っ取りをしようとしている奴らから会社を守ろうとするのが本編。

そこに、玲音を影から慕っていた男や玲男のかつての恋人の話、息子との話が絡んでくる。この辺りの書き込みは原作がいいのだろう、なかなかよくできている。

ただ、この監督にリズム感がないのか映画が跳ねてこない。せっかくの面白い題材、作りようによれば上質になるはずが、凡作止まりになるのは明らかに演出力の弱さです。

とはいえ、まぁ、最後はハッピーエンドで、さりげないギャグの繰り返しもそれなりに生きているし、軽く楽しむには十分な映画でした。


22才の別れ Lycoris葉見ず花見ず物語」
思い返してみれば、人生は思いの外短いものだったんだなぁと考えさせられてしまいました。伊勢正三の名曲「22才の別れ」をメインテーマに描くファンタジックなラブストーリー。ファンタジーなのにホラーのような様相の演出が前半気になりますが、ボソボソ喋る陰気さが次第にノスタルジーに聞こえる後半には胸が熱くなってしまいました。監督は大林宣彦

エリートサラリーマンの主人公川野はある雨の夜コンビニ店員の花鈴と出会う。彼女は公園でろうそくを燃やしていて、店をクビになったので援交して欲しいと言われる。このシーンに遡るオープニング、川野は医師から無精子症であることを告げられている。

こうして不思議な空気感で物語が始まる。川野には会社の友達で有美という陽気な女性と付き合っているが、彼女は将来子供を持つのが夢だと明るく話す。そんな彼女から川野は離れ、花鈴と付き合い始めるが、彼女にはルームシェアしている若者がいた。

川野は故郷の大分で学生時代、付き合っていた一人の女性葉子がいた。二人は東京に一緒に出てきて、同じ部屋で暮らしたが、東京の暮らしに疲れた葉子は22才の誕生日に川野に一緒に故郷に帰ろうというが、川野が拒否したため、川野の元を去っていく。

そして歳月が流れ、川野は知り合った花鈴と結婚を決めるが、実は花鈴が葉子の娘であり、葉子はすでに死んだことを知る。花鈴とルームシェアしていた若者は一旦は花鈴の元を離れようとするが、自分たちの若き日の過ちを繰り返させないために川野は若者を説得、若者も焼き鳥屋に勤め、いつか花鈴を呼ぶと約束する。

川野は花鈴を故郷大分に送り届け、葉子の墓参りもする。そして再び東京に戻って映画が終わる。

大林宣彦監督らしい感性で描くノスタルジックなラブストーリーで、映画の仕上がりはともかく素敵な作品でした。