「ボス・ベイビー」
楽しかった。原作は絵本らしいが、アメリカらしいアニメストーリーで、もう少しあっさり脚色して終わらせても良かったのではと思うが、始まってからラストシーンまで息を突かせず突っ走るストーリー展開はとにかく楽しい。監督はトム・マクグラス。
一人っ子のティムは両親の愛情を一身に受けて、しかも夢見ることが大好きな彼はいろんな妄想の中で楽しい毎日を過ごしている。そこへ突然やって来た、オヤジのような赤ちゃん、彼は自分のことをボス・ベイビーと呼ばせ、赤ちゃんの世界では中間管理職だという。赤ちゃんの人気がペットの子犬に奪われて来た現実を打破するために、新たに発売予定の、永遠に子犬のままの夢のペット発売を阻止するために派遣されたのだという。
あとはティムとボス・ベイビーが力を合わせ、ペット会社の陰謀を暴き、危機を切り抜けるというもので、実はペット会社のボスこそが、ボス・ベイビーが憧れた伝説の赤ちゃんだということがわかり、しかも赤ちゃん会社に復讐のために考え出さされたことだとわかる。
ボス・ベイビーとティムの友情から愛情に変わる心の変化を交え、ほのぼのした背景を挟みながらのドタバタ劇がとにかく息をも突かせないし、アニメーション画面の独創性や、何処かで見たような名シーンをちりばめた美術も楽しい。
当然ラストはハッピーエンドで、ボス・ベイビーは一旦元の世界へ戻るが、ティムとの生活が懐かしく、普通の赤ん坊として戻ってくる。たしかに日本のアニメは優れていますが、こういう夢のある作品を見せられると、やはりディズニーの国だなと思います。もちろん、この作品はディズニーではありませんが、土壌は同じかなと思いました。
「トゥームレイダー ファースト・ミッション」
この手の映画もマンネリ化して来ているので、よほどの工夫がないとワンパターンになるのですが、今回の作品も結果的に何の目新しさもない凡作でした。アンジェリーナ・ジョリーのヒット作のリメイクですが流石に存在感の違いで今回のヒロインは弱い。しかも大きなスクリーンを意識しているはずなのに画面が大きく見えないので、全体の壮大さが今ひとつで、しかもラストのネタもただ、疫病を閉じ込めた程度というのも興ざめ。残念な仕上がりでした。監督はローアル・ユートハウグ。
父が疾走して七年が経つ。自由奔放に暮らす娘ララ・クロフトは父の意思を継ぐために、残された暗号を解いて古代ヒミコの謎に挑むというのが物語。
例によってアクションシーンとピンチまたピンチのハラハラドキドキのストーリーなのですが、ドタバタするだけで、ララのヒロイン的な強さが見えてこないし、展開も今ひとつ。さらに、謎解きもよくわからないままに緩急がないために、全体がだらけた感じがします。
もう少しストーリー展開にキレがあればまだ見れるのですが、マンネリ化した物語に普通の演出では流石に終盤退屈になってしまった。
見ても見なくてもいい程度の映画というのは本当に残念ですが、そういう出来栄えでした。