くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「レッド・スパロー」

kurawan2018-04-01

「レット・スパロー」
久しぶりに、硬派のスパイ映画を観ました。前半がややキレが足りないのが気になりますが、中盤から後半どんどん良くなって来て、スパッと終わるラストはなかなか見事。原作がいいのでしょうが、見応えがありました。監督はフランシス・ローレンス

ボリショイバレエ団のプリマ、ドミニクがこれから本番を迎えようとしている。しかし。舞台上の事故で、足を骨折、バレエ生命を絶たれる。しかもその事故は、彼女を、妬んだメンバーの仕業だったため、その犯人をめったたたきにする。

彼女の叔父はロシアスパイ組織の重鎮で、兼ねてからドミニクの才能を見抜いていて、彼女をスパローと呼ばれる、スパイ集団に勧誘する。こうして物語が始まる。

ここに、アメリカのスパイで、ロシアから情報を仕入れているナッシュという男がいる。モグラと呼ばれる情報源を守るため、ちょっとしたミスを犯し、それでも、再度東へ潜入してくる。

ここから、彼女が一人前になり、その任務としてアメリカのスパイ、ナッシュに近づくまでの展開がややもたつくのがこの映画の欠点だが、近づいてから、何気なくドミニクがナッシュと親しくなるあたりから、この映画の本当の物語が始まる。

ロシア側はドミニクに、ロシアから情報を提供しているスパイが組織の高官であると目星をつけ、ドミニクにナッシュに近づいて、その高官の名前を探り出すよう任務が降っていた。

こうして、ドミニクはナッシュに近づいていくが、一方で、叔父の冷酷さにも反感を持っている風が見えてくる。この辺りの演技がジェニファー・ローレンスの演技力の賜物で、アメリカに寝返ったかと思うと、ロシア側に戻り、その度に、激しい拷問などを受けるという展開がかなり凝っているが、この凝りようが、先の見えないストーリー展開として、引き込んでくれる。

そして、モグラの名前を聞き出そうとギリギリまで迫ったものの、聞けなかったドミニクの前に、モグラと称する男が現れる。なんと、ロシアスパイ組織のトップだった。自らの命をかけて、ドミニクに、自分をロシアに渡すか、アメリカ側につくか選択を迫って消える。

そして、ドミニクはスパイ交換の作戦に出て、ロシアに、モグラの正体を伝える。そして交換の場所で、ドミニクがロシア側に教えたのは叔父で、全て最初から叔父を陥れるための作戦だったとわかる。

あっけにとられるナッシュたちの前でロシアのヘリに乗って消えるドミニク。そしてロシアで叔父の地位に上り詰めたドミニクの姿があった。

その後、エピローグ、一本の電話がドミニクにかかる。無言の電話をおいて暗転エンディング。果たして、まだどんでん返しがあるのか?そんなラストにため息が出ました。

もう少しテンポよければ傑作になりそうな映画でしたが、なかなか面白かったです。