くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「バーフバリ 王の凱旋」「馬を放つ」

kurawan2018-04-02

バーフバリ 王の凱旋
誰も彼もが面白いというので、見に行きました。たしかに、CGをほとんどの場面に使用し、中国の武侠映画のような壮大な物語を荒唐無稽な映像を駆使して描く展開は素直に面白い。映画としてどうかと言われればともかく、最近のマンネリ化したハリウッド大作に比べて明らかに娯楽映画として楽しめる。監督はS・S・ラージャマウリ

物語のあらすじが最初に語られ、ジブドゥという若者がじつは伝説の王アマレンドラ・バーフバリの息子であることを、無敵の奴隷戦士カッタッパから知らされるところから物語は始まる。

かつて、カッタッパは伝説の王アマレンドラ・バーフバリを殺したと告白し、アマレンドラ・ハーフバリの物語が語られて行くのが本編。

蛮族カーラケーヤとの戦争で勝利し、マヒシュマティの王として指名されたアマレンドラ・ハーフバリだが、このことを良しとしない兄のバラーラデーバは巧みに国母ジヴァガミを操り、王座を狙う。

アマレンドラは、王としての徳を積むため旅に出て、そこでクンタラ王国のデーバセーナ王妃と恋に落ち結婚する。しかし、バラーラデーバの陰謀で、デーバセーナはバラーラデーバの妻となるという誓いをジヴァガミがした後だったため、アマレンドラは王の座をバラーラデーバに譲り、自分は軍隊の長となる。

しかし、いざ王となったバラーラデーバはアマレンドラを亡き者にするため策略を巡らし、とうとう、謀反人として死刑を宣告するようにジヴァガミに宣誓させ、王に忠誠を誓うカッタッパは意に反するもアマレンドラを殺す。

さらにバラーラデーバはアマレンドラとデーバセーナの間にできた息子も殺そうと迫るが、過ちに気がついたジヴァガミが、命を賭して子供を守る

そして25年が経ち物語は冒頭に戻る。全てを知ったジブドゥはマヘンドラ・バーフバリとなって復讐を誓い、バラーラデーバの納める国に攻撃を仕掛けるのがクライマックスとなる。そして、無事バラーラデーバを倒し、新たな王となり、母デーバセーナは新しいジヴァガミとなり映画が終わる。

とにかく出てくる武器が荒唐無稽だし、展開がとにかく派手。CGの技術の粋を尽くした映像がとにかくファンタジックなほどに壮大なので、まさに王と魔法の世界のようなファンタジックな物語に引き込まれるが、全編が緩急なく派手なので、さすがに終盤飽きてきたのも事実。でも娯楽映画としては最高の出来栄えだと思います。


馬を放つ
非常に地味で静かな作品ですが、なかなか良質の映画でした。監督はアクタン・アリム・クバトです。

口のきけない妻となぜかいつまでも喋らない息子と三人で暮らす主人公ケンタウロス。彼が一頭の馬を逃すところから映画が始まる。

キルギスに住む人々はかつて遊牧民で自然や馬と一緒に暮らす穏やかな人々でした。しかし、近代化が進み、それらの人々も馬を食肉や競走馬にして俗世間に染まっていました。そんなことに嫌気がさすケンタウロスは、夜な夜な馬を盗んでは解き放っていたのです。

とはいっても、放された馬はすぐに見つかって元のところに帰っていました。しかし、馬泥棒の汚名を被った男はなんとか真犯人を捉えようと、罠を仕掛けることを提案、そしてまんまとケンタウロスは捕まってしまいます。

しかし、彼の親戚で冒頭で馬を解き放された男は彼の心を汲み、自分の厩舎で働かせ、巡礼にも出すことで許してもらいます。

しかし、ケンタウロスは、祈りの場でも途中から逃げ出し、かつて映写技師をしていた時の部屋に入り、昔のキルギスの人々を描いた映画を流します。

反省の色がないと村の長老たちは村人の総意を得てケンタウロスを村から追い出します。かねてより、浮気をしているという噂を聞いて家を出ていた妻と息子が道でケンタウロスとすれ違います。

ケンタウロスは途中、たくさんの馬が盗まれトラックで運ばれる現場に出くわし馬たちを解放するのですが、馬泥棒の男に銃で撃たれ倒れます。同時に彼の息子も倒れ、その瞬間「お父さん」と言葉を発して映画が終わります。

静かな映画ですが、ちょっと見応えのある一本でした。