くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「GODZZILLA 決戦機動増殖都市」「のみとり侍」

GODZILLA 決戦機動増殖都市
ゴジラのアニメ版三部作の第2章を見ました。前作もそうでしたが、やたら理屈を語るセリフばかりが目立って、うっとおしい。アニメ映像は凄いですが、映画は映像で見せなければ行けません。今回も、カメラワークやカット割りになんの斬新さもなく、ワクワクするほどのストーリー展開もなかった。

地球をゴジラから奪還するべく、その第一体を倒したものの負傷して気を失ったハルオが目を覚ますと、人類から進化したのか昆虫から進化したのかわからない種族が目の前にいた。彼らはメカゴジラの母体だったナノメタルを使った武器を使っていて、その存在に、次のゴジラに対抗すべく兵器を再生し始める。

そして、後一歩で倒せるというところで、当初の作戦でナノメタルと人間の合体による破壊作戦にハルオたちが躊躇した瞬間ゴジラは復活してしまって映画が終わる。

ハルオを救ったミアナたちの種族が鱗粉を体にまとっている上に双子がいるというところは明らかにモスラを想像させるし、エンドロールの後のエピローグでは、次の最終章ではキングギドラの登場を予感させる。

結局、オリジナリティを重視しない制作方針で、この作品の完成度のレベルを知ってしまうのは少し残念。

アニメ映像の凄さは認めるが、映画はそれだけではないことを再確認して欲しいと思う。


のみとり侍
これは面白い!となるべきところなのですが、とにかくテンポが悪くて、全然乗ってこないし、脇役が弱いので話にキレがないし、個性的なキャラクターを配置しているのに、それぞれが立って居ないので、うだうだしているだけにしか見えない。ラストの人情ドラマも間のドラマもみんな死んでしまっている。人物が生きていないのです。監督は鶴橋康夫

長岡藩の小林寛之進が、藩主が詠う歌を皆で聞いているシーンから映画が始まる。しかし、ちょっとした一言で逆鱗に触れ、猫のノミ取りになるよう命令され追い出される。訳のわからないままに市中に出て、猫のノミ取り屋に行く寛之進は、それが、女に愛を売る男娼だと知る。

まず、このノミ取り屋の個性的な主人、男娼たちが面白くない。もっとポンポンと弾むような導入部のはずがダラダラと入って行く。さらに、最初の仕事でバカにされ、婿養子の清兵衛と知り合って、飲み屋で話す清兵衛の話にもキレがなく、全て滑る。さらに続く清兵衛に教示を受ける寛之進の流れもセリフで説明してしまう。

続いては長屋での貧乏侍のエピソード、これも演じる斎藤工の芸不足か、全く面白くないし、続く田沼意次の失脚から、寛之進が河原で晒し首にされる下りも全然。

そしてクライマックス、寛之進を追い出した藩主が、寛之進を認めて藩政改革のために招き入れる畳み込みも全くリアル感がなく引き込まれずにエンディング。

脚本の悪さに演出感性のなさが生んだ失敗作の典型、そんな映画だった。宣伝を見ている時からやや不安だったが思った通りというのはあまりに残念です。