くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「泣き虫しょったんの奇跡」「響 HIBIKI」「プーと大人にな

kurawan2018-09-14

泣き虫しょったんの奇跡
非常に平凡な映画でしたが、こういう人物、こういう世界があるのだという勉強になる映画でした。監督は豊田利晃

主人公瀬川の小学校時代から映画は幕を開け、生涯の友になる鈴木との出会い、将棋クラブに入ってのエピソードなどが語られて行く。

やがて奨励会に入るものの、年齢制限までにプロになれず挫折。サラリーマンになったものの夢を忘れられず、アマチュアの名人となり次々とプロを倒して行く。そんな瀬川をなんとかプロにしようという声が上がり、例外的なチャレンジの機会が与えられ、無事クリアして晴れてプロになって映画が終わる。

まぁ、よくある映像で特に優れたものはない。もう少しポイントを絞った脚本であれば、もっとメリハリの効いた映画になったろうに、やたら小学生の場面が長いのでストーリーの配分バランスが良くないのは残念。

普通の映画でしたね。


響 HIBIKI
不思議な空気感のあるピカレスクロマンという雰囲気の映画、決して傑作の出来栄えではないけれど、次は次は?とドキドキする面白さを満喫できる一本でした。いまの世の中はこうなっているのかもしれませんね。そんな感慨に浸ってしまった。監督は月川翔

出版社に、これから行われる新人賞の応募の作品が届くところから映画が始まる。その封筒は、郵送なので規定違反で廃棄処分に回されるのだが、たまたま花井ふみという編集者がそれを手にして読んで見たところ、たちまち引き込まれる。そして、テキストに打ち直して応募した。

ここに一人の女子高生鮎喰響が友達と登校してくる。部活を決めなくてはならず、文芸部にやってきたが、ただのたまりばになっていて、一人の男子高校生から響が凄まれ、反対に指を折ってやる。宣伝のショッキングシーンがここまでで終わるので、この後が心配だったが、危惧することなくこの後も面白かった。

その翌日もそこにやってきた響たちは、部長だという江凛夏と仲良くなる。江凛夏はベストセラー作家の娘で彼女も本が好きで小説を書いていた。

花井は江凛夏の父の担当でもあったため、江凛夏の家でたまたま響と出会い、ようやく正式に新人賞に応募できるようになる。

終始クールビューティで淡々と答える平手友梨奈の響のキャラクターがなかなか素敵でどんどん引き込まれて行く。時折ブチ切れたように、暴力に走る彼女の次の行動を楽しみにストーリーを追っていく展開になる。

やがて新人賞から、芥川賞直木賞の発表のクライマックスへ、時折、インパクトの強い暴力シーンがとびだしてストーリーにアクセントをつけて行く。中心の話の周りに、10年間芥川賞を目指す小説家やバイトしながら世に出ようとしている若者、あるいは父が有名作家の江凛夏という様々な小説家の卵を登場させ、話に幅を持たせる。

ただ、出版社内の花井ふみ以下のキャラクターが弱いのと、マスコミの描き方がありきたりなのが残念。

史上最年少で芥川賞直木賞をダブル受賞、その記者会見でも暴力沙汰を起こし道時は出版中止かと思われたが、百万部の初版印刷になる。

響が帰り道、十年来芥川賞を狙っていて落選した小栗旬扮する青年と踏切で会い、自殺を思いとどまらせるために響自身が踏切に入ったまま直前で列車を止めてしまう。

パトカーの中で、鉄道会社から損害請求が来るという警官の話に、響が100万冊ならいくらお金が入るかを花井に聞いたカットでエンディング。

決して一級品ではないのですが楽しめる映画でした。


プーと大人になった僕
とぼけた映画である。物語も展開も、セリフも何もかもがとぼけているので、せわしなく毎日を過ごすことがバカらしくなってくる。そんなノホホンとした映画でした。監督はマーク・フォースター

子供の頃のクリストファー・ロビンくまのプーさんらと楽しく遊んでおるシーンから映画が始まる。やがて、クリストファーは大人の入り口に立ち、みんなに別れを告げてタイトル。

今やイブリンという女性と結婚し、マデリンという娘もいるクリストファーはカバンの会社に勤めている。業績が芳しくないと上司から経費削減のプランを作るように言われ、週末家族で出かける予定をキャンセルすることに。
仕事に追いまくられるクリストファーには家族をかえりみる余裕もなくなっていた。

一方100エーカーの森に住むプーはある朝、友達の姿がないことに気がつき、クリストファーのところに行こうと木の幹にある入り口から現代にやってくる。この日もクリストファーは仕事に追いまくられ、妻と娘は二人だけで森に出かけ、一人帰ってきて公園のベンチに座っていると後ろからプーに話しかけられ驚く。

クリストファーはプーと一緒に森に行き、友達を見つけ、慌てて帰るのだが、大事な書類を忘れてくる。プーたちはマデリンと出会い、一緒にロンドンのクリストファーの元に行くことにする。

行ったり来たりの物語で何の工夫もないが、プーたちはのとぼけた言動に癒されてしまう。

何とかたどり着いたが最後の最後で書類をばら撒き、それでも断片の書類からクリストファーは妙案を思いつき大団円。あとは家族揃って100エーカーの森に行きプーたちと楽しく遊ぶ姿でエンディング。

ぬいぐるみかCGなのかマペットなのかわからない感じで人間と絡む映画で、微笑ましい作品です。こういうのんびりした映画もたまに見るのもいいもんだなと思える一本でした。