くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「愛唄 約束のナクヒト」「がっこうぐらし!」

「愛唄 約束のナクヒト」

オーソドックスな映画ですが、このシリーズの前作「キセキ あの日のソビト」の方が良かった。ちょっとエピソードの展開がしつこくてまとまりがないのは惜しいですが、ぼんやり見ている分には、いろいろ考えさせられて良い映画でした。監督は川村泰裕。

 

主人公野宮透が、健康診断の結果を見ている場面から映画が始まる。そして病院で検査をしたら、余命三ヶ月だと言われる。絶望して屋上から飛び降りようとして、通りかかった高校時代の旧友龍也と出会う。そして勝手にカウントダウンアプリを入れられてしまう。

 

無理やりカラオケに付き合わされた帰り、一冊の詩集を拾う。そして追いかけてきた本の持ち主相川と出会う。彼女はかつて有望な女優だったが、イジメに会い突然姿を消した。彼女の愛読書は、伊藤凪という14歳で亡くなった女性の詩集だった。

 

二人は、詩集を通じて親しくなり、会うようになるが、ある日、病院で、白血病で長期入院している少女と出会う。なんと彼女こそが伊藤凪で、死んだことにしていたのだ。野宮は彼女と親しくなるに連れ、生きることに希望を見出して行く。一方、相川も、諦めていた女優の道に戻る。

 

野宮透と伊藤凪は、お互いの残りの人生を精一杯生きようと、凪が望む朝日を見るために海岸へ行くが、凪は気を失ってしまう。この辺りから非常にくどく、体の弱った凪を透が、自分のカウントダウンが終わった夜に再度連れ出す。そして朝日を見せるが、間も無くして凪は死んでしまう。

 

再び詩を書いていた凪の詩を龍也が曲をつけて、それを聞く透。そして今まで関わった人がそれを聞いているショットで映画が終わる。クライマックスがいかにも素人脚本になっているのが、残念ですが、もうちょっと全体をまとめれば、前作同様、良質の一本になったと思います。劇中に出てくる伊藤凪の詩が、心に響いたのは良かったです。

 

がっこうぐらし!

学園祭の低レベルの自主映画並みの映画だった。商業映画として見るなら完全な駄作。出演者のファンをターゲットにしたものとしても、全然出来が良くなかった。ファンがいれば適当に作っても良いやという制作側の顔が見えて気分の悪い一本でした。監督は柴田一成。

 

山間のある高校、保健室に集まってくる女子高生達、よくある学園ドラマのワンシーンから映画が始まる。そして、ここには学校生活部という学校で寝泊まりして自主性を鍛えるというクラブがあり、胡桃達女生徒三人と顧問の保健の先生がいる。

 

ある時、屋上で作業をしていた彼女達が、校庭の騒ぎを見下ろすと、なぜかゾンビになった生徒達が襲っている。まぁ、ゾンビ映画の唐突な導入部は、世界中見ても普通のようなので良いとするのですが、その後の主人公達の学園祭レベルの演技に参ってしまう。

 

もちろん、こういう能天気な空気感を作り出そうとしている意図が見えなくもないが、どこかに張り詰めたものがないと物語がダラダラ見える。まさにその状態なのです。

 

あとは、なんに脈絡もない展開が適当そのものに描かれて、間の取り方もど素人な演技と演出で、とりあえず進む。そして、ゾンビの一人が火事を起こして、胡桃達はピンチになるが、ゾンビ達は焼け死に、胡桃達は卒業ということになり、卒業式をして車で脱出。外にはゾンビがうろついている世界へ向けて去ってエンディング。

 

アイドル映画ならアイドル達をもっと魅力的に見せないといけないがそれもできていない。ただ、ど素人適当映画で終わった。