くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(ディレクターズカット完全版)

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

初めて見たのは30年近く前になりが、確か三時間くらいだった気がします。今回のバージョンは散逸していたフィルムをある程度回収した四時間を超える作品で、追加されたシーンは明らかに劣化した映像になっています。それでも、見応えのある作品でした。大作とはこういうのを言いますね。クオリティは素晴らしいです。監督はセルジオ・レオーネ

 

いかにもギャングらしい男たちがある部屋に入って来る。ベッドをめくるが誰もいない。探しているのはヌードルスという男。そこへ一人の女性イブが入ってくる。ヌードルスの行き先を聞き撃ち殺してしまう。

 

一人の男が吊るされて拷問を受けている。そして苦し紛れにヌードルスは中国人の店にいると白状し、見張りを残してそこへ向かうギャングたち。すんでのところで逃げたヌードルスは、仲間のところへ戻り、見張りを撃ち殺す。そして、駅に隠してあったこれまで仲間と稼いで貯めた金を取りに行くがトランクに中は空っぽ。仕方なく、何処かへの汽車に乗る。そして時間は35年経ち、老齢となったヌードルスはこの街に戻ってくる。

 

仲間のファットジョーの店に行き、そこで、少年時代覗き見ていたジョーの妹デボラへの憧れの場面から一気にヌードルスの少年時代へ。

 

ストリートギャングで仲間と小金を稼いでいたヌードルスは、ある時ブロンクスからやってきたマックスと知り合う。やがて二人は意気投合し、一緒に仕事を始めるが、密輸の酒の回収のアイデアから地元のギャングの仕事を請け負うようになり金を稼ぎ始める。

 

ヌードルスたちは金の一部を駅のロッカーに隠すように決めるが、彼らのことを好ましく思わないかつてのストリートギャングに襲撃され、一番年下の仲間を殺される。逆上したヌードルスは彼を滅多刺しにして殺し刑務所へ。そして10年近い年が立ち出所してきたヌードルスを出迎えたには、この地で羽振りを聞かせるようになったマックスたちだった。

 

現代のヌードルスが街に戻ってきたのは、ある男から招待を受けたためで、駅のロッカーに行くと大金と殺しの依頼が書かれている。かつての仲間の墓が移設になり、移設先の墓地を尋ねるヌードルス。かつて彼が警察に密告し、仲間三人は警察に撃ち殺されたのである。

 

物語はここから、なぜヌードルスが仲間を密告したのかを語っていく。最愛の恋人デボラは、女優の道を進むためにヌードルスを捨ててハリウッドへ。意気消沈しているヌードルスが知り合ったのがイブという女性だった。

 

やがて禁酒法がなくなることになり、ヌードルスたちは次の仕事を考えざるを得なくなる。そこでマックスは、連邦準備銀行を襲うという突拍子も無い計画をヌードルスに話す。明らかに無謀と思われる計画に、ヌードルスは、彼らを捕まえさせて、未然に防ぐことを計画、警察署長に密告をする。

 

そして時が経つ。ヌードルスは、マックスを気狂い呼ばわりするといつも切れる理由が、マックスの父が精神異常だったことを知る。そして、ある財閥の基金で設立されたという病院を訪れるがなんとそこのロビーに写っていた写真には、女優になったデボラがいた。

 

ヌードルスはデボラの舞台を観に行き、楽屋を訪れる。そして、彼女が今暮らしている男性には息子がいるという。その息子の顔を見たヌードルスは、真相を知ることになる。

 

招かれたパーティで出会ったのは、今や実業家となったマックスだった。そして、自分を巧みに助けてくれたヌードルスに借りを返すために、自分を殺すようにヌードルスに訴える。しかし、断ったヌードルスは一人邸外へ。後に出てきたマックスの前をゴミ処理のトラックが横切る。そして、ヌードルスの前でマックスの姿は消える。自ら処理機の中に飛び込み抹消したのだろうか。

 

映像は、遡って中国人の店に行った若き日のヌードルス。アヘンを調合してもらい、放心したように微笑みかけるアップで映画が終わる。

 

ユダヤ人として、アメリカに渡ってきたヌードルスたち移民のいわゆる大河ドラマですが、大胆に配置した橋の構図が印象的で、画面作りのダイナミックさに引き込まれてしまいます。さすがに長い作品で、最初に見たときは、時が何度も遡るので、ついていけなかった印象がありますが、今回じっくり見直して、そのクオリティの素晴らしさを堪能しました。映画を楽しむには本当にいいですね。そんな気持ちが堪能できる1本でした。