くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「トラさん 僕が猫になったワケ」「僕の帰る場所」

「トラさん 僕が猫になったワケ」

大ファンの多部未華子さんを見に行っただけなので、そのほかはどうでもいいのですが、なんとも陳腐な映画でした。ファンタジーなのですから、もっと脚本に工夫してみようとか演出に面白さを出してみようとか思わないのでしょうか。いかにも適当な茶番劇で終わった一本。監督は筧昌也

 

かつて、人気の出た漫画ネコマンを書いていた主人公寿々男だが、最終回を残して、全くやる気のないダラダラ生活を送っている。娘の美優はそんな父が嫌だったが、妻の美津子は献身的に生活を支え、明るい家庭を築いている。

 

ある時、競輪で勝った寿々男はその帰り道交通事故に遭い死んでしまう。しかし、あの世への検問所で1日だけ生き返ることを許される。それもネコとして。

 

生き返った寿々男はトラさんと美優に呼ばれて、娘のそばで暮らし始めるが、妻美津子の妊娠などの出来事で揺れる娘の気持ちなどに戸惑う。しかもすぐ二一ヶ月が立ち、最後の最後、ようやく自分のすることが見つかった寿々男は三時間だけ人間の姿にしてもらい、ネコマン最終話を書き上げる。

 

わざわざネコで生き返ったにもかかわらず、これというエピソードもなく、あっという間に一ヶ月が経つのはいかにも発想力のない脚本です。原作を知らないのでなんとも言えないけれど、なんのためにが全くないので面白くも何もない。しかも、絵も平凡で、これで映画料金を取ろうという製作側の気持ちが全く理解できない映画だった。

 

僕の帰る場所

何か新しい知識を得ることができるかと見たのだが、ドキュメンタリータッチで描かれる荒い画面は、見ていてしんどかっただけだった。監督は藤元明緒

 

日本で暮らしているケインたちの家族がドキュメンタリータッチのカメラで描かれていく。一応ドラマ仕立てではあるが、実話を基にしているので、どこまでがフィクションかと思われる展開である。

 

ある時、夫のアイセが入国管理局の指導で仕事ができなくなり、妻のケインが生計を立てることになる。しかし、厳しい毎日に飽きたケインは二人の息子を連れてミヤンマーに帰ることにする。

 

物語の後半は、ミヤンマーに戻った兄弟のうち兄の方がことある毎に日本に帰りたいと言い、一人家を出て向かおうとするが結局帰ってきて、兄弟共日本語学校に通うようになって映画が終わる。

 

子供たちが繰り返し訴える、ミヤンマーは汚い、日本は良かったなどのセリフ、さらに母が言う、日本なら外で子供を遊ばせても安全、というような言葉に、国の違いを描写しているように思うが、と言って画面に映るミヤンマーが決して悪い国には見えないし、かえって温かみを感じるのはいい感じだと思います。

正直、面白いわけでもない作品ですが、これも映画ですね。