くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ソローキンの見た桜」

「ソローキンの見た桜」

たわいのない作品なのですが、画面の色調がとっても柔らかくて美しい。フィルムなのかカメラのせいなのか結局わからなかったが、こういう画面も作れるんだと感心。監督は井上雅貴。

 

日露戦争当時、松山にあったロシア人捕虜収容所で亡くなった人々の墓の取材シーンから映画が始まる。キャスターの桜子はジャーナリストの倉田の依頼で、亡くなった捕虜の中で、一人人数が合わないソローキンについて調べるべくロシアに行くことになる。

 

日露戦争中、松山の収容所にロシア人兵士が連れて来られる。当時看護婦をしていた桜子のひい祖母ゆいもそこにいた。

 

捕虜の一人ソローキンが突然の熱病で倒れ看病をしたことでゆいとソローキンは急激に惹かれ合う。しかしソローキンはゆいの弟を機雷で殺した軍艦に乗っていた兵士だった。

 

最初は許せなかったゆいも次第にソローキンの人柄に惹かれるいつしか愛し合うようになる。ロシアに革命の兆しが見え始める中、ソローキンはロシアに戻る使命感が強くなり、脱走することを決意。ゆいも連れて行こうとする。

 

通行証を何処ともなく手に入れてもらったソローキンはゆいと示し合わせて脱走。仲間の助けもあり神戸のフランス大使館にたどり着く。そこでロシアに旅立つ数日の間に二人は愛しあう。

 

実は桜子はソローキンの子孫だったのです。ソローキンが脱出するときの通行証は実はゆいが頼み込んで発行してもらったものだったり、ゆいの結婚を前提に両親や家族が彼女達のひと時の恋を応援したりという裏話が最後に明らかにされて映画が終わるが、だったら、ここまでの展開や倉田の存在はなんなのだという脚本ですが、まあこういう作りで十分な一本という感じです。