くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「アガサ・クリスティ ねじれた家」「キングダム」

アガサ・クリスティ ねじれた家」

アガサ・クリスティらしいストーリー展開と真犯人には納得の推理ドラマでしたが、グレン・クローズの存在がでかすぎて、始まった途端に、彼女が何かあると思ってしまうので、ネタバレ状態のままの物語という感じで終わった。監督はジル・パケ=ブレネール。

 

一人の女性が注射器を準備し、ある人に注射、間も無くしてその人が死んでしまう。カットが変わると外交官をやめて私立探偵をやっているチャールズのところに元カノのソフィアがやってくる。祖父のレオニダスが死んだのですが、どうも殺されたようなので、警察に入って欲しくないので調査してほしいという。最初は断ったものの、警察上層部よりの依頼で調査に行くことになる。

 

レオニダスは一代で巨大な企業を築いた実業家で、豪邸に住み大勢の子供達に囲まれていたが、誰もが恨んでいるようで、複雑な人間関係が渦巻いていた。

 

物語はチャールズがそんなドロドロした家族を調査していくが、ここによくあるジョゼフィンというおてんば少女が登場。あちこちコソコソしながら物語の謎を匂わせていく。そして、後半、このジョゼフィンが殺されかけるに及んで、犯人は、レオニダスの妻ブレンダとその愛人だろうと結論が出てくる。

 

しかしそんな時、ジョセフィンにいつもココアを持ってくる使用人のナニーが殺されてしまう。しかし、そに謎を考えるに及んで、チャールズはついに真相にたどり着く。

 

真犯人はジョセフィンで、退屈な家族の中で、しかも嫌いな曽祖父を殺すことを決意、実行したのだ。しかし、そんなジョセフィンを怪しんだナニーも殺される。

 

真相を知った大叔母のイーディスは、ジョセフィンを道連れに車で疾走、崖から落ちて自殺して映画が終わる。イーディスも余命数カ月の病気を持っていた。イーディスを演じたのがグレン・クローズなのだから、最初から匂わせすぎであろう。

 

まぁ普通に面白い推理ドラマだったという感じでした

 

「キングダム」

全然期待していなかったけれど、意外なほどに面白かった。アクションシーンがなかなかの仕上がりになっているし、主演の山崎賢人が完全に周りの実力派の役者に食われてしまっているとはいえ、刺身のつま程度に頑張ってくれたのでラストまで飽きることなく見ることができました。監督は佐藤信介。

 

奴隷として生まれた信と漂の子供時代から映画が始まる。奴隷として売られる途上で当時の天下の大将軍と言われた八万の大群を率いる王騎の軍に出会い、将来天下の大将軍になる夢を持つようになる。そして二人で剣術を磨き成人となったある日、漂は時の軍師昌文君に認められ王宮に招かれる。

 

しかし程なくして瀕死の姿で信のところに駆け込む漂。王の兄成きょうが反乱を起こし、王座を奪ったという。漂は、ある地図を信に渡し事切れる。信がその地図のところに行くと、そこには秦王えい成がいた。しかもえい成は漂に瓜二つだった。

 

はえい成の身代わりとなって敵に討たれ、秦王を守ったのである。そしてえい成は信とともに、王座を取り戻しこの地に平和を戻すべく行動を開始する。

 

成きょうの八万の大群に立ち向かうべく、えい成は山の民に助けを求め、共に中華を一つにする志のため成きょうを倒すため立ち上がる。山の民の王を演じた長澤まさみが実にかっこいいので、後半がもつ。しかも迎え撃つさまざまな悪役がいかにも漫画らしいキャラクターなのも面白い。

 

結局、最後の最後に、えい成は玉座を取り戻し、あわや、反乱軍にされるところへ王騎が駆けつけ、すべて丸く収まって映画は終わる。

 

王騎を演じた大沢たかおの存在感も素晴らしいし、要するに脇役がしっかりしてるのと、ワイヤーアクションを多用した戦闘シーンが良くできていたために、本当に面白かった。これで主役にもっと演技の厚みのある人間を入れていたら傑作になったかもしれないが、これはこれで、エンタメとしては成功していたんじゃないかと思います。本当に掘り出し物でした。