くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「東京喰種 トーキョーグール【S】」「ワイルドライフ」

「東京喰種トーキョーグール【S】」

なんともダラダラグダグダした映画だった。アクションのキレもないし、おそらく原作にある主人公たちの苦悩などのドラマもないし、目を背けるようなグロシーンが所々にあるだけのテンポの悪さはなんだという映画だった。監督は川崎拓也と平牧和彦。

 

半グールになった金木は隠れ家的なカフェ「あんていく」でバイトをしながら暮らしている。究極のグールの美食家月山が金木に目をつけ、食さんと狙ってくるのが今回の物語だが、月山のごたくシーンがとにかくやたらしつこい。

 

カフェの董香の苦悩なども交えて描かれるものの、月山の独り舞台的なダラダラ感で最後まで描かれる話はなんともだるい。

 

クライマックスの月山と金木の対決かと思われたが董香とのアクションがクライマックスで、肝心の主人公は脇にやられたままで映画が終わるのはあっけにとられてしまった。

 

原作の奥の深さが映像化できていないのだろうと思いますが、さすがに脚本の弱さでしょうね。最低の映画でした。

 

ワイルドライフ

良質なヒューマンドラマという感じの秀作。地味な展開ながら、少年ジョーの視線で描かれるストーリー展開は見事なものです。監督はポール・ダノ

 

ゴルフ教室の講師をする父ジェリーと優しい母ジャネットと暮らすジョー。学校でも優等生で、家でも両親のまとめ役のように存在している。ある時、父が突然解雇される。ジャネットもジョーも戸惑うが、父はなかなか再就職もままならない。

 

ジャネットは外の働きに出ることにし、ジョーも写真館でアルバイトを始める。そんな時、ジェリーは山火事の消火作業をする職を得て、遠方へ行くことになる。しかも低賃金ということですジャネットも大反対するが、雪の降る頃に戻るからと強引に出ていくジェリー。

 

二人きりになったジャネットとジョーだが、母の行動に不審なことが見え始める。水泳教室で教えていた生徒の一人で、妻と離婚し車の販売会社をする男だった。ジャネットはジェリーがいなくなり、心細さとさみしさからどうしようもなくなって行った。

 

そんな母を軽蔑するようになるジョー。そして、出ていくことを決心し、バス停で待っていると雪が降ってくる。慌てて家に戻ると、間も無くして父が帰ってくる。しかし、父はジャネットの異変を知り、男の家に火をつけようとする。

 

そしてジャネットは一人暮らしすることを話し、ジェリーはジョーと新しい家に引っ越す。しばらくして、ジャネットがジョーたちを訪ねてくる。ジョーは母の帰り際に自分の写真館で三人で写真を撮ろうと提案。シャッターが落ちたところで映画は終わる。

 

結局、ジャネットも仕方なかったのかもしれない。ジェリーもそんな彼女を許したのかもしれない。ジョーも両親の愛情の絆はまだ残ってると信じているのかもしれない。ラストシーンの三人が並ぶカットがそんな心に迫る何かを語っている気がしました。いい映画でした。