くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「影踏み」「キューブリックに魅せられた男」「キューブリックに愛された男」

「影踏み」

原作はもっと人間ドラマが描けているのだろうが、この映画はそれぞれの登場人物が掘り下げ切れずに空回りした感じで、芸達者な役者も配置しているのに上滑りの仕上がりになった感じでした。監督は篠原哲雄

 

ノビ師と呼ばれる、深夜に家宅侵入して泥棒をしている主人公の真壁は、ある県会議員の家に入り、そこで、その家の妻葉子が放火しようとしている現場を目撃、直後、幼馴染の刑事吉川に逮捕される。真壁は20年前、自宅に母が火をつけ、双子の弟を亡くした過去が蘇る。

 

そして2年後、刑務所を出た真壁を一人の若者が出迎える。彼は真壁のことをシュウニイと呼ぶので、弟分か何かだと物語を追っていったが、実はかつて亡くなった真壁の双子の弟啓介であることがわかってくる。つまり幻覚なのだ。

 

ここから、真壁が2年前の葉子のその後を調べようとし始めるのだが、この展開がどうにも歯車が噛み合ってこない。さらに彼をひたすら待っていた幼馴染で恋人の久子との絡みもどうもしっくりこない。

 

そんな時、吉川が殺される。真壁は何か裏にあるものを探り始めるのだが、そこに見えてくる、判事やら何たらの黒幕の世界がストーリーの根幹としてしっかりと出ていないために、何が何かわからないのです。

 

さらに、大室という若者の存在や、突然真壁を襲う展開、さらに久子に言い寄ってくる久能らの姿も、何が何だかわからないくらいに中途半端な絡みになってくる。

 

結局、久能も双子で、素行の悪い弟のために苦労して、とうとう殺人を犯すのだが、それを知った真壁の姿で映画は大団円を迎える。では、判事の悪事の話はどうなったのか、吉川が殺された真実は結局何なのか、何もかものエピソードが全く仕上がっていないままに終わる。

 

そして、啓介の幻覚が最後に消えて、真壁と久子が、学生時代に立った木のそばで、かつてを懐かしんでエンディング。と、一体どういうことだった?という仕上がりの映画でした。

 

キューブリックに魅せられた男」

監督の専属アシスタントレオン・ピターリにスポットを当てたドキュメンタリー。

 

バリー・リンドン」に出演したレオン・ビターリは、スタンリー・キューブリックに魅せられ、役者をやめ、キューブリックが死ぬまで彼の作品のアシスタントとしてつくことになる。そして、現在も彼の作品の保存に携わっている。

 

延々と続くインタビューシーンの連続で少々疲れるものの、やはり興味深い内容のドキュメンタリーでした。

 

キューブリックに愛された男」

キューブリックの専属ドライバーエミリオ・ダレッサンドロの目を通じて描かれるドキュメンタリー。

 

エミリオがキューブリックに重宝され、またキューブリックの狂人的な仕事ぶりと、繊細すぎる性格が描かれていきます。

 

キューブリックの人柄を知る上でとっても面白かったですが、と言っても驚くほどのもにはなかった感じです。