「ライフ・イットセルフ未来に続く物語」
少々物語の構成に凝りすぎたきらいはありますが、人生が前向きになるとっても素敵な映画でした。ジャンプカットとオーバーラップを多用した時間演出もいいリズムを作り出していて、軽快に進む物語が心地よいです。監督はダン・フォーゲルマン。
一人の男、ウィルは精神科の面談を受けている。その先生が通りに出たところで、ウィルに似た男に話しかけられ、直後にバスにひかれる。しかしそれはウィルの幻覚で、物語はウィルが精神科の医師に話すこれまでの過去の話から始まる。
アビーという恋人と知り合ったウィルはやがて結婚、アビーは妊娠する。ところが、ウィルの実家に行った帰り、アビーはバスにひかれる。お腹の子供は助かったが、ウィルはトラウマにとらわれ、病院へ。その後退院して今となっている。
生まれた娘のディランはウィルの両親に育てられるが、やがて、成人し、反抗するようになっていく。そんな人生を語るウィルだが、実は直後診察室で自殺してしまう。アビーにぶつかったバスの先頭には一人の少年が乗っていてこの事故を目撃する。
場面が変わるとスペインの大地で、農園を営む裕福なサクシオーネの姿、そしてそこで働く働き者のバビエルの物語に移る。バビエルはサクシオーネに気に入られ、家をあてがわれて、雇い人の長となる。バビエルには恋する女性イザベルがいて、間も無く結婚、そして一人息子ロドリゴが生まれる。
過去において孤独な人生を送ってきたサクシオーネは、何かにつけバビエルの家族のところにやってくる。バビエルは家族でニューヨークに旅行することを決める。そして乗ったバスで、たまたまロドリゴが運転手に話しかけた一瞬の時、歩道に出てきたアビーをはねてしまう。
それをまじかに見たロドリゴは、トラウマにうなされるようになる。その治療にイザベルはサクシオーネに援助を申し出る。やがてロドリゴは快復するが、バビエルは、家族の元を去った。しかしサクシオーネは、あくまで援助者としてイザベルらを助ける。
やがてロドリゴは大学へ行けるようになるが、イザベルに病気が見つかる。しばらく母の元にいたロドリゴだが、イザベルの回復が見られない中、イザベルの言葉で、大学へと旅立つ。
大学では恋人もできたが、結局別れ、間も無くしてイザベルは死んでしまう。臨終にサクシオーネはバビエルを呼び戻す。
失意の中、夜道を歩くロドリゴの前に、いまの生き方に疑問を持って酔いつぶれていたディランと出会う。そして二人はその後結婚して、という物語を二人の娘が本にし、発表する場面で映画は大団円を迎える。
人生に逆境はつきものですが、それに対し前に一歩踏む出すことが次の未来が見えてくると語って映画は終わる。
色々考えさせられるし、絵作りの面白さも楽しい。清々しいほどの感動に包まれる素敵な映画でした。
「アナと雪の女王2」
3Dをかなり意識した作画が少し気になりますが、やはりディズニーは面白いし夢がありますね。見ていてほのぼのしてきます。ただ、今回のストーリーはファンタジーというよりアドベンチャー性が強く出ていて、パート2がモロに出た感じです。監督はクリス・パック、ジェニファー・リー。
アレンデール王国では、アナとエルサの平和な日々が続いていた。しかしエルサの耳には時折歌声が聞こえるようになる。
かつて森の精霊たちとアレンデール王国とは諍いを起こしいまでは森は閉ざされたままになっていた。エルサは、なぜ自分にだけ魔法があるのか、なぜ森は閉ざされているのか、その謎を探るためにエルサマナ、クリストフらは森へ向かう。
エルサの力で森の中に入ったアナらは、アレンデール王国の先代の王の時の謀を知り、それを正すべく、その諍いの原因になったダムを破壊することにする。
物語は単純ですが、全編、3D映像が満載で、いつもの美しいディズニーアニメの面白さが少し物足りなかった。それでも、エルサの活躍シーンは楽しいし、ラストはそれなりにハッピーエンドで締めてくれるので、気持ちよく見終えることができた。
「ゾンビランド ダブルタップ」
例によっての悪ノリとグロシーンの連続というバイタリティそのままで、なんの中身もないものの、突っ走っていく勢いに乗ってしまう作品でした。監督はルーベン・フライシャー。
地球上がゾンビに覆われて10年、コロンバスら四人は日々ゾンビハンターとして暮らしていた。ゾンビたちは進化を遂げ、さらに凶暴で強くなっている。ターミネーターよろしく、なかなか死なない?ゾンビや、やたら動きの速いゾンビなどが大挙して襲ってくる中、エルビスファンのタラハシーを中心に、特にあてもなく進んでいく。
あとは、これというドラマもなく、プレスリーマニアのようなモーテルに立ち寄ったり、クライマックスはバビロンという要塞のような楽園で、銃もなくゾンビたちを迎え撃ったりと、派手なシーンの繰り返し。
ラストは、とりあえずその場のゾンビを全て退治して一旦はエンディング。まあ、終わりのない話なので、これでいいかなという楽しみ方をする作品でした。