くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2006-01-01から1年間の記事一覧

映画感想「時をかける少女」「ゆれる」

私のように40歳を越えた映画ファンにとって「時をかける少女」といえばNHKの少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー」に尽きる。当時中学生だったが、今なお、一つ一つのシーンが鮮明に残っているし、テーマ曲もそして感動的なラストシーンも克明に頭の…

映画感想「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」

ご存じ大ヒット映画「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」の続編。 この夏、最大の期待作とされている映画ですね。 とにかく、おもしろいです。なんと言ってもこの映画の魅力は、主人公ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)の魅力に尽きます…

映画感想「紀ノ川」「野菊の如き君なりき」

松竹百十周年ということで名作43本がシネヌーヴォーで上映され始めた。 ちょっと薄っぺらな映画を見飽きたので、映画史に残る名作をと出かけました。 「紀ノ川」は有吉佐和子の名作を原作に中村登監督が作った傑作です。その名の通り、久しぶりに思い切り…

映画感想「神の左手悪魔の右手」

今、乗りに乗っている金子修介監督が、一体、いつ作ったのだろうと思うほどに突然公開された作品がこの「神の左手悪魔の右手」である。なんせ、満を持して発表された「デスノート」が大ヒット中であり、まだその余韻も十分に残っている中で、この楳図かずお…

映画感想「日本沈没」

大ファンの樋口真嗣監督、そして「雪に願うこと」の名脚本を書いた加藤正人が脚本に参加している「日本沈没」、期待せずにはいられないのであるが、やはり33年前の森谷司郎監督の大作「日本沈没」を知るものにとっては複雑な思いで見に行った。もちろん、…

映画感想「ブレイブストーリー」「ローズ・イン・タイドランド」

宮部みゆきファンとしては見ないといかんだろうと思いまして、あまり期待していなかったアニメ「ブレイブストーリー」を見に行きました。 結果はというと、全く予想通りの期待はずれの作品でした。アニメの製作担当をしたのはGONZOでもあるので若干の期…

映画感想「M:I=Ⅲ」

この映画も第三作目になると、さすがに息切れしているのではないだろうか?なんていう危惧は全くなく、ますますスピーディなアクション映画としての地位を確固とした。そもそも、第一作はテレビ版オリジナル「スパイ大作戦」のパターンを全くひっくり返した…

映画感想「ポセイドン」

ロナルド・ニーム監督が描いたパニック映画の秀作にのぞんだヴォルフガング・ペーターゼン監督。 「トロイ」でも見せたのだが、このペーターゼン監督、この手の大作の作り方は非常に上手い。多分、今活躍しているハリウッドの監督の中でも五本の指にはいるの…

映画感想「インサイドマン」

スパイク・リー監督の久しぶりの作品である。私は特にスパイク・リー監督のファンというわけではないが、あの独特の映像感覚は人によれば結構癖になる。スクリーンがラップになって踊り始める。そんな感覚にとらわれるような個性豊かな映像世界。その映像世…

映画感想「DEATH NOTEデスノート」

ベストセラーコミックの映画化ということと、大好きな藤原竜也主演ということがとにかく期待していた「DEATHNOTEデスノート」を見てきた。期待以上、そのおもしろさに席を立てない。思わずラストシーンには拍手したくなるほどに最高のできばえの作…

映画感想「トリック劇場版2」

理屈や、理論や、芸術性などどうでもいい、とにかく「トリック」ファンとしては思い切り楽しみたい。 そんな動機だけで見に行ったのが「トリック劇場版2」である。テレビ版時代から大ファンで、もちろんあの蒔田光治脚本、堤幸彦監督の絶妙のコンビが最高。…

映画感想「初恋」

「府中三億円強奪事件」に題材を撮った中原みすず原作のラブストーリー。原作を先に読んでいて、ただもう、その物語に興味津々で映画が公開されるのを待ち望んでいました。満を期して本日見ました。 第一印象。宮崎あおいの演技に感服。あれほど多才な表情が…

映画感想「雪に願うこと」「陽気なギャングが地球を回す」

佐藤浩市主演の二本の映画を見た。というのかたまたま見たい作品のどちらにも佐藤浩市がでていたということである。「雪に願うこと」 久しぶりに根岸吉太郎監督作品を見ました。 東京国際映画祭で初の四冠達成で話題の傑作と言うことである。 その前評判通り…

映画感想「嫌われ松子の一生」

中島哲也監督が傑作「下妻物語」に次いではなった超破天荒な映画、それが「嫌われ松子の一生」だ。 なんと言っても興味があったのは前作の深田恭子とはうってかわって中谷美紀のヒロイン抜擢。あのサイケデリックこの上ない映像世界に「電車男」のエルメス中…

映画感想「ダ・ヴィンチコード」「間宮兄弟」

「ダ・ヴィンチコード」 期待の作品であった。というのも原作があまりにも面白かったからだ。ダン・ブラウンという人がこれほど面白い作家だとは気づかなかった。 もちろん、事前に種を読んでしまうことに抵抗はあったのだが、映画と原作は根本的に違うもの…

映画感想「アンジェラ」「寝ずの番」

「アンジェラ」はリュック・ベッソン監督が六年ぶりに第十作目として放った監督作であり、最後の作品とされている作品だ。 それだけに力の入れようもなみなみならないものがあるように思う。つまり自由奔放に自分の芸術を追求した作品になっているのだ。この…

映画感想「プロデューサーズ(1968年版)「かもめ食堂」

メル・ブルックスの映画デビュー作にして、今、リメイク版が公開中の「プロデューサーズ」 今日見てきたのはオリジナル版の方である。製作は1968年であるが日本の公開はメル・ブルックスが「ヤングフランケンシュタイン」などで名声を確立したあとのさら…

映画感想「アンダーワールドエボリューション」

レン・ワイズマン監督が描くゴシックワールドの世界。レザーファッションに身を包んだケイト・ベッキンセールの魅力。この映画の売りはまさにこれに尽きる。 前作「アンダーワールド」の続編ということであるが、はっきり言ってほとんどお話を覚えていなかっ…

映画感想「Vフォア・ヴェンデッタ」

「Vfor Vendetta」と書く。Vはヴィと読む。いかにもわかりにくいし、チケットを買うときも言いにくい題名である。 「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟他スタッフが集まって新たなる映像世界というふれこみで公開されたので、見に行ったのであるが、何…

映画感想「ニューワールド」

テレンス・マリック監督が久々に放った作品は壮大な叙事詩。かつてアメリカ大陸が新大陸としてヨーロッパから続々と移民が進んでいた頃、いやもっと前、これから開拓を始めようとしていた頃の物語。前作「シンレッドライン」も戦争映画ながら不思議なくらい…

映画感想「プロデューサーズ」

「プロデューサーズ」と複数になっている。つまりこの物語の主人公のプロデューサーは二人いるのである。 さて、トニー賞最多部門に輝く舞台ミュージカル「プロデューサーズ」、実はオリジナル版はあのコメディの名匠メル・ブルックスが映画監督として196…

映画感想「クラッシュ」

「ミリオンダラーベイビー」の脚本を書きアカデミー賞にノミネートされたポール・ハギス監督。そのポール・ハギス監督が今年はなった作品「クラッシュ」は大本命の「ブロークバック・マウンティン」を退けて大穴でアカデミー賞の作品賞を受賞。脚本賞まで受…

映画感想「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」

ロシアで驚異的なヒットをしたというキャッチフレーズで日本上陸したダークファンタジー「ナイト・ウォッチ」を見たのですが、何とも言いようのない作品でした。「マトリックス」と「ブレイド」を取り混ぜたような映画でしたと、誰かが評していたのですが、…

映画感想「サウンド・オブ・サンダー」

SF界の巨人、レイ・ブラッドベリ。彼が描いたタイムトラベルファンタジー「サウンド・オブ・サンダー」は短編小説である。にもかかわらず、映像化が不可能と言われてきたのはレイ・ブラッドベリの独特の幻想的な描写のせいではないだろうか。そしてついに…

映画感想「スミス都へ行く」

先週に続いてフランク・キャプラ監督の名作第三弾。「スミス都へ行く」を見る。物語の展開は先週の「オペラ・ハット」に非常に似通っている。 議会の議席を埋めるために急遽担ぎ出された田舎もののスミス氏。汚職議員の思い通りにあるであろうと言うもくろみ…

映画感想「オペラ・ハット」

1936年のフランク・キャプラ監督の名作。主演はゲーリー・クーパーとジーン・アーサー。 モノクロームとはいえ天才監督フランク・キャプラの毒のこもった社会風刺は絶品であった。冒頭部、一台の車が猛スピードで走っている。何度かのカーブを曲がったあ…

映画感想「ブロークバック・マウンティン」

とにかく冒頭シーンから美しい雄大な自然の景色が目に飛び込んできます。 これほどまでに息をのむような景色をスクリーンで見たのは「ディア・ハンター」以来ですね。遙か彼方に広がる地平線、その上にまるで絵の具を流したように美しい空のブルー、そして白…

映画感想「SPIRIT」

ジェット・リーが最後のマーシャルアーツ出演作として選んだのは、先日見た「力道山」の中国映画版だった。物語は実在の人物フォ・ユァンジャの半生を描いた物語。完全な実話というわけではないと思いますが、ストーリーの根底にはアジア諸国から見た西洋批…

映画感想「エミリー・ローズ」

実話をもとにした悪魔払いに関する映画なんて言うキャッチフレーズであったが、こうなると誰もがあのオカルト映画の名作「エクソシスト」を思い出さずにはいられないし、当然、比較もされるだろう。当初の宣伝フィルムもそんな点を明らかに意識した作りにな…

映画感想「ナルニア国物語/第一章:ライオンと魔女」

この春最大の期待作品こそこの「ナルニア国物語/第一章:ライオンと魔女」である。 そして、今日その期待作品を見てきたのです。 そもそも、ファンタジー系は大好きな私にとっては、冒頭部分からあっと驚く導入部分でした。 なんせ、いきなりドイツの爆撃機…