くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「切腹」

宮島義男の映像芸術を堪能しました。 構図の素晴らしさ、引いては寄る、寄っては引くカメラワークの醍醐味、シネスコ1:2の横長の画面を徹底的に利用し、傘の骨の隙間から見せる人物の背中、また柱と柱を縫いながら移動しその向こうに見せる人物同士の会話。…

映画感想「ウルヴァリン:X−MEN ZERO」

本家「X−MEN]シリーズのスピンオフ映画である。X−MENシリーズのほとんど主役であるローガン(ウルヴァリン)を主演に、ウルヴァリン誕生までのお話が描かれる。 とはいっても、アクション娯楽大作である。派手なバトルシーン、巧妙なCGシーン、豪…

映画感想「キャデラック・レコード」「リミッツ・オブ・コントロール

「キャデラック・レコード」 アメリカに1940年代に実在し、数々の黒人アーティストを輩出したチェス・レコード(キャデラック・レコード)の創始者レオ・チョイスの物語である。 正直、私は黒人ブルースおよびそれに続く音楽に対する趣味はほとんど皆無…

映画感想「カムイ外伝」

私のような世代にとって「カムイ外伝」はリアルタイムでアニメを見た世代である。そして原作者白土三平の世界観に酔った世代でもある。 白土三平の忍術漫画というのは、一言でアクションのある単調なストーリーではなく、奥底にある人間同士の業、差別、悲哀…

映画感想「ココ・アヴァン・シャネル」

伝説のデザイナーの若き日から、成功までの半生を描く作品。 正当に時間を追ってつづられていく作品で、特に奇抜な映像も展開もない物語です。 つまり、晩年のシャネルを中心に空間と時間をキルティングのようにつむいでいく、シャーリー・マクレーン主演の「…

映画感想[TAJOMARU」

いまさらいうまでもないが、何度となく映画化された芥川龍之介原作の「藪の中」を元にしたオリジナルストーリーである。 「藪の中」といえば黒澤明監督の「羅生門」を思い出す人がたくさんいらっしゃるでしょう。当然、その影は払拭することはできなかったようで…

映画感想「プール」

荻生直子監督の「かもめ食堂」「めがね」に続いての癒し系シリーズの作品です。今回の監督は「不機嫌なジーン」の脚本などで活躍中の大森美香監督脚本作品で、いままでのムードとどことなく違うところがまた見所でした。人間の価値観への考え方、母と娘の心のすれ…

映画感想「クララ・シューマン愛の協奏曲」

クラッシックにはほとんど無知な私でもシューマンやブラームスの名前くらいは教科書で見たことがある。とはいえ、曲なんぞ聴いてもどれがどれかさっぱり。そんな偉大な作曲家に寄り添った一人の女性クララ・シューマンの物語を見てきました。監督はブラーム…

映画感想「火天の城」

織田信長がびわ湖畔に作った壮大な城安土城築城の物語である。そもそも歴史大作というものが好きなので、それなりに楽しむことができました。壮大な建築物完成にまつわるさまざまなエピソードをフィクションを交え描いていく物語。非常にまじめに作っている…

映画感想「BALLAD名もなき恋のうた」

純粋に、映画っていいなぁと思える、楽しい娯楽映画に出会った気がします。2002年アニメで、さまざまな賞に輝いた傑作「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」の実写版であり、時代劇大作である。 当初から、やや構えてみてしまった。それ…

映画感想「幸せはシャンソニア劇場から」

<ラストシーンに触れています> 実に美しい、そして、どのワンシーンをとっても絵画にしたいようなファンタジックな画面を堪能できた映画でした。 古きよきフランス映画、ルネ・クレールやマルセル・カルネが活躍していた頃のフランスの町並み、そして、路…

映画感想「サブウェイ123激突」

ご存知のように、1974年の秀作「サブウェイパニック」のリメイクである。 今回の監督は、トニー・スコット。冒頭のタイトルバックからめまぐるしいほどの細かいカットの連続で、トニー・スコットならではのモダンで、スタイリッシュな映像が爆発する。 …

映画感想「縞模様のパジャマの少年」「色即ぜねれいしょん」

「縞模様のパジャマの少年」 素晴らしい映画に出会いました。物語の展開の見事さ、カメラ演出の素晴らしさ、脚本のうまさ、どれをとっても一級品の傑作でした。 いや、それよりも、これほどストレートな反戦映画に久しぶりに出会った気がします。主人公ブル…

映画感想「女の子ものがたり」

先日、実写版になった「いけちゃんとぼく」の原作者西原理恵子さんの自伝的コミックの映画版。 非常に評判がいいこともあってかなり期待していたのです。そして、期待通り、いい映画でした。「スタンド・バイ・ミー」のような物語は男の子だけの特権かと思っ…