くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2009-01-01から1年間の記事一覧

映画感想「パイレーツ・ロック」

名脚本家リチャード・カーティスが脚本監督をした作品ということで、期待していたものの、なんせ上映劇場が都心に限られているため、半ばあきらめていたが、ちょうど時間があったので見に行ってきました。まさにリチャード・カーティスならではの映像世界が…

映画感想「PUSH 光と闇の能力者」

「ラッキーナンバー7」が結構好きな私はこの監督ポール・マクギガンの新作であるこの映画は結構楽しみでした。 しかし、公開が限られた劇場であり、クチコミも芳しくないのでためらっていたのです。でも、万を帰して見に行ったのですが、これがなかなか掘り出…

映画感想「ソウSAW6」

いったいどこまで続くのやらこの「ソウ」シリーズ。 今回はとうとう第六作まで来てしまい、正直第一作はなんとなく覚えているもののそれ以降の展開はほとんど覚えていないというのが正直なところである。 前作「ソウ5」はかなりえぐかったし、その前の「ソウ…

映画感想「スペル」

久しぶりのサム・ライミ監督作品。近年は「スパイダーマン」シリーズで派手なアメコミ作品が中心であっただけに、本来のサム・ライミファンとしてはちょっと物足りなかったところゆえ、かなり楽しみにしていました。 今回の作品、従来のサム・ライミらしいB…

映画感想「ホースメン」

チャン・ツィイーとデニス・クエイドという組み合わせのサスペンス映画ということで、チャン・ツィイーのファンでもある私は興味津々、もしかして掘り出し物かもと思って出かけた。冒頭からいきなりスプラッター映画に近いようなグロテスクなシーンで思わず…

映画感想「母なる証明」

韓国映画の未熟さについては、以前にも触れてきました。最初の三分の一ほどはとにかく耐えなければいけない。さらに韓国のお国柄というか、国民性というかはさすがにいまだに理解しきれないところがある。そんな前提はさておき「グエムル漢江の怪物」の冒頭…

映画感想「わたし出すわ」

ひさしぶりに森田芳光監督の映像芸術を堪能しました。まだまだ森田監督の才能は枯渇していませんね。近年、商業映画の大作が多かったので、ちょっと危惧していましたが、今回の作品で安心しました。なんといっても、美しい画面作りはみごと。左右対称に捕ら…

映画感想「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」

まったく、アメリカはこの手のステージムービーを作らせると本当にうまい。 6月に急逝したポップ界のキングマイケル・ジャクソンのロンドン公演のリハーサルの模様を描いたいわばドキュメンタリーではあるけれども、当初から記録として残すためにカメラを回…

映画感想「クリーン」

オリヴィエ・アサイヤス監督作品は触れたことがないので、正直どういうものかかなり不安でした。とはいえマギー・チャンがカンヌ映画祭で主演女優賞を取った作品というネームヴァリューで見に行ったのです。いわゆるミュージシャンとして成功していた主人公…

映画感想「沈まぬ太陽」

非常に重厚な中に人間の本質とは何か?生きるとは何か?を見事に問い詰め表現した素晴らしい大作でした。 しかも、久しぶりに中盤で10分間のインターミッションをはさむという上映の仕方に非常に好感を持ちました。昨今の商業主義の大作なら前後編や、第一部…

映画感想「悪夢のエレベーター」

とにかく、気楽に楽しめるコミカルな大どんでん返しのサスペンス映画の秀作でした。いやぁ、楽しかった。目が覚めるとエレベーターに閉じこもられていることに気がつく主人公。なんか、どっかで聞いたような設定やら、舞台やら・・と過去にもこの手のパター…

映画感想「パンドラの匣」

太宰治の原作は読んでいなかったけれども、非常に好感度のある青春映画のようなさわやかさの残る作品でした。しかも太宰治の作風がきれいに反映されていたようで、良い映画でした。太宰治というと「人間失格」に代表され、自ら命を絶ったというくらいイメー…

映画感想「さまよう刃」

東野圭吾さんの小説はミステリー性もあるが、ドラマ性が圧倒的に重厚で見事である。したがってその映像化に当たって、そのドラマ性を描ききれていない作品はことごとく失敗している。さて、この「さまよう刃」ですが、私はすでに原作を読んでいました。あの奥…

映画感想「ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜

日本映画の美しさ、清楚な中にある人間ドラマの力強さ、研ぎ澄まされた感性の果てにある生きることの意味に感動した見事な作品でした。冒頭、一人の男大谷(浅野忠信)が大げさに着物のすそを広げて飛ぶようにこちらにかけてきます。スローモーションながら…

映画感想「ATOM」「エスター」「クヒオ大佐」

「ATOM」 上戸彩ちゃんがアトムの声をしているというその理由だけで見に行ったアメリカ版「ATOM」。 本来、CGアニメが大嫌いにもかかわらず、声だけを聞きにいくというのもなかなか自分でもようやると言う感じです。しかしながら、このアニメ、結…

映画感想「カイジ〜人生逆転ゲーム〜」

たかが映画じゃないですか?気楽に楽しみましょうよ。「面白いですよこの映画!」っていう映画に出会いました。もちろん原作のコミックは大ベストセラー。多分原作のファンの方は「どこが気に入らない、あそこがつまらない」などおっしゃる方はいらっしゃる…

映画感想「私の中のあなた」

ジグソーパズルでできた一つの家族の物語を、ひっくり返してそれぞれのピースをいろんな視点からスクリーンに映し出してみたようなそんな映画でした。最初は時間の異なる場面が次々出てくるので当惑しかけますがそのうち、これは家族のメモリアルなのだと思…

映画感想「空気人形」「あの日、欲望の大地で」

「空気人形」 現代の寓話ですね。是枝裕和監督は「誰も知らない」でも都会に存在する一種の寓話を描きましたが、この作品でも原作があるとはいえ、現代人の心の空虚を人形の形を借りてファンタジックに作り上げた都会の寓話ではないかと思います。窓ガラスに二…

映画感想「のんちゃんのり弁」

小西真奈美の抜群の演技力に脱帽してしまいました。そして、脚本の組み立ての見事なこと、それぞれの演技陣の単発であるにもかかわらず職人技ともいえる演技、言葉のコラボレーション。 物語全体のテンポの良さ、本当に映画というのはキャスト、スタッフすべ…

映画感想「切腹」

宮島義男の映像芸術を堪能しました。 構図の素晴らしさ、引いては寄る、寄っては引くカメラワークの醍醐味、シネスコ1:2の横長の画面を徹底的に利用し、傘の骨の隙間から見せる人物の背中、また柱と柱を縫いながら移動しその向こうに見せる人物同士の会話。…

映画感想「ウルヴァリン:X−MEN ZERO」

本家「X−MEN]シリーズのスピンオフ映画である。X−MENシリーズのほとんど主役であるローガン(ウルヴァリン)を主演に、ウルヴァリン誕生までのお話が描かれる。 とはいっても、アクション娯楽大作である。派手なバトルシーン、巧妙なCGシーン、豪…

映画感想「キャデラック・レコード」「リミッツ・オブ・コントロール

「キャデラック・レコード」 アメリカに1940年代に実在し、数々の黒人アーティストを輩出したチェス・レコード(キャデラック・レコード)の創始者レオ・チョイスの物語である。 正直、私は黒人ブルースおよびそれに続く音楽に対する趣味はほとんど皆無…

映画感想「カムイ外伝」

私のような世代にとって「カムイ外伝」はリアルタイムでアニメを見た世代である。そして原作者白土三平の世界観に酔った世代でもある。 白土三平の忍術漫画というのは、一言でアクションのある単調なストーリーではなく、奥底にある人間同士の業、差別、悲哀…

映画感想「ココ・アヴァン・シャネル」

伝説のデザイナーの若き日から、成功までの半生を描く作品。 正当に時間を追ってつづられていく作品で、特に奇抜な映像も展開もない物語です。 つまり、晩年のシャネルを中心に空間と時間をキルティングのようにつむいでいく、シャーリー・マクレーン主演の「…

映画感想[TAJOMARU」

いまさらいうまでもないが、何度となく映画化された芥川龍之介原作の「藪の中」を元にしたオリジナルストーリーである。 「藪の中」といえば黒澤明監督の「羅生門」を思い出す人がたくさんいらっしゃるでしょう。当然、その影は払拭することはできなかったようで…

映画感想「プール」

荻生直子監督の「かもめ食堂」「めがね」に続いての癒し系シリーズの作品です。今回の監督は「不機嫌なジーン」の脚本などで活躍中の大森美香監督脚本作品で、いままでのムードとどことなく違うところがまた見所でした。人間の価値観への考え方、母と娘の心のすれ…

映画感想「クララ・シューマン愛の協奏曲」

クラッシックにはほとんど無知な私でもシューマンやブラームスの名前くらいは教科書で見たことがある。とはいえ、曲なんぞ聴いてもどれがどれかさっぱり。そんな偉大な作曲家に寄り添った一人の女性クララ・シューマンの物語を見てきました。監督はブラーム…

映画感想「火天の城」

織田信長がびわ湖畔に作った壮大な城安土城築城の物語である。そもそも歴史大作というものが好きなので、それなりに楽しむことができました。壮大な建築物完成にまつわるさまざまなエピソードをフィクションを交え描いていく物語。非常にまじめに作っている…

映画感想「BALLAD名もなき恋のうた」

純粋に、映画っていいなぁと思える、楽しい娯楽映画に出会った気がします。2002年アニメで、さまざまな賞に輝いた傑作「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」の実写版であり、時代劇大作である。 当初から、やや構えてみてしまった。それ…

映画感想「幸せはシャンソニア劇場から」

<ラストシーンに触れています> 実に美しい、そして、どのワンシーンをとっても絵画にしたいようなファンタジックな画面を堪能できた映画でした。 古きよきフランス映画、ルネ・クレールやマルセル・カルネが活躍していた頃のフランスの町並み、そして、路…