くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ゴールデンスランバー」

とにかくおもしろかった。導入部分のつかみからいっきに本編に引き込まれ、軽快なテンポの中で、モダンなサスペンスが展開する。まさに伊坂幸太郎の世界である。 宣伝フィルムでは首相暗殺のぬれぎぬを着せられた主人公の逃走劇で、巻き込まれ型のサスペンス…

映画感想「ラブリーボーン」

この映画、ファンタジーでもサスペンスでもない。ひとつの家族の映画である。 冒頭、三人兄弟の末の弟が枝をのどに詰まらせて、死にかける場面、長女スージー・サーモン(演じるシアーシャ・ローナンが本当に愛くるしくてかわいい)が、車を見よう見真似で運…

映画感想「海角七号/君想う、国境の南」

台湾で大ヒットしたというふれこみの作品で、宣伝をみていたときから気になっていたのでようやく見に行きました。台湾作品はあまりふれたことが少ないですが、韓国映画同様、前半の三分の一あたりまでは本当に幼稚な映像と展開に終始しますね。しかも、警察…

映画感想「4ヶ月、3週と2日」

2007年カンヌ映画祭パルムドール賞受賞作品、なんと天六のユウラク座にて上映していたので出かけた。本当にこの映画館時々とんでもない作品を上映しているから要注意である。さてこの映画、なんともやるせないほどに重苦しくてうっとうしい作品でした。…

映画感想「Dr.パルナサスの鏡」

テリー・ギリアムの不思議ワールドが爆発した見事な映像世界でした。ヒース・レジャーが途中で急死、彼の未撮影シーンをジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウが引き継いで完成したいわく付き作品である。物語は得体の知れない見せ物一座の馬…

映画感想「サロゲート」

冒頭、いきなり14年前、11年前、・・・と現代までのいきさつ、主要人物の紹介、そしてこの物語の見所ともいうべき問題点が手短なカットで描かれ、背後のテンポの速い効果音楽と共に一気に物語の本編へなだれ込むファーストシーンは見事である。この導入…

映画感想「かいじゅうたちのいるところ」

なんともつかみどころのない作品でした。 世界的に有名な絵本の実写映画化ということでスタッフもそれなりに原作に思い入れがあるという前提で作られた作品ですが、すでに監督以下のスタッフはこの原作に入り込んでしまっていて、理解しきったうえで、自己満…

映画感想「誰がため」

第一印象、非常に美しい。画面のそれぞれの配置やカメラアングルがため息が出るほど洗練された映像なのである。デンマークのもともとの景色ゆえなのか、監督オーレ・クリスチャン・マセンの意図的な演出の手腕なのか、目を見張るほどに美しい。一方で描かれ…

映画感想「今度は愛妻家」

この感想は物語のキーポイントになる重要なネタばれに触れています 久しぶりに素直に物語りに浸って感動してしまいました。最近、どうも映像がどうとか、脚本がどうとか、こだわって見すぎていた気がします。 この映画は大好きな行定勲監督作品である。とに…

映画感想「(500)日のサマー

全米で単館公開からヒットしたために拡大公開された話題の作品ということで「リトル・ミス・サンシャイン」のような掘り出し物を期待して出かけた。 (500)日のサマーというのはいわゆる500日間の男女のラブストーリーだと思っていたが、パンフレット…

映画感想「パルムの僧院」「カティンの森」

「パルムの僧院」 ジェラール・フィリップ特集上映の一本、以前から見たかった作品のうちの一本である。 3時間というこの時代では大作映画であるが、なかなかどうして面白かった。つまり脚本の構成がいいのだろう。 タイミングよく見せ場を用意し、飽きさせ…

映画感想「弁天小僧」

弁天小僧 伊藤大輔監督が市川雷蔵と組んだ第一作。小気味よい展開がとにかく面白い。娯楽時代劇とはこういうものかと思わず納得してしまいました。冒頭、賭博場のシーンから、筆頭家老をおじに持つ侍とその仲間たちが丁反に興じる様子が描かれます。そして次…

映画感想「珍品堂主人」「台所太平記」

森繁久弥追悼番組2本をみる。 「珍品堂主人」 骨董品には並はずれた鑑識眼を持つ珍品堂主人なるあだ名を持つ主人公加納夏磨(森繁久弥)が、ふとした知り合いの久谷なる会社経営者らしき人物の別邸を割烹として借り受け、食材や食器にこだわりながら仕事に…

映画感想「手討」「殺陣師段平」

「手討」 田中徳三監督の映像美学が画面の隅々に、いや映画全編全てにちりばめられたすばらしい作品でした。 青山播磨(市川雷蔵)の相手役お菊を演じた藤由紀子という女優さんがなんともうっとりするほどに美しい。また、大名から腰元にいたるまでの着てい…

映画感想「好色一代男」

本日見たのは増村保造監督作品「好色一代男」 軽快なせりふの応酬とテンポのよい場面転換、ストーリー展開が心地よいコミカルな世界へいざなってくれます。 原作はご存知井原西鶴、京都の老舗の商家の若旦那世之介(市川雷蔵)がただひたすら女遊びに明け暮…

映画感想「モンパルナスの灯」「ぼんち」

モンパルナスの灯 ジェラール・フィリップ特集上映の一本、しかも長年みたいと思っていた作品でもあります。 天才的な画家モディリアーニの半生を描いた作品ですが、なんと言っても共演のアヌーク・エーメが抜群に美しい。透き通るような美女とはこのことを…

映画感想「斬る」「薄桜記」

今年初映画はやはり雷蔵特集。傑作二本である。 「斬る」 昨年みた「大菩薩峠」の三隅研次監督作品である。 「大菩薩峠」の時も感じたのですが、その画面づくりの美しさである。 映画が始まると、ふすまの一部が大写しで画面に映る。その左の端から藤村志保…