2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧
「RAILWAYS」の錦織良成監督が、「RAILWAYS」を監督する前にとった作品で、大阪で公開していなかった一本である。なぜか突然、二週間限定でなんばパークスシネマで公開ということだったので見に行った。 すばらしい映画だった。心地よい時間…
「BOX 袴田事件 命とは」 最初にこの物語はフィクションである。そのことを映画の出だし部分でこの映画の中心人物袴田巌と熊本典道が昭和11年の同じ日に生まれたというシーンが挿入されている。これは実際とは違ったフィクションである。しかし、明らか…
「パリ20区、僕たちのクラス」 カンヌ映画祭パルムドール賞受賞の話題作である。 映画が始まってしばらくして、これはドキュメンタリー映画なのかと疑ってしまった。解説にも書いてあるとおり、教室の中で教師に一台、生徒に一台、教室全体に一台とカメラ…
それほど期待はしていなかったが磯村一路監督作品でもあるので、それなりの作品であろうと思っていたが、出だしから、これはちょっとという感覚が最後まで抜けない凡作でした。 とにかく北村景子が終始、ぼそぼそと悲劇のヒロインよろしく演技しているのが、…
「荒野の1ドル銀貨」 今やテレビ洋画劇場で放映することもなくなったマカロニウエスタン。この作品も小学生の頃何度となく見た映画である。 初めてスクリーン(というか大画面)でみたが、こんなにつまらないストーリーだったかと思ってしまった。主演のゲ…
私の今まで見たうちでのラブストーリーのベストワン映画です。 久しぶりにスクリーンで見直しましたが、あらためて感動してしまいました。 今見直すと、やはりI・A・L・ダイアモンドとビリー・ワイルダーの脚本のすばらしさに感嘆します。もちろん、ビリ…
「サバイバル・オブ・ザ・デッド」 ジョージ・A・ロメロ監督作品である。今回も彼独特の世界観が全編に行き渡った個性的なゾンビ映画でした。 すでに死者がよみがえっているのが当然のようになってしまった世界を舞台に、軍でゾンビ退治をするサージが主人…
戦後股旅映画の最高傑作といわれるこの作品。出だしからエンディングまで整ったストーリー展開と丁寧な演出が際立つ加藤泰監督らしい名編であった。いきなり、沓掛時次郎(中村錦之助)と相棒朝吉(渥美清)との掛け合いから物語は始まりますが、いきなり時…
「ボーダー」 ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ主演、監督がジョン・アヴネットとこれだけスタッフキャストがそろっているにも関わらず公開が遅れ、すでにDVDは発売なっている状態で公開された作品。 できばえは決してひどいものではなくそれなりの…
資生堂のキャンペーン映画程度にしか思っていなかったこの映画、ただ大好きな田中麗奈がでているからという理由だけで見に行ったのですが、泣いてしまいました。三世代にわたる女性の物語なのですが、そこに家族、結婚、出産、別れなど生活の中でありきたり…
原題は「THE BOOK OF ELI」(イーライの本)というので、わざわざ「ザ・ウォーカー」に変えた意味もわからなくはない。イーライというのはこの映画の主人公なのです。まぶしい光が画面を覆い、とある森に死の灰のごとく塵のようなものが津々と降…
「ローマの休日」 いわずとしれたラブストーリーの名作。午前10時の映画祭で30数年ぶりに見直した。 やはりすばらしい。今回は全編涙が潤んでみてしまいました。1時間30分ほどの短い作品であった印象でしたが、なんと2時間近くもありました。それほ…
「序の舞」 いわずとしれた上村松園の名画を題名にしたところから、彼女をモチーフにした一人の日本画家の波乱の人生を描いた作品である。 画面が特に美しい。雪の降る片田舎の出だしのシーンに始まって、京都の町屋の屋内の場面、さらに町並み、さらに長浜…
パリの街角、美しい建物と降り注ぐ陽射し、そしてパステル調の色合いのタイトルがテンポのいい音楽をバックに次々と入れ替わる。この映画の出だしは一気にリズム感ある画面で引き込んでくれます。 タイトルクレジットが終わると、建物からなにやら忙しそうに…
今時、日本の怪談映画なんて見る機会も少ないので、井川徳道特集の一本で見に行きました。見るからに悪役そうな家臣鍋島直茂(内田良平)が謀反を起こして城主を殺すところから始まる。いわゆるこの手の怪談映画の常道でもありますね。 そしてこの直茂、当然…
「ローラーガールズダイアリー」 ドリュー・バリモアは映像的なリズムのセンスが抜群なことを知らされる秀作でした。 出だしは、テキサスの田舎町のミスコンの会場、次々と少女たちが舞台でコメントしていく中で舞台裏でシャンプーでとれない髪の染料を必死…
「忍者狩り」 いわゆるアクション時代劇である。 お世継ぎ問題を巡って、それを阻止せんとする側からの忍者集団とそれに対抗するために組織された浪人たちとの戦いを描く。まさにチャンバラの世界である。ある城の石垣の上に立つ浪人の姿から映画が始まる。…
第一作よりは格段におもしろかった。というか前作があまりにもつまらなくて、この手のヒーローものは日本のアニメ系の方がよっぽどおもしろいと思ったからです。今回は戦闘シーンが大幅にパワーアップし、わかりやすい敵ウィップラッシュ(ミッキー・ローク…
まるでゲーム感覚ではらはらどきどきを売り物にしている昨今の医療ドラマの中で久しぶりにまじめに描いた人間ドラマとして完成させたこの作品はそれなりに評価してもいいと思いました。 もちろん映画としては凡作でこれといって取り上げるほど秀逸な部分は見…
「日本侠客伝 斬り込み」 井川徳道の美術特集の一本。 物語は東映任侠映画の典型的なストーリーでたわいもないが、クライマックスの道行きシーンはさすがに東映映画である。 藤純子が抜群に美しく、娘の寺島しのぶとは全然違う美しさはさすがに日本映画の至…
「真田風雲録」 全く、時代考証などそっちのけの痛快娯楽時代劇でした。 なんせ、隕石が落ちてきてその放射能を浴びて特殊な能力を持った赤ん坊が後の猿飛佐助というのだから笑ってしまう。しかも歌は歌うし、ギターはでてくるし、淀君はその辺の口うるさい…
19世紀イギリスの天才詩人ジョン・キーツの最後のひと時を恋人ファニー・ブローンの視点からつづったラブストーリーです。二人の恋物語の起伏に添って色彩が変わっていくという本当に美しい映像で、しかもジェーン・カンピニオン監督の女性らしい優しい画面…
30数年前に見た作品ですが、公開当時わずか一週間で突然上映打ち切り、幻のラブストーリーとしてカルトな人気を誇っていた作品です。久しぶりにみて、あのファンタジックな物語にまたもや引き込まれました。脚本が丁寧でまじめなんですね。だからこの映画…
4つの物語の同時並行で進むいわばオムニバス映画である。 肩の凝らない気楽な作品で、それぞれの登場人物が醸し出す、ちょっとエロティックでちょっとグロテクス、それでいて、憎めないほどの人間像が魅力の映画でした。画面が始まるととあるビーチで夕日を…
大ファンである中島哲也監督作品。今回はシリアスなミステリー調の社会ドラマである。 めくるめくような生徒たちの姿、その中で埋めれてしまいながらも語り続ける先生の姿がスローモーション、クローズアップを繰り返しながら写されていく。 中島哲也の感性…
いい映画でした。オリジナルはデンマーク映画の「ある愛の風景」という作品で、そちらをみていないのですが、このジム・シェリダンがリメイクしたアメリカ版は本当にすばらしい一本でした。主人公サム(トビー・マグワイア)は本当に優しくて典型的ないいお…
それぞれの登場人物がそれぞれの人生の目標を見つめ直していく、本当に静かな映画でした。物語の中心は主人公筒井肇(中井貴一)が大手電機メーカーの役員を目前に控えて、突然退職、地元島根で地方鉄道の運転手になろうとする話である。 しかし、主人公の妻…
量産された香港ノワールの中の一本という感じのできばえ作品でした。もちろんジョニー・トー監督ならではの随所にみられる個性的な映像美の世界はこの映画の見所ですね。物語は単純ですが、これで終わったかと思えばさらに新たな銃撃シーンが展開する。それ…
軽妙でコミカルな展開の中にどことなく垣間見られる暖かい人間ドラマ、そして、その中にさらに挟みこまれる切ないラブストーリー、そんな表現がぴったりの吉田大八監督の一本を見てきました。原作は「いけちゃんとぼく」「女の子ものがたり」の西原理恵子さ…