2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「ルルドの泉で」 ベルリン映画祭五部門受賞の話題作。世界最大の巡礼地で奇跡が起こるとされるフランス南部のルルドを舞台に主人公クリスティーヌが経験した奇跡の物語を中心にストーリーが展開していく。監督はオーストリアのジェシカ・ハウスナーである。…
1973年のキム・ダービー、ジム・ハットン主演のテレビムービー「地下室の魔物」をギレルモ・デル・トロが製作、脚本をつとめ劇場版リメイクした作品である。ホラー映画独特の様々な矛盾やはてな?がちりばめられているものの、始まってからエンディングま…
「麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜」 東野圭吾さんの小説の大ファンでもある私としては見に行かざるを得ない一本です。なんといっても東野さんの小説は二重三重に積み重ねられた人間ドラマを背景にしたなんとも人間くさい事件をあつかうミステリーの面白さにあ…
20年ぶりくらいでしょうか。今回はデジタルリマスターされてのリバイバルですが、せっかくのあのひまわりのシーンがテアトル梅田の小さなスクリーンというのは何とっも残念です。始めてみたときはどうも感動した覚えがなかった。とにかくソフィア・ローレ…
「サラの鍵」 大ヒットしていて、連日の満席といううわさにいかほどの映画だろうと身構えていったのですが、私の感想はふつうの映画だったなという感じでした。何らかの宣伝かコメントが行われてそれに踊らされて見に来ているとしか思えないお客さんが多かっ…
「妖婆」 何とも珍品でした。オカルトブームに乗った作品だという解説ですが、それにしても一貫性がない。原作は芥川龍之介、脚本水木洋子、撮影宮川一夫、主演京マチ子、このスタッフ、キャストで監督は今井正。そしてできあがったのがどこへ行くのかわから…
「婉という女」 大好きな岩下志麻主演の今井正監督作品、女性の性をテーマにした時代劇です。なんといっても岩下志麻の迫力を堪能いたしました。凛としたたたずまいと気品、そして、さりげなく見せる乙女の恥じらい、かつて東映のスタッフたちがデビュー当時…
「子育てごっこ」 ストレートに感情に訴えかけるいい映画でした。ただ、若干ストーリー展開の構成に間延びした部分と方向性が錯綜する場面がある。そのために終盤で一気にラストへ流れ込むところでもう一度引き戻されてしまう。その点が非常に残念。かつ、俳…
このシリーズも三作目、可もなく不可もない普通の作品に落ち着いた感じでした。第一作、第二作と2年ほどの間でつくられ、それぞれに山崎貴監督の作品への意気込みを感じましたが、今回、5年たって、さすがにその迫力がなくなったようにおもいます。第一作…
非常に評判が悪い。中途半端である。物足りない。そういう声が巷の映画ファンから漏れてくる。実際、私が興味に行ったシネコンではお客さんは私一人でした。・・・笑この映画私は結構楽しんだし、まじめに鑑賞することができました。つまり、これは歴史の事…
人間の五感がなくなっていくという内容の宣伝であるから、誰もが想像するのは当然SF映画としてのイメージなのですが、何とも不思議な映画でした。突然、世界中の人々が徐々に嗅覚をなくしていく。そして次に突然凶暴に暴飲暴食したかと思うと味覚をなくし…
「月光ノ仮面」 板尾創路監督第二弾である。前作「板尾創路の脱獄王」は結局見ることができなかったが、今回の作品は一部で評判がいいこともあって見に行きました。非常に個性的な感性で描く映像世界はいわゆる素人の映画作家が作り出す作品独特のシュールな…
「小林多喜二」 「蟹工船」の作家として有名な小林多喜二の半生を再現フィルムのごとき演出で描いた作品である。昭和8年、小林多喜二が警察に捕まり拷問の末死んでしまうところから映画が始まる。遺体が放置された警察署の一室にギターを持った男が登場(笑…
「あにいもうと」 成瀬巳喜男版のリメイク作品である。が、こちらも評価の高い一本。 とっても優しい、いい映画でした。口よりも手が先でる兄伊之吉(草刈正雄)と東京でおなかに赤ちゃんができたのに男に捨てられて戻ってくるもん(秋吉久美子)、そして近所…
「戦争と青春」 今井正監督の遺作である。 いくら巨匠とはいえ作品の出来不出来があるのは仕方がない。今井正監督の評価の高い作品からすればかなりの凡作であるし、私個人的には好きな映画の部類に入らない。主人公工藤夕貴扮するゆかりが学校で、夏休みの…
「キャリー」 私が今まで見てきた映画の中で青春映画のベストテンに入る大好きな映画、「午前10時の映画祭」で再見する事ができました。この映画を見て、ブライアン・デ・パルマの大ファンになり、エイミー・アービングのファンになり、シシー・スペイセッ…
ファンタジーとリアリティの微妙な狭間で綱渡りのように展開するほのぼのしたコメディ。とっても良かったし、心もあったかくなる秀作に出会いました。 矢口史靖監督は「スウィングガールズ」以来のファンですが、前作「ハッピー・フライト」は個人的にはいまひ…
「あゝ声なき友」 渥美清が製作した反戦映画と言うことである。兵隊の手記を元にした原作をもとにオムニバス調の作品で主人公の西山が病気で内地へ送還されるおりに同じ部隊の戦友から預かった遺書を終戦後訪ねて配って回るお話である。汽車で揺られる主人公…
これは重い。ここまでするかと思えるほどの驚愕の物語でした。何人かの少年たちが収容所でしょうか、順番に丸刈りされているシーンから映画が始まります。そして一人の少年にカメラが寄っていってその少年がじっとこちらをにらんでタイトル。画面が変わると…
「瞳は静かに」 アルゼンチン映画である。第三国の映画というのはその歴史的背景の知識があまりないので最初はとまどってしまう。この映画もしかり、時はアルゼンチン軍事政権の時代で、町には反体制派を駆逐するべき秘密の組織などが点在していた時代である…
「青い山脈」「続・青い山脈」 キネマ旬報のデータベースでは前後編として一本でくくってあるのでまとめて感想を書きます。一応時期を一週間ずらして公開してるので二本の作品としてみていいと思いますが。 いうまでもなく現代に至るまで学園ドラマの基本形と…
「武士道残酷物語」 夜の町を救急車が走ってくる。病院に運び込まれたのは主人公飯倉進のフィアンセで、睡眠薬自殺を図ったという。病室に駆け込んだ飯倉のアップでタイトル。そして、彼が学生時代に故郷で調べた彼の家系の過去を語り始めるところから物語が…
1985年の作品のリメイク映画である。しかも今回はヴァンパイアにコリン・ファレル、そして監督は「ラースと、その彼女」グレイグ・ギレスビーなのだからなんともいえないスタッフ、キャストにおどろいてしまうが、こういうお気楽なホラー映画というのは好…
「ひめゆりの塔」 今井正の反戦映画としての代表作であるが、正直やや長い。繰り返し繰り返し避難しては攻撃され、また避難しては攻撃されるというストーリーになってしまうので仕方ないのであるが、唯一、民家に避難した先で、女学生たちが川で水浴びをした…
「ここに泉あり」 すばらしい。これこそ名作と呼べる一本でした。20数年前にみたことがあるのですが、ほとんど忘れていました。今井正の演出ももちろんですが水木洋子の脚本が実にすばらしい。 映画が始まって汽車に乗って移動する高崎市の楽団のメンバー…
「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実」 以前、三船敏郎版の作品をテレビで見たことがある。子供の頃だったのでほとんど記憶にないが、今回最新の特撮技術でよみがえった第二次大戦戦争スペクタクルと山本五十六の人間ドラマが最大の見せ…
「「にっぽんのお婆あちゃん」 1962年の作品である。1962年といえば日本は高度経済成長に浮かれていて、毎日がめまぐるしいほどの発展の日々であった時代である。この年に、ここまで真正面から高齢化社会の問題、老人の問題、そして核家族の問題を真…