くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ワン・デイ 23年のラブストーリー」

「17歳の肖像」のロネ・シェルフィグ監督作品で、しかも大好きなアン・ハサウェイ主演なのだから期待しないわけには行かない。 そして、期待を裏切らないとってく切れ否ラブストーリーでした。景色のショットが実に美しい。イギリスにこんなきれいなところ…

映画感想「リア王」「若き作曲家の旅」「秋のマラソン」

「リア王」 いうまでもなくシェークスピア四大悲劇の一作。黒澤明が「乱」で描いた物語を真正面から映像として取り組んだ傑作である。という解説の元に鑑賞したが、なるほど、これは見事な一本だった。比喩に富んだシェークスピアのせりふの数々が重厚で完成…

映画感想「戦場のロマンス」「戦艦ポチョムキン」「落葉」

「戦場のロマンス」 日本未公開作品なので詳細がわからない。映画としてはそれほど優れたものとも思えなかったが、不思議な演出が施された作品でした。浜辺を行軍する兵隊のシーンから映画が始まります。主人公のサーシャはこの隊の大隊長の彼女で戦場につい…

映画感想「キリマンジャロの雪」「星の旅人たち」

「キリマンジャロの雪」 国柄によるものか、人間の道徳感の違いによるものか、根本的な何かが違う。その底辺にあるものを受け入れられないとこの映画を全く受け入れられず拒否してしまう人もいるのではないだろうか。そんな作品に出会いました。ただ、映画と…

映画感想「刑事ベラミー」

クロード・シャブロル監督の遺作である。最後までこのレベルの映画が撮れたというのは才能というほかない。”フランスのヒッチコック”と呼ばれるのもうなずけるとってもフランス的なしゃれたミステリーだった気がします。ゆっくりとカメラがどこかの墓地を縫…

映画感想「スノーホワイト」

期待もしていなかったけれど、その通りだったのいうのも寂しい一本。導入部、ラヴェンナが女王になるまでの下りと、クライマックス、なぜか毒リンゴののろいがあっさりと解けてスノーホワイトが軍隊を率いて城に攻め込むスペクタクルシーン以外は特に見所も…

映画感想「ロボット完全版」

結局、完全版を上映するならこっちを見ればよかったという感じである。 さすがに3時間あの映像を見せられると疲れるが、先日見た短縮版より、ダンスシーンが入ったほうが作品のリズムとしてはすんなり流れていたように思います。カットされていたのはもちろ…

映画感想「一枚のめぐり逢い」「ディヴァイド」

「一枚のめぐり逢い」 ニコラス・スパークス原作のおきまりのラブストーリーなのですが、さすがにパターンがマンネリしてきた感じがします。ただ、今回、監督が「シャイン」を監督したスコット・ヒックスなので、ちょっと期待もあった作品でした。とにかく主…

映画感想「裸の島」「ハングリー・ラビット」

「裸の島」 もう、この映画は本当に良かったなぁ。叙情豊かに描かれるどこか懐かしいけれど、どこか後ずさりできないほどの厳しさを交えた家族の物語。故新藤兼人監督の代表作。全編、登場人物にせりふがないというので有名な映像詩である。たった二言、子供…

映画感想「テーマ〜田舎の出会い〜」「愛と誠」

「テーマ〜田舎の出会い〜」 ネットで調べてもおよそ資料というものがでてこないにもかかわらずベルリン映画祭金熊賞受賞の埋もれた傑作と呼ばれている一本がこの映画。という前知識でみたのですが、いかんせん退屈だった。ソビエト映画というのはほとんど雪…

映画感想「想い出の夏休み」「白い鳩」

「想い出の夏休み」 とっても叙事詩的な音楽と草原、水辺、花々などの詩的な映像を背景に一夏の少年少女たちの甘酸っぱい青春の一ページを描いた映像詩のような作品でした。物語というほどのものはなく、主人公になるミーチャ、恋いこがれるレーナ、ミーチャ…

映画感想「ジプシーは空にきえる」「カラマーゾフの兄弟」

「ジピシーは空にきえる」 詩情あふれる美しい映像を背景にジプシーたちの自由に人生を謳歌する姿が時に歌や踊りを交えて描かれていく。作品全体が美しいという言葉がぴたりの作品で、躍動感あふれる馬のショットやシルエットを多用した美しい景色、時にスロ…

映画感想[RIVER」

監督が廣木隆一監督であるし、大好きな連佛美沙子さん主演ということで見に行った一本。秋葉原の連続殺傷事件で恋人を失った主人公ひかりの姿をデジタルカメラによってドキュメンタリー風に延々とおい続けていく。もちろん、秋葉原で女性カメラマンや、路上…

映画感想「シグナル〜月曜日のルカ」「道〜白磁の人〜」

「シグナル 月曜日のルカ」 仲里依沙版の「時をかける少女」の谷口正晃監督作品なので期待の一本でした。原作はミステリー小説です。主人公恵介が夏休み地元の映画館にあるバイトに申し込んでくるところから映画が始まる。時給1500円という破格の値段を…

映画感想「バッド・ティーチャー」「幸せへのキセキ」「11・25自

「バッド・ティーチャー」 どうでもいい映画なのですが、大好きなキャメロン・ディアス目的で見に行ったお気楽なアメリカンコメディです。と、気楽に見に行ったのですが、これがまた結構楽しめる。笑いのテンポが実に最高なのです。しかもキャメロン・ディア…

映画感想「新しい家族」「処刑の丘」

「新しい家族」 家族の暖かい物語であるが、どこか自分たちの世界とは違ったロシア的というべき世界のお話だった。自分の不貞のために去った主人公ハーヴェルが15年ぶりに祖父の知らせで故郷に帰ってくる。そこにはかつての許嫁との間にできた娘ポーリャが…

映画感想「ロマノフ王朝の最期」「灰色の狼」

「ロマノフ王朝の最期」 ロシア最後の皇帝ニコライ二世に取り入った怪僧ラスプーチンの物語。ドキュメンタリーフィルムを効果的に挿入し、フィクションで作られた映像との見事なコラボレーションで、圧倒的な迫力の歴史の一ページを描いていく。狂気のごとく…

映画感想「戦火の大地」「道中の点検」「誓いの休暇」

「戦火の大地」 これはすばらしい傑作でした。メルヘンチックなくらいに叙情的なシーンがちりばめられているにも関わらず、描かれるエピソードがこれでもかというほどに残酷なナチスの姿を描く。その対照的なギャップがクライマックスの村人たちの怒りの爆発…

映画感想「ムサン日記〜白い犬」

様々な映画祭で賞賛を浴びた韓国映画の話題作。監督はパク・ジョンボム。自身の親友の実話を元に映画化した作品ということである。話題になったという評価はある程度理解できる作品ではありました。全体に非常に地味な内容のいわゆる自主映画に近い作品です…

映画感想「ジェーン・エア」

「闇の列車、光の旅」の監督キャリー・ジョージ・フクナガ監督の作品。原作を読んだのが学生時代なので、その物語をほとんど覚えていないが、ご存じシャーロッテ・ブロンテの名作である。こういう文学史上の名作を映画化するにはやはり原作が持つ行間の美し…

映画感想「私が、生きる肌」「ファウスト」

「私が、生きる肌」 雑な表現をすると、マッドサイエンティスト物である。しかし、ペドロ・アルモドバル監督が作ると実にスタイリッシュで官能的な作品に仕上がります。映画が始まると一人の全身タイツに覆われた女性ベラが訳ありな部屋で過ごしている。下か…

映画感想「外事警察その男に騙されるな」「カモとねぎ」「大盗賊」

「外事警察 その男に騙されるな」 NHKの「ハゲタカ」のスタッフが描いた硬派のサスペンスドラマで、期待の一本でしたが、期待通り非常にシリアスな見事な作品でとってもおもしろかった。テレビドラマの映画版ではありますが、そんなことは微塵も感じさせ…

映画感想「奇厳城の冒険」「国際秘密警察鍵の鍵」「国際秘密警察絶体

「奇厳城の冒険」 本当にばかばかしいほどにたわいのない、子供向け娯楽活劇という一本。楽しいといえばそれまでですが、物語も荒唐無稽に何の脈絡もなく展開するし、魔法使いはでてくるし、リアリティのないセットや王様がでてきて、いったいどこの国?とい…

映画感想「ガール」「ケイト・レディが完璧な理由」

「ガール」 その映像スタイルが私好みの深川栄洋監督作品。物語に今一つ期待はしていなかったのですが、ご贔屓の麻生久美子さんがでているので見に行きました。まぁ、皆さんの評判が100店満点中8点なんていう人もいたようですが、それなりに楽しい映画だ…

映画感想「メン・イン・ブラック3」

前作が公開されてから10年がたっているにもかかわらず、それほどの質の低下もなくおもしろく完成していた。たぶん、監督を前二作のバリー・ソネンフェルドを起用したためかもしれない。なんて、シリアスに書き始めたが、それほど期待していなかったこの第…

映画感想「螢火」

日本映画美しさの極みを堪能できました。これはさすが、すばらしい名編。原作である織田作之助の夫婦の機微が見事に描ききられ、美術セットの美しさ、カメラアングルの絶妙さ、物語のそれぞれのエピソードのバランスに見事さ、背後に流れる音楽とも擬音とも…