くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「セインツ〜約束の果て〜」

カントリーミュージックをバックに、散文詩のような語り口で描かれる、切ない男と女の物語。かすみにかかったテキサスの風景が、日差しを逆光でとらえたカメラを多用した構図で美しく映されていきます。監督はデヴィッド・ロウリー。主人公のボブとルースは…

映画感想「父のこころ」

仲里依沙版「時をかける少女」の谷口正晃監督作品ということで見に出かけた。全編、地面を這うような演技が続くために、物語が、最後まで浮き上がってこない。しかしながら、谷口監督の必死の演出で、終盤、最後の最後に、若干、浮上したような気がしたのは…

映画感想「サイドカーに犬」

日常の中の非日常の物語、とってもすてきな一本に出会いました。主演は竹内結子、特に好きな人ではありませんが、監督が根岸吉太郎、キネ旬の六位になった作品です。30歳を過ぎて、未だ独身のキャリアウーマン薫が、マンションの一室をお客さんに案内して…

映画感想「ローン・サバイバー」「神様のカルテ2」

「ローン・サバイバー」 ネイビー・シールズ最大の惨事「レッド・ウィング作戦」を描いたピーター・バーグ監督作品。実話であるのだが、いかに最近のデジタルカメラの性能というか、軽量化が進んだものだと圧倒される映像でした。映画は、ネイビー・シールズ…

映画感想「ワンチャンス」「ウォルト・ディズニーの約束」

「ワンチャンス」 とにかく、リズムセンスが抜群にすばらしい映画です。「プラダを着た悪魔」もすばらしかったのですが、このデビッド・フランケルという監督は、このリズムセンスが見事ですね。この映画の主人公ポール・ポッツは、オペラが大好きな青年であ…

映画感想「LIFE!」「フルートベール駅で」

「LIFE!」 1947年の「虹を掴む男」の再映画化である。原作はジャームズ・サーバー、監督はベン・スティラーで自ら主演もこなしている。初めて宣伝をみたときは、ちょっと期待した作品でしたが、時間がたつにつれて、その印象が薄れ、今日みてみると…

映画感想「グランドピアノ 狙われた黒鍵」「愛の渦」

「グランドピアノ狙われた黒鍵」 めまぐるしいほどのカメラの切り替えし、回転、クローズアップ、長回し、スプリット効果などを駆使して描く映像サスペンスであるが、結局、B級映画の枠をでない一本でした。おもしろい題材なのですが、使うべきところに使っ…

映画感想「ロボコップ」(’14)

すでに20年以上前になる、ポール・ヴァホーヴェン監督の第一作。さすがに、あれだけの知名度の作品のリメイクになるとプレッシャーがあり、何とか、まねしないようにという思いもあるだろう。今回の作品、とにかく、アクションシーンの連続で飽きることはな…

映画感想「オール・イズ・ロスト〜最後の手紙〜」「パラダイス:愛 

「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」 全くヒットしていないようですが、これが意外と良い映画でした。たった一人、ロバート・レッドフォード扮する漂流者のみが登場人物で、せりふというせりふもなく展開する物語は、一見、実験的な映画にとられなくもない…

映画感想「家族の灯り」「グロリアの青春」

「家族の灯り」 映像が絵画になっている。まるで、ゼザンヌの静物画のような色調で統一された画面が、寒気がするほどに美しい。しかも、意図的に配置された、調度品、人物、灯り、窓、それをとらえるカメラの構図。さすがに卓越した芸術的センスで作られた画…

映画感想「アナと雪の女王」「あなたを抱きしめる日まで」

「アナと雪の女王」 日本のアニメーションは、未だにディズニーアニメを越えていない。それが私の持論であるが、今回の作品もディズニーの底力を見せつけるすばらしい作品でした。アカデミー賞長編アニメーション賞、主題歌賞もとっている。映像表現の美しさ…

映画感想「ドン・ジョン」「ランナウェイ・ブルース」

「ドン・ジョン」 ジョセフ・ゴードン=レヴィットが監督、脚本、主演をつとめた作品。 ポルノ映像による自慰を繰り返す、中毒のような主人公ジョン、しかしそのルックスから女にももてる。フラッシュのようなカットを繰り返す導入部は、なかなかのオリジナ…

映画感想「家路」(2014年版)

非常に、生真面目で素直な映画で、特に自分のメッセージを押しつけるでもなく、といって、全く無味乾燥な映像でもない。その意味でとっても好感な作品でした。はたして、危険だからといって、一概に立ち入り禁止することが本当の政策なのでしょうか?それは…

映画感想「転校生」

ファンタジックなムード満載は、やっぱり、大林宣彦監督らしい。派手な映像ではないが、素朴な映像の中に、独創的な演出がちりばめられ、ノスタルジックなムードに引き込まれてしまう。尾道三部作のうち、唯一見逃していた作品で、私個人的には「時をかける…

映画感想「銀の匙Silver Spoon」「それでも夜は明ける」

「銀の匙 Silver Spoon」 帯広の農業高校を舞台に描かれる青春学園ドラマである原作を映画化したものです。監督は吉田恵輔です。非常に単純な、淡々としたドラマですが、描くべきところ、見せるべきところは丁寧にしっかりと描き、決して不必要な…

映画感想「偉大なる、しゅららぼん」「ホビット 竜に奪われた王国」

「偉大なる、しゅららぼん」 万城目学原作の、例によってご当地伝奇ストーリー。今回は琵琶湖である。一人の赤ん坊が神殿におかれ、なにやら訳の分からない儀式の後、額の上の杯の水が飛び、日出家跡継ぎ誕生。帰り道、敵対する棗家と出会い、お互いに跡取り…

映画感想「アウトロー(’12)」「マチェーテ・キルズ」

「アウトロー」 アイスランドを舞台に、麻薬犯罪組織の攻防を描く、いわゆるフィルムノワールの世界。とにかく、リズミカルな音楽をバックに、ハイテンポな編集で、小気味良く展開する映像は、今時のはやりとはいえ、心地よく物語が展開する。ただ、全体のト…

映画感想「東京難民」

「東京難民」 さすがに佐々部清監督は、この手のドラマを描かせると実にうまい。下手をすると、やたら暗くて、のめり込めない主人公の物語になるところを、まるで、映像がストーリーの強弱を表現するように、演出してみせる。物語は、夜の川縁に、リンチされ…

映画感想「アイコ十六歳」

とにかく、キラキラと輝くような映画で、みずみずしい富田靖子の存在感が光る青春映画の一本。たわいのない物語の中に、恋、友情、死、大人の世界、揺れ動く女心等々がちりばめられてます。主人公アイコが自分の家の屋根に登るのをカメラがクレーンで追いか…

映画感想「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」「ZAZIEザジ」「

「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」 人間の汚い欲望の部分が、物語の中心に描かれているのに、とっても、優しくて美しい映画でした。なんといっても、モノクロームで広角レンズでとらえた奥行きのある広大な景色がすばらしくて、低いカメラ位置から、低い…

映画感想「ラヴレース」「十五少女漂流記」

「ラヴレース」 伝説のポルノ映画「ディープ・スロート」、公開は1972年ですから、題名こそ知っているものの、学生が見に行ける訳のない頃の作品。その主演を演じた女優リンダ・ラヴレースの半生を描いた作品です。監督はロバート・エプスタインとジェフ…