くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ワレサ 連帯の男」

物語は、ポーランド労働組合「連帯」の初代委員長レフ・ワレサの半生を描いている。当然、ポーランド社会主義政権の時代の政府による抑圧、圧制に苦しむ人々の姿を背景にしているので、相当な社会派ドラマである。しかしながら、90歳を迎えたアンジェイ・…

映画感想「友だちと歩こう」「ある過去の行方」

「友だちと歩こう」 緒方明監督作品だが、朝一番の一回上映。なるほど、一回上映が納得できる一本。いわゆる不条理劇という感じで、常に画面には二人、あるいは三人のからみのせりふの応酬で、物語らしきものが進む。舞台劇としてもいいような感じである。映…

映画感想「細雪」(市川崑監督版)「テルマエ・ロマエⅡ」

「細雪」(市川崑監督版) 三十年ぶりにみたのだが、やはりすばらしい。「細雪」の映画版は三本あり、そのどれも見ていますが、やはり、この市川崑監督版が抜群にすばらしい。 市川崑監督の映像美学の一つの頂点であるかと思います。しかも、リズムテンポも…

映画感想「サクラサク」

しっかりとした俳優が演じると安心してみることができる。真摯に作られた映像とストーリー展開、美しい日本の景色を、ややあざとい配置で映し出した、きまじめな大人の日本映画でした。田中光敏監督の作品としては前作の「利休にたずねよ」よりも良かったか…

映画感想「ヨコハマ物語」

それほど期待もしていなかった映画に、思い切りほんのりと感動させてもらった。なんか、映画を見ていてよかったなぁという瞬間を味わいました。北乃きい、岡田瑛二主演の「ヨコハマ物語」物語の展開がとってもいいのです。これといったカメラがすごいとか、…

映画感想「リベンジ・マッチ」「レイルウェイ 運命の旅路」

「リベンジ・マッチ」 映画作りなんて、楽しければいいじゃない。みんなが、ただ、ふらっと映画館にやってきて、軽く楽しんで劇場をでる。そんな映画があってもいい。そう叫びかけてくるような作品でした。かつて、ライバルだったキッドとレーザーという二人…

映画感想「そこのみて光輝く」「シャドウハンター」

「そこのみて光輝く」 全編が、沈んだようなストーリー展開に、決して浮き上がりようがない演出ゆえか、とにかく二時間が非常に長い。延々と前に進まないように見えるが、ゆっくり、きわめてゆっくり物語は前進しているのです。監督は呉美保、主演は綾野剛と…

映画感想「アクト・オブ・キリング」「キャプテン・アメリカ/ウィン

本来ドキュメンタリーは見ないのですが、これほど話題になると、一応見なければと思って見に行った作品。正直、どう感想を書いたらわからないが、迫ってくる物があまりにも重すぎて、しんどかったというのが素直な感想である。いや、しんどい以上に、何か、…

映画感想「8月の家族たち」

非常に質の高い作品であるが、いかんせん、大嫌いなメリル・ストリープが抜群の演技力で、物語を引っ張っていることと、もっとも苦手なアメリカンファミリーのどろどろの群像劇というジャンルでなかったら、最初からもっと引き込まれていたかもしれない。し…

映画感想「ツイン・ドラゴン」「サイレント・ウォー」

「ツイン・ドラゴン」 全く、見る映画がないので、香港中国映画特集で、懐かしのジャッキー・チェンの1992年の映画を見に行く。まぁ、今更ではないが、即興でその場その場で描いていく適当なストーリー展開は、しつこいほどにだらけてくる。道入部、双子…

映画感想「怒れ!憤れ!─ステファン・エセルの遺言─」「オーバー・

「怒れ!憤れ!ーステファン・エセルの遺言ー」 ドキュメントドラマという感じの、不思議な映像で見せてくる、社会派批判映画。本来みないジャンルなのですが、みる物がないために出かけました。一人の黒人の少女が、アフリカからヨーロッパにやってきて、不…

映画感想「俺たちの明日」

舞台劇の映画化というシチュエーションムービーで、悪くいえば、Vシネマのような映像であるが、スプリット映像を駆使し、細かいカメラワークとカットつなぎを駆使したハイテンポな映像は、かなりよくできた自主映画のごとく、躍動間あふれる作品として完成…

映画感想「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」

エドガー・ライト監督作品というのは、どんどんエスカレートして、いったいどこへ行くのかという、ある意味ばかばかしいスケールの大きさと、くだらないギャグの連発がおもしろい。で、今回の映画ですが、その意味でのばかばかしい笑いが今一つ物足りなかっ…

映画感想「L・DK」

ゆる〜いラブストーリーが無性に見たくなって、こんな映画を見てきた。別に剛力彩芽が好きなわけでもなんでもない。でも、普通にピュアなラブストーリーが無性に見たかった。ただそれだけ。映画は、本当に普通の映画だった。あるべくして、物語が始まり、な…

映画感想「風と女と旅鴉」

これといって見る映画もないので、ちょっと足を延ばして見に行ったのですが、全くこの時代の映画というのは、見ているだけで、目の保養になるほどに画面が美しい。横長のスクリーンの中に配置された人物の位置、木々の場所、セットの構図が芸術品です。確か…

映画感想「アデル、ブルーは熱い色」

監督一人のみではなく、主演の二人にも同時にカンヌ映画祭のパルム・ドール賞が授与されて話題の映画を見に行きました。全編に流れるラブストーリーの、美しい映像の旋律が、スクリーンから奏でてくるすばらしい映画でした。確かに、描かれる中心のお話は、…

映画感想「華麗なる一族」

いずれはスクリーンで見たかった作品の一本、やはり、その迫力は尋常ではなかった。監督は山本薩夫である。山崎豊子の膨大な原作を、3時間あまりの時間で描ききった脚本のすばらしさもであるが、細かいシーン展開と、じっくりととらえるカメラ、さらに、名…

映画感想「大人ドロップ」

今年の日本映画のベストワン、とってもいい、いやかなりいい、いや、とっても大好きな映画に出会いました。作品全体から漂ってくる空気がとっても心地よくて、切なくて、懐かしくて、たまらないのです。監督は飯塚健、主演は池松壮亮、橋本愛。橋本愛を見る…

映画感想「オズの魔法使」「1/11じゅういちぶんのいち」「パイオニア

「オズの魔法使」 ほぼ35年ぶりにスクリーンで見直しました。しかも今回はデジタルリマスター版、カラーフィルムのテスト映画といわれているものの、あのサイケデリックなほどの豊富な色彩セットは、夢見心地にしてくれますね。しかも、名曲「虹の彼方に」…

映画感想「ゼウスの法廷」

甘ったるい、陳腐な邦画が居並び、かなり辟易していた中でのこの作品、相当に良かった。傑作かもしれない。これほどの脚本を書ける映画監督がいるのだと、感心してしまいました。監督は高橋玄という人です。もちろん、フィクションですが、緻密に練り込まれ…

映画感想「チスル」

1948年を発端にする済州島4・3事件を、モノクロームの研ぎすまされたシャープな映像で、クールな視点で描いていく。前宣伝の通り、その映像は、美しい。もちろん、デジタル映像としての美しさであるが、影を多用し、グレーを廃した黒と白の徹底した画…

映画感想「アタック・オブ・ザ・50フィートチアリーダー」「コーヒー

「アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー」 ロジャー・コーマン製作作品と聞くだけで、中身が見える、いや、題名を聞いただけで、中身が見える。そんなばかばかしい映画を見る楽しみも、映画ファンの醍醐味なのです。主人公はさえない女子大生キャ…

映画感想「ハウンター」「ポール・ヴァーホーヴェン/トリック」「チ

「ハウンター」 鬼才ヴィンチェンゾ・ナタリ監督、アビゲイル・ブレスリン主演のシチュエーションホラー。「未体験ゾーンの映画たち」でみる。正直、観客をそっちのけにして、自らの感性で突っ走る映像展開に、途中からなにが何かわからない。とは言いながら…

映画感想「白ゆき姫殺人事件」「チーム・バチスタFINAL ケルベ

「白ゆき姫殺人事件」 大好きな中村義洋監督作品でもあり、宣伝からかなり期待の一本をみる。井上真央は、以前はあまり好きではなかったが、正直、この作品では女優賞レベルの演技力に脱帽、すばらしかった。いや魅力的だったというべきだと思います。さらに…