くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「超高速!参勤交代」「トランセンデンス」「渇き。」

「超高速!参勤交代」 軽い、あまりにも軽すぎる普通の映画。何の取り柄もないが、何のこだわりもなく気楽に、さらりと見ることができる一本。そのあまりにも頼りない映画ということで、見た甲斐があったのかなかったのか、その程度の一本だった。城戸賞受賞…

映画感想「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」「300〜帝国の進撃〜」

「円卓こっこ、ひと夏のイマジン」 映画を見る前に、まず、自分を小学生の頃に戻してみよう。そうすると、見えてくるもの、聞こえてくるものがある。そして、その見えてくるもの、聞こえてくるものを、自分のまだまだ少ない経験と知識の中から想像する世界、…

映画感想「サード・パーソン」「GF*BF」

「サード・パーソン」 ポール・ハギス監督得意の錯綜ストーリー炸裂の映画だったが、今回は、まず、一つ一つがくどすぎる。さらに、ストーリーテリングを無視した演出は、正直かなり長く感じさせるとともに、見終わったあとの爽快感が薄れてしまったのは失敗…

映画感想「闇のあとの光」「ヴィオレッタ」

「闇のあとの光」 素直な感想を書けば、全くわからなかった。全編すべてシュールな世界で、シーンとシーンになんの脈絡もない。にもかかわらず、画面が実に美しいし、四隅周辺をレンズで覆ったのか、不思議に二重にぼやけている。 監督はメキシコのカルロス…

映画感想「スイートプールサイド」

甘酸っぱくて切ない青春ラブストーリーかと思って見に行ったが、なんの、そうとう毒のある映画だった。映画は主人公太田がプールサイドでこちらを向いているアップから始まる。高校一年の彼は水泳部の補欠である。実は彼は、まだ毛が生えていない。それを着…

映画感想「シンプル・シモン」「ヒトラー最終兵器」

「シンプル・シモン」 これは楽しい、こういうファンタジーラブストーリーの描き方もあるんだと、終始スクリーンに引き込まれてしまいました。タイトルが始まると、軽いタッチの音楽に、宇宙をイメージしたようなアニメーション、時折、単調にドラムをたたく…

映画感想「捨てがたき人々」「ザ・ホスト 美しき侵略者」

「捨てがたき人々」 それほどの期待もしていなかったが、その通りのふつうの映画だった一番の失敗は、主演の勇介を演じた大友南朋が弱い映画の導入部で、やたら、女の尻や、スカートの隙間をいやらしく見る演出が施され、実際、強引に女の体を犯そうとするし…

映画感想【ヒナギク」「ロックンロールミシン」

「ひなぎく」 不思議な映画です。アニメでもないのだが、アニメチックな感覚で描かれるポップでキュートな姉妹の映像。そこには、これ見よがしなメッセージ映像も見られるし、実験的な色彩処理、テンポのいい音楽が溢れんばかりにスクリーンから迫ってくる。…

映画感想「飢餓海峡」「ポンペイ」

「飢餓海峡」 今更いうまでもなく、内田吐夢監督の代表作であり、日本映画屈指の名作である。30数年ぶりに見直したが、3時間あまりある長大な人間ドラマにも関わらず、全く長さを感じない。その迫力に今更ながら、恐ろしいほどの感動を覚えてしまいました…

映画感想「わたしのハワイの歩き方」「ノア 約束の舟」「遠くの空に

「わたしのハワイの歩き方」 ゆるゆるの脚本と、ゆるゆるの演出、ゆるゆるの演技、まるで糸が切れた凧のような作品、そんな映画に久しぶりに出会ってしまった登場人物の心理変化も、薄っぺらなせりふで表現するだけで、といってハワイを舞台にしていることで…

映画感想「春を背負って」「私の男」「美しい絵の崩壊」

「春を背負って」 木村大作監督作品。確かに、これほどまでに贅沢にカメラを使って、美しい場面をしっかりと待って、スクリーンに映し出す人はこの人をおいていないだろうと思う。逆に行えば、こんなすごいカメラマンを使える監督がいないのが本当に残念なの…

映画感想「ゴジラ」(昭和29年版)「女子ーズ」「罪の手ざわり」

「ゴジラ」(昭和29年版) 何度目かのスクリーンでの鑑賞。今回はデジタルリマスター版である。もちろん、作品は完成度の高さ云々よりも、制作された時代を見事に反映した緻密な脚本と、怪獣ものという新ジャンルに挑戦した東宝のスタッフの意気込みに再度…

映画感想「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」「GO」

「万能鑑定士Q モナリザの瞳」 全然期待していなかった。しかもそれほど好きでもない綾瀬はるか主演なのだから、テンションがかなり低い状態でみたのですが、これがなんと、えらくおもしろかった。たぶん、最近見た邦画の娯楽映画の中では一番楽しめたのでは…

映画感想「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」「フォルツァ・バス

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」 一人のミュージシャンの6日間をコーエン兄弟独特の、ファンタジックな描き方でつづった物語。ストーリー自体はシンプルに、せりふやシーンに繰り返しを多用した演出が、映像として昇華された物語に…

映画感想「グランド・ブダペスト・ホテル」「陽気な日曜日」「トラフ

「グランド・ブダペスト・ホテル」 めくるめくような、ウェス・アンダーソンならではの、シンメトリーでシュールな映像に彩られた迷宮のような導入部に、さすがにこの監督のファンとはいえ、睡魔におそわれてしまった。しかし、独特の感性で彩られるストーリ…

映画感想「MONSTERZ」「家族の味見」「ぼくの伯父さん」

「MONSTERZ」 一見、ホラー映画のような物語なのだが、それを徹底的に、人間ドラマとして描いたのが、ある意味成功だったか、失敗だったか。微妙なバランスの出来映えの映画でした。原案は、以前、たまたま見た韓国映画「超能力者」で、あちらは単純…

映画感想「瀬戸内海賊物語」「左側に気をつけろ」「ぼくの伯父さんの

「瀬戸内海賊物語」 地方で台本を募集し、みんなの投票で入選し、賞金がでて、撮影配給された典型的なローカル映画。脚本の幼稚さ、演出の稚拙さ、素人俳優の適当な演技。確かに、ローカル映画だから、この程度でいいと考えたのかもしれないが、こういうのを…

映画感想「恐怖の報酬」(クルーゾー版)「プレイタイム」

「恐怖の報酬」(1952年版) いわずとしれた、アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の名作中の名作である。初めてみたときは、確か自主映画に近い画面だった気がしたし、そのときは、名作とはいえ、長いというイメージだけが残っていた。しかし、さすがに…

映画感想「ダーク・ブラッド」「乱暴者を求む」「パラード」

「ダーク・ブラッド」 リヴァー・フェニックスの遺作として、突然公開された一本ですが、未完成作品です。抜けている部分は、ストップモーションと監督のナレーションでカバーしていますが、結局どういう話なのかわからずじまいでした。映画は、映画スターの…

映画感想「八月燈の三姉妹」「薔薇色のブー子」「太平洋の嵐」

「六月燈の三姉妹」 佐々部清監督作品であるが、いわゆるローカル映画である。 鹿児島にある実在の和菓子屋を舞台に描かれるヒューマンドラマ。普通の出来映えの脚本を、佐々部監督の手腕で映像に仕上げたという出来映えで、やたら方言だけが耳につく。さら…

映画感想「青天の霹靂」「デンジャラス・バディ」

「青天の霹靂」 非常にコンパクトにまとめられた人情物語の佳作という感じの、軽いけれども、見て損のない、すてきな映画でした。シンプルなストーリーに、妙な理屈を放り込まず、どん底の状況の中の主人公晴夫が過去にタイムスリップし、自分の両親と出会い…