くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「グレート・ビューティ 追憶のローマ」「火の馬」「ざくろ

「グレートビューティ 追憶のローマ」 アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。いきなり始まる美しい音楽と、美しい映像。そして展開する、現実とも幻想ともいえないめくるめく乱痴気騒ぎの連続。ただ者映画ではない導入部に一気に引き込まれ、女性の絶叫から映…

映画感想「喰い女 クイメ」「イントゥ・ザ・ストーム」「バルフィ!

「喰女 クイメ」 三池崇史監督作品なので、かなり期待していたのだが、何とも間延びした、テンポの悪い映画だった。94分ほどしかないのに、やたら長く感じる。それは明らかに、物語構成の悪さによる脚本の弱さである。最大の欠点が、登場人物の情念が全く…

映画感想「渡り鳥いつ帰る」「鬼の棲む館」

「渡り鳥いつ帰る」 名匠久松静児監督の代表作と言うだけあって、見事な一本。昭和27年頃、鳩の街という遊郭街に出入りする女たちの姿を通して、入れ替わり立ち替わり様々な人間模様を描いていくのだが、一つのエピソードに次のエピソードがかぶり、さらに…

映画感想「くちづけ」(’55)「プロミスト・ランド」

「くちづけ」(’55) 石坂洋次郎原作の短編三作を三人の監督が描くオムニバス映画である。一番最初が筧正典監督が描く「くちづけ」、若い男女の学生の物語が、女学生の義理の姉の再婚問題を絡めて描かれる。 石坂洋次郎らしい、どこか少女趣味のにおいのす…

映画感想「虹を抱く処女」

正直言って、今となっては、時代を感じさせる一本で、ストーリー展開のまどろっこしさに辟易する映画でした。とはいえ、高峰秀子がでていると言うだけで、映画がある程度のランクになるのだから、全く素晴らしいものだと思います。映画は作曲家早坂文雄の「…

映画感想「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」「樋口一葉」「スラム

「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」 基本的にドキュメンリーはみないのだが、ベネチア映画祭金獅子賞受賞作品として絶賛されているとなれば、逃すわけにも行かず、見に出かけた。ローマをぐるりと取り巻く高速道路を中心に、その周辺、それにまつわるよう…

映画感想「ホットロード」「ソウォン/願い」

「ホットロード」 宣伝を見ているときから、大した映画ではないなと思いながら、能年玲奈を見たいだけで見に行った。予想通り、大した映画ではなかった。まず一つに、原作の背景にある暴走族、不良という存在に、もはや時代の差を見ざるを得ないこと。そして…

映画感想「めぐり逢わせのお弁当」「サンシャイン/歌声の響く街」

「めぐり逢わせのお弁当」 インド映画だが、ダンスシーンはない。純粋な大人のラブストーリー。こういう地味な恋愛物語もインド映画にはあるのだと感じいる一本でした。主人公の主婦イラがお弁当を作っている。上の階のおばさんに指導されながら、自分にあま…

映画感想「トランスフォーマー/ロストエイジ」

すでに、前作から3年がたち、ほとんど物語をうやむやにしか覚えてないが、前作が、とにかく迫力満点で面白かったという印象の元に、今回も期待で見に行った。例によって、ひたすら派手なCG特撮のバトルシーンはおもしろい。しかし、前作ほど、ストーリー…

映画感想「滝の白糸」「痴人の愛」「あにいもうと」

「滝の白糸」(野淵昶監督版) 解説の通り、宮川一夫のカメラが抜群に美しい。いや、それもだが、アングルも、美術セットも群を抜いた一級品である。物語は、いまさらでもない泉鏡花原作の有名なお話である。冒頭、旅芸人の滝の白糸一座が、金沢の興業場へや…

映画感想「大佛開眼」「ぼくを探しに」

「大佛開眼」 衣笠貞之助監督が描く歴史絵巻。スタンダードサイズながら、雨の影を壁に映しだしてみたり、木々の隙間を通して背景を映し出してみたり、あるいは、人物の前後を極端な奥行きの配置でとらえてみたりと、構図づくりが実に美しい一本でした。物語…

映画感想「イーダ」「ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪」

「イーダ」 モノクロスタンダードの画面に、徹底的に削り取られた映像とせりふ、そしてストーリーにジャズの音楽を交えて語られるポーランド近代史の一面。そのあまりのシンプルさに、結局、90分弱だというのに、完全な理解にいたらなかった。映画は、ある…

映画感想「るろうに剣心 京都大火編」「秋立ちぬ」

「るろうに剣心 京都大火編」 前作で、世界に通用するアクション時代劇のおもしろさを堪能し、今回、期待の続編。監督は前作同様、大友啓史。期待通り、めまぐるしいほどのアクションシーンの連続とスピード感を堪能することができました。単純に、とにかく…

映画感想「さらば、わが愛 覇王別姫」「愛妻記」

「さらば、わが愛 覇王別姫」 20年ぶりくらいで、大スクリーンで見直しましたが、やはり寒気がするほどにすばらしい作品でした。小豆と石頭が出会い、やがて一人前の京劇俳優になるまでを、辛い修行の場面と、二人の友情、いやそれ以上の心の交流を描き、…

映画感想「絞殺」「マダム・イン・ニューヨーク」

「絞殺」 目を背けたくなるほどにいやな映画だ。しかし、映画になっている。それはさすがに新藤兼人監督の力量というか、脚本力の見事さである。しかし、いやな映画だ。映画が始まると、高校生の勉がウイスキーの瓶をラッパ飲みしてそのまま寝てしまう。夜中…

映画感想「銀(しろがね)心中」

新藤兼人脚本、監督作品、であるが、どうも物語のシーンの繰り返しが、ちょっとくどいために、後半部分までもたない。その分、しんどくなってくる一本でした。開巻早々、吹雪の中、主人公佐喜枝がふらふらと歩いてくる。カメラは極端な斜めの構図、続いて、…

映画感想「愛妻物語」「GODZILLAゴジラ」

「愛妻物語」 新藤兼人監督のデビュー作で、自らの自伝的な物語を脚本にし、映像にした一本である。さすがに溝口健二監督に師事しただけあって、ゆっくりとパンし、回転するカメラワークや、カメラの位置を想像させるようなゆっくりとした移動、丁寧に繰り返…

映画感想「友よ、さらばと言おう」「2つ目の窓」

「友よ、さらばと言おう」 大好きな映画、「すべては彼女のために」「この愛のために撃て」のフレッド・カヴァイエ監督最新作、期待のフィルム・ノワールである。予想通り、ワンパターンとはいえ、突っ走るスピード感あふれるストーリー展開を堪能することが…