くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「リピーテッド」「日本誕生」(短縮版)「魂を投げろ」

「リピーテッド」 おもしろい内容なのだが、妙に先が読めてしまう。演出が悪いのか脚本が悪いのか、それとも、映画の見すぎで、すれてしまったか。 監督はローワン・ジョフィである。主人公クリスティーンがベッドで目ざるところから映画が始まる。傍らには…

映画感想「チャッピー」「ラン・オールナイト」「メイズ・ランナー」

「チャッピー」 近年、廃れていた浪花節の世界をロボットで再現した娯楽映画の傑作。しかも、映像づくりといい、ストーリー展開のリズム感といい一級品の作品、めちゃくちゃよかった。監督はニール・プロムカンプである。映画はヨハネスブルグ、テトラバール…

映画感想「女囚と共に」「女であること」

「女囚と共に」 女刑務所を舞台に、そこに収監された女囚たちの様々な人間模様を描く群像劇である。監督は久松静児。なんといってもすごいのが、そのキャストの豪華さである。主人公の保安課長が原節子だが、所長に田中絹代、女囚に浪速千栄子、久我美子、岡…

映画感想「イニシエーション・ラブ」「東京オリンピック」

「イニシエーション・ラブ」 必ず二度見るというキャッチフレーズで、鳴り物入りで登場した傑作ミステリー原作の一本、監督は堤幸彦。 予想していたほど仰天するラストではなかったものの、かなりおもしろかった。明らかに堤幸彦の演出のうまさと、前田敦子…

映画感想「私の少女」「イタリアは呼んでいる」「サンドラの週末」

「私の少女」 人間ドラマの様相を呈しているが、微妙なサスペンスも含んだ、心理ドラマの佳作という感じの一本だった。監督はチョン・ジュリという女性監督である。一台の車が道路を走っている。道ばたにしゃがむ少女、車が通りすぎ、水たまりの水が少女に降…

映画感想「婚約三羽烏」「智恵子抄(原節子版)」

「婚約三羽烏」(’57) たわいのないラブコメディですが、当時のモダンな映画の典型でとにかく楽しい。出演者が一流どころで、オールスター映画のごとく登場するのも映画黄金期の世界である。ある服飾会社に就職した三人の青年が主人公で、それぞれに婚約者…

映画感想「大番青春篇」「続大番風雲篇」「続々大番怒涛編」「大番完

「大番 青春編」 四部策の第一作、監督は千葉泰樹である。 映画は、しょうわんはじめ四国の宇和島からでてきた赤羽丑之助、つうしょうギュウやんが相場の世界で頭角を現すまでを描いている獅子文六の小説の映画化である。二時間近くある作品だが、素直におも…

映画感想「愛情の決算」「美しき母」「シグナル」

「愛情の決算」 戦後10年ほどしか経っていない時期に、描かれた作品としては、恐ろしいほどに先取りした物語である。映画は楢崎が、その息子の誕生日に銀座で喫茶店に入っていて、母の勝子が別の店から出てくるところを目撃した場面に始まる。そして、息子…

映画感想「駆込み女と駆出し男」「明烏 あけがらす」「リベンジ・オ

「駆け込み女と駆け込み男」 近頃、目にしなかったハイクオリティな日本映画の秀作、こういう映画を作れる人がまだいたのかとうなってしまいました。監督は原田真人。映画は苔蒸した地面に雨だれが落ちているシーンから始まる。タイトルの出方、冒頭のせりふ…

映画感想「ゼロの未来」「国際市場で逢いましょう」「イマジン」

「ゼロの未来」 とにかく、近未来の町並みのシュールな造形美に目を奪われる。サイケデリックなほどに散らばった色とりどりの看板、人の歩く後を追いかけるように移動するディスプレイの広告、巨大なスクリーン、斜めに配置される広告塔、様々なことを禁止す…

映画感想「真夜中のゆりかご」「驟雨(しゅうう)」「ノンちゃん雲に

「真夜中のゆりかご」 淡々と静かに流れる物語ですが、その奥底に、脈々とやるせないほどのサスペンスが潜む作品、ストーリーが、一見単純なのかと思いきや、前半でどんどん動き始め、後半でさらに大きくうねる構成が見事だった。監督はデンマークのスサンナ…

映画感想「野火」(市川崑監督版)

まもなくリメイク版が上映される、市川崑監督の名作「野火」をみる。なるほど、この重厚感は半端ではない。ある意味息苦しくなるほどの鬼気迫るストーリー展開が、圧倒的に迫ってくるという感じである。映画は、いきなり顔のクローズアップ。分隊長が主人公…

映画感想「満員列車」

アメリカのスラップスティックコメディというタッチの風刺劇で、典型的な市川崑演出、和田夏十脚本というコンビ作品でした。映画は、有名大学の卒業式、まだ明治のはじめで、学生も数えるほどしかいない。それが大正、昭和と進むとみるみる卒業生が増え、講…

映画感想「こころ」(市川崑監督)

夏目漱石の原作ももちろんすばらしいのだろうが、いったい、演出が見事なのか、演技が見事なのか、人間のあまりにも繊細すぎる心の機微が、これほどまでに見事に映像になっていることに驚嘆してしまいます。市川崑監督の名作の一本「こころ」。もちろん、あ…

映画感想「ホーンズ 容疑者と告白の角」「白河夜船」「百日紅〜Mi

「ホーンズ 容疑者と告白の角」 なんともいえない物語というか、支離滅裂な脚本に、登場人物のキャラクターが描き切れていない中途半端さが、せっかくのストーリーをぶちこわしていく。なんと原作はスティーヴン・キングの息子のジョー・ヒル、監督はB級映…

映画感想「脳内ポイズンベリー」

コミック原作のコメディ、主演が真木よう子、監督は佐藤祐市ということなので、ちょっと期待の一本だが、何かが足りない、いや、何かが過剰すぎる為に、今一歩の映画だった。もっと笑えて、しかるべきなシーンがいっぱいあるのに、間が悪いというか、リズム…

映画感想「恐怖分子」「ブラックハット」

「恐怖分子」 都会の一角に散らばった様々な物語が、偶然の一瞬によって、見えないところでつながり、連鎖していく群像劇の傑作。監督はエドワード・ヤンである。けだるいような都会の景色、銃声とパトカーの音が繰り返される。窓から覗くピストル、警察、カ…

映画感想「誘惑」「白雪先生と子供たち」

「誘惑」 原節子特集の一本、監督は吉村公三郎である。非常にオーソドックスなラブストーリーで、今となっては若干退屈さを禁じ得ないが、新藤兼人の脚本は、辛辣なくらいの残酷なシーンの積み重ねでクライマックスを彩る。映画は、棚田の広がる丘の上の墓に…

映画感想「パレードへようこそ」「マミーMommy」

「パレードへようこそ」 1984年イギリスで起こった炭鉱労働者のストライキと同姓愛者の実話を描いた、カンヌ映画祭クィア・パルム受賞、ゴールデングローブ作品賞ノミネートの作品。監督はマシュー・ウォーカスである。アップテンポなカットつなぎと、ス…

映画感想「映画ビリギャル」

塾の講師が書いた原作を元にした熱血根性物語、という感じの一本。監督は土井裕泰なので、それなりの期待もあったが、結局主演の有村架純を見るだけの映画だった。もう少し、面白く出来なかったのか、もっと面白い展開や、テンポが作れなかったかとおもうの…

映画感想「シンデレラ」(ケネス・プラナー監督)「王妃の館」「フォ

「シンデレラ」 すばらしい衣装デザイン、見事な美術セット、ため息のでるような色彩演出。さすがにケネス・プラナー監督の「シンデレラ」はひと味もふた味も違う傑作でした。本来の物語を丁寧に膨らませ、見せるべきところは思い切りスペクタクルに、語ると…