くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「沈丁花」「君の名は。」

「沈丁花」 四人姉妹を中心にしたたわいのないホームドラマ的な一本ですが、やはりこの時代の映画は華があっていいですね。監督は千葉泰樹です。四人姉妹が母親と共に父の墓参りに行く場面から映画が始まる。三女と四女は結婚し、上二人が婚期を逃したような…

映画感想「ブレイク・ビーターズ」「ハートビート」

「ブレイク・ビーターズ」 ダンス映画なのにこれだけ乗らない作品も珍しいものです。確かに東ドイツを舞台にして、社会的なテーマを描いているというのは分かりますが、主人公たち若者が踊るダンスシーンがいつまでたっても盛り上がってこないのはどういうわ…

映画感想「ゲッタウェイ」「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」「イ

「ゲッタウェイ」(1972年版) やっぱり名作は名作である。どこがどうということもなく、いつの間にか引き込まれてしまって、いつの間にかどんどん主人公たちに感情移入し、気がついたら粋なラストシーンに胸が熱くなっている。本当の名作とは、どこがどうとい…

映画感想「ジャングル・ブック」「ミュータント・ニンジャ・タートル

「ジャングル・ブック」(実写版) ディズニーアニメの名作の実写版で、主人公のモーグリ以外の動物や背景全てがCGアニメというのが売りの一本。さすがにこの手のものを作らせるとディズニーは実にうまいから、驚くほどの見所があるわけではないが、最後まで…

映画感想「シアター・プノンペン」「ゴーストバスターズ」(2016年版)

「シアター・プノンペン」 しっかりとしたストーリー展開で描くカンボジアの激動の時代を映し出す佳作。ストーリーの奥に、暗黒の時代を赤裸々に挿入しようとした真摯な姿勢がとにかく見応え十分に感じられるのです。監督はソト・クオーリーカーと言う女性で…

映画感想「栄光のランナー/1936ベルリン」「X―MEN:アポカリプス」

「栄光のランナー/1936ベルリン」 もっとシンプルな映画かと思っていたのですが、思いの外中身がしっかりした作品でした。主人公のジェシーの周辺の脇役が非常にしっかりと描いているために、主人公が際立ったためだろうか。監督はスティーブン・ホプキンス…

映画感想「ストリート・オーケストラ」「めぐりあう日」

「ストリート・オーケストラ」 宣伝文句ではいかにも感動ものという感じだったが、なんと、ラストシーンを見れば、その恐ろしいほどの悪意に寒気がしてしまう。ブラジルの現状がこれほどまでかと思ってしまうのですが、果たして私の解釈は正しいでしょうか?…

映画感想「ポセイドン・アドベンチャー」「友だちの恋人」

「ポセイドン・アドベンチャー」 ようやくスクリーンで見ることができました。テレビでは何度も見ていて物語も展開もほぼ覚えているのですが、やはりシェリー・ウィンタースが死ぬ場面は泣いてしまいました。監督はロナルド・ニーム、製作はアーウィン・アレ…

映画感想「小太刀を使う女」「爆笑野郎 大事件」「やぶにらみニッポ

「小太刀を使う女」 明治初期を舞台に、由緒ある武家の娘が、一旦は別れた恋人と、再び巡り会うというわかりやすい時代劇である。監督は池広一夫。特に秀でた作品ではないのですが、やはりこの時代の映画はしっかりしていて、見ていて安心できるところがあり…

映画感想「ロング・トレイル」

「ロング・トレイル」 軽い感じのロードムービーかと思いきや、結構いい映画だった。とにかく、脚本がいいのと、さすがにロバート・レッドフォードとニック・ノルティの熟練俳優の掛け合いのタイミングがみごとな映画でした。監督はケン・クワピスです。かつ…

映画感想「蘇える金狼」(村川透監督版)「野獣死すべし」(村川透監督

「蘇える金狼」(村川透監督版) ビデオでしか見たことがなかった、角川映画の代表作の一本。角川映画祭でようやくスクリーンで見ることができた。監督は村川透。なるほど、村川透らしい、B級アクションのテイストと、角川映画の大作主義が微妙にマッチングし…

映画感想「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」「悪の階段」「黒い画集 第

「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」 映像作品としてはとってもリズミカルで面白映画でした。細かくくりかえすフェードアウト、カットの切り返しのリズムなど、非常に軽いタッチで生き生きと描かれるのが絶妙で、油断すると、やたら重くなるテーマを、爽やかな…

映画感想「有楽町で逢いましょう」「花芯」「ハイ・ライズ」

「有楽町で逢いましょう」 たわいのない映画というか笠原良三脚本ながら、なんともまったりととりとめもない映画です。ただ、古き良き日本映画の空気というか、映画らしい映画というムードも満点という意味では、ちょっと癒される一本でした。監督は島耕二で…

映画感想「秘密 THE TOP SECRET」「その場所に女ありて」「花の慕情

「秘密 THE TOP SECRET」 長い。ただ、だらだらと長い映画だった。いかにも選び抜いたという感じのロケ現場やセットの重厚感や迫力は半端ではないので、ちょっと近未来的な科学捜査の物語も非常にリアリティを生み出しています。その点は評価できる映画なの…

映画感想「夢二 愛のとばしり」「旅愁の都」「殉愛」

「夢二 愛のとばしり」 夢二の狂気がほとんど描けていないので、人間味が見えてこない。しかも、ストーリーの流れもポイントが見えなくて、どこを描きたいのかが感じ得なかった。画面に工夫をして美しくしようという意図は見えるのですが、今ひとつ美しく見…

映画感想「ニューズの真相」「脱獄囚」

「ニュースの真相」 これは見事な映画でした。ラストまで途切れることのない緊張、表と裏をしっかりと描いたストーリー構成の見事さ、それに何より、構図と配色にこだわった美しい画面作りが素晴らしい。監督はジェームズ・バンダービルト。しかも、主演のメ…

映画感想「THE WAVE ザ・ウェイブ」「ターザン REBORN」

「THE WAVE ザ・ウェイブ」 ノルウェーのアカデミー賞外国語映画賞のノルウェー代表に選ばれた一本であるが、なんのことはない、ただのディザスター映画でした。監督はローアル・ユートハウグです。フィヨルドの岩盤の崩落が起こると、大津波が起こり、近隣…

映画感想「青い芽」「燈台」

「青い芽」 石坂洋次郎の原作小説を映画化した鈴木英夫監督作品。短編ですが、青春のほんの一瞬をみずみずしい視点で描いたちょっとした映画です。主人公は17歳の高校生。彼女のボーイフレンドがピッチャーをしている野球の試合を見ているシーンから映画が始…

映画感想「危険な英雄」「彼奴を逃すな」

「危険な英雄」 見事な映画というのはこういうのを言うのでしょうね。一見社会ドラマのサスペンスの様相なのですが、それとは全く違う一線を画した傑作といえるものかもしれません。特に「第三の男」のような軽いタッチの音楽が流れる中で、緊張感あふれる誘…

映画感想「約束」「目白三平物語 うちの女房」「サラリーマン目白三

「約束」 かつてはこういう名編と言える映画がたくさんあったなぁと思えるようなとってもいい映画でした。監督は斉藤耕一。長焦点カメラを多用して背景を完全にぼかした美しい浮かび上がるようなカット、手持ちカメラのアクティブな映像、人物の服装の色彩に…