2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧
「僕のワンダフル・ライフ」 今まで、こういう物語がなかったのが不思議なくらいですが、考えてみれば東洋的な宗教観なのかもしれませんね。飼い主に可愛がられた一匹の犬が転生を繰り返して元の飼い主のところに現れるというファンタジー。死んでも死んでも…
「花ひらく 眞知子より」 市川崑監督長編デビュー作。カメラアングルのあちこちや画面作りのあちこちに市川崑監督らしいこだわりが見え隠れするものの、物語自体は時代色をくっきりと表した、中途半端なメロドラマという一本でした。ピアノコンサートの場面…
「ジュリーと恋と靴工場」 フランス映画のミュージカルというのはフランス語の独特の口調が心地よくて大好きなのですが、この映画もその点では御多分に洩れず楽しいリズム感のある作品でした。ただ、主人公ジュリーの心の成長がもうちょっと描けていたらもう…
「スイス・アーミー・マン」 これはファンタジーなのかサバイバルなのかはたまた異常者の妄想なのか、なんともこういう感性の持ち主もあるのだなと感心してしまう一本でした。監督はダニエル・シャイナート。とある無人島、一人の男が首をつろうとしている。…
「プラネタリウム」 お話の中心が見えない作品で、誰を追いかけていかないといけないのか全くわからないままにラストシーンを迎えた。ナタリー・ポートマンを目当てだけの映画鑑賞という感じでした。監督はレベッカ・ズロトブスキという人です。1943年、…
「山河あり」 第二次大戦より少し前、日本からハワイに移民した日本人家族の物語を大河ドラマ風に描いた作品で、冒頭の移民船のシーンからハワイでの苦労する姿の後は後半第二次大戦に進んでからは、どちらかというと反戦映画にも取れなくもない展開になって…
「秀子の車掌さん」 たわいのないお話の映画ですが、やはり撮る人が撮るとなんとも楽しい映画に仕上がっています。小さなバス会社の運転手とバスガイドの物語をテンポよく描いて行く軽やかさがとっても爽やかな映画でした。監督は成瀬巳喜男です。一台しかバ…
「あさがくるまえに」 映画としてなかなか見せてくれる作品でした。絵作りが実に上手いので、どんどん引き込まれていきます。監督はカテル・キレヴェレという人です。明け方前のベッドで恋人たちがまどろんでいる。男性が起き上がり、窓から下に飛び降りる。…
「草原に黄色い花を見つける」 カメラアングルがとっても美しく、井戸とクレーンを使ったアメリカ的なカメラワークが流麗で、私的な作風が光る作品でした。ただ、脚本のエピソードの組み立てがもう1つ良くないので、途中で中心になる物語が外れるのがとって…
「心中天網島」 何十年ぶりかで見直したが、やっぱり素晴らしかった。モノクロームのスタンダード画面いっぱいに筆で書かれた文字が取り囲み、格子を巧みに使った空間づくりと黒子を配した独特の舞台演出のような映像世界が展開。まさに篠田正浩監督の代表作…
「スキップ・トレース」 レニー・ハーリン監督作品ということだけで見に行ったが、どちらかというとジャッキー・チェンの映画だった。とりとめもない展開の連続とどちらかといえば観光映画的な楽しみを見る作品という感じで、これというストーリーはないのか…
「ナインイレブン 運命を分けた日」 9・11テロ襲撃事件の時、ビル内のエレベーターに閉じ込められた人々を描いた人間ドラマですが、映画としては普通でした。閉じ込められた人々の人間ドラマがしっかり描き切れていないし、それぞれの背景が不十分なので、物…
「アメイジング・ジャーニー 神の小屋より」 手短に書けば宗教映画です。悩んで、悲嘆のどん底にいる主人公が神に癒されて再生する話。描き方によればファンタジックで素敵な映画になるところですが、この映画の最大の弱点は、どん底に落ちた主人公の描写が…
「ダンケルク」 IMAXで見た。凄い。クリストファー・ノーラン監督の真骨頂というか、彼の才能を目の当たりにした出来栄えでした。映画の作り方の1つの到達点かもしれません。主人公は誰という人物中心のストーリー構成にせず、映像と時間軸のみで描き切…
「トリュフォーの思春期」 瑞々しさと初々しさが弾けるような素晴らしい一本の映画、そんな形容がぴったりな素敵な映画でした。監督はフランソワ・トリュフォーです。一人の少女が絵葉書を買いに店に入り、その絵葉書をポストに投函するシーンから映画が始ま…
「西遊記 2 妖怪の復讐」 前作はチャウ・シンチー監督で、ギャグ満載ながらも若干物足りなさを覚えたが、今回は製作に回り監督はツイ・ハーク。さすがに豪快すぎるスケールの大きさに下手なハリウッド大作よりよっぽど面白い仕上がりになってました。一方で…
「ザ・ウォール」 登場人物がほとんど一人という異色の戦争サスペンス。終始一人の主人公のセリフのみで展開する面白さがなかなかの一本。監督はダグ・リーマンです。イラク戦争の勝利宣言をした矢先、二人のアメリカ軍兵士アイザックとマシューズが、敵に狙…
「おしゃれ泥棒」 作劇の面白さというのはこういう映画をいうのでしょうね。昔は良かった、というのは良くないかもしれないですが、少なくとも昔も良かったのです。洒落た映画作りの基本がこういう作品にあるなと思います。40年ぶりくらいですが、良かった…
「きっと、いい日が待っている」 シリアスで暗い物語ですが、影絵のような美しい景色のカットをふんだんに取り入れ、しっかりとした映画的な構図も取りながら丁寧に描いて行くなかなかの力作という一本でした。監督はイェスパ・w・ネルスンという人です。施…
「裁き」 インド社会の姿を様々な視点から組み立てて行く姿は独特で面白いし、それが迫真の法廷劇となればその展開は興味津々。そのアイデアだけでも特筆の一本ですが、映画のリズムとしてはどうも合わなかった。監督はチャイタニヤ・タームハネーという人。…
「ジャック・ドゥミの少年期」 なんか素敵な映画ですね。余命いくばくもなくなった夫の少年時代の姿を妻が映画に収める。もちろん、子供時代は役者がやっているわけですが、映画への思いが詰まった夫の若い時代を描く妻の姿が目に映るようです。監督はアニエ…