2017-01-01から1年間の記事一覧
「ローガン・ラッキー」 久しぶりに爽快感満点の犯罪映画を見た感じです。鮮やかそのもの、さすがスティーブン・ソダーバーグ上手いですね。オープニングからのどこか田舎臭い導入部と、さりげないファミリー感から、仕事にあぶれて現実感が浮き出してから犯…
「人生はシネマティック!」 台詞もいいし、物語もドラマティックなのに、何かが足りない。一本ズバッと抜けるものがないのか、とにかく、めちゃくちゃいいはずなのに、変に冷めてしまう。でもこの映画は好きですね。こういう作品は大好き。なのにもったいな…
「南瓜とマヨネーズ」 ちょっとした自主映画の秀作レベルの一品で、原作がいいのかもしれないがドラマとして人間がしっかりと映し出されている。その充実感と独特の空気感は評価していい一本でした。あとは好みの問題ですね。監督は冨永昌敬。主人公ツチダは…
「ジグソウ ;ソウ・レガシー」 このシリーズも8作目、例によっていつものテーマ曲からはじまる。このシリーズの面白さは、第1作のオリジナリティあふれるアイデア勝利の映画から、ジグソウが死に、いったい誰が彼の後継者かという謎解き映画に変わってきてい…
「ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜」 もっと平凡なつまらない映画かと思っていたら、えらく良かった。素直に展開に感動し、ラストはしんみりとした人間ドラマを感じ入ることができました。監督は滝田洋二郎。孤児院のひまわり園の園長の葬儀の日に映画が始ま…
「マイティー・ソー バトルロイヤル」 このシリーズはなんのことはない。ただ何にも考えずに派手な特撮を見て入ればいいのですが、それもだんだん安易になってきて、いったい、これほどお金をつぎ込む値打ちがあるのかと思ってしまう。監督はタイカ・ワイテ…
「ネリー・アルカン愛と孤独の淵で」 わからなくもないのですが、唐突にカットが変わって、小説の中の世界と現実に小説を書いている今が交互に展開するので、混乱というより、整理がついていない気がするのです。やはり場面転換のための伏線や描写は必要だと…
「悪魔のような女」 サスペンスの王道のようなストーリーと畳み掛ける展開がさすがに職人技を感じさせる傑作。どんでん返しはだいたい途中でわかるにもかかわらず、さらに遊びでエンディングを閉める技のうまさはさすがである。監督はアンリ=ジョルジュ・ク…
「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」 スティーブン・キングブームの時に映画化されなかった彼の代表作の一本がこのタイミングで映画化? ファンとしては楽しみでしたが、盛り上がっては最初に戻りの繰り返しの恐怖シーンの連続は、最後は眠くなってし…
「シンクロナイズドモンスター」 アン・ハサウェイ目当てのみの映画でしたがある、まぁまぁ楽しい一本でした。監督はナチョ・ビガロンドという人です。一人の少女が公園で無くした人形を探している。やっと見つけたと思ったら、向こうの方に怪獣が歩いていて…
「ゲット・アウト」 普通のB級サスペンスホラーという感じで、未公開映画祭にかかるレベルの作品でした。監督はジョーダン・ピール。一人の黒人が電話をしながら道に迷ったらしく、夜道を歩いている。一台の車が近ずいてきて、彼を殴って拉致、そしてタイト…
「離婚しない女」 神代辰巳監督の一番嫌な部分が前面に出た作品で、くどい、しつこい、間延びする展開が延々と続くのに、正直終盤は辟易としてしまった。しかし、これが目指した姿としての映画作りだったとしたら、成功かもしれません。倍賞千恵子と倍賞美津…
「遥かなる山の呼び声」 良い映画ですね。山田洋次監督ということで当時見逃した一本ですが、監督の職人芸が光る名作でした。北海道の大地で、なくなった主人の後を継ぎ、息子と二人で牧場を営む民子のところに、あるの雨の夜、一人の男田島が雨宿りをする。…
「彼女がその名を知らない鳥たち」 これは良かった。確かに、ややゆがんだところがないわけでは無いし、大傑作という範疇では無いかもしれないが、相当よくできた作品である。何と言っても、阿部サダヲと蒼井優、さらに松阪桃李、竹野内豊など、普段なら正義…
「ブレードランナー2049」 ここまで長々と間延びさせて描写する必要があるのだろうかという一本。しかも、ストーリーというのは実にシンプルなのだ。ただ、前作からの空気感を見せたいだけにしか見えない作品に仕上がってしまった気がします。監督はリドリー…
「横堀川」 山崎豊子原作のテレビドラマを映画として仕上げた作品で、吉本興業創業者吉本たかの半生を描いたものですが、さすがに倍賞千恵子では、線が細い感じがします。監督は大庭秀雄です。昆布問屋のいとはんの多加が、やがて呉服屋へ嫁入りするが、若旦…
「天国と地獄」 何十年ぶりかで見直した。今回は4K デジタルマスター版。しかし何度見てもすごいと思う。二時間半見せるとはこういうことなのだ。どの三十分を取っても映画として成り立っている。しかも、さりげなく遊びを挿入した緻密な脚本にも驚かされる…
「愛の讃歌」(山田洋次監督版) 典型的な松竹映画で、松竹色がムンムンして、かなりしつこいものの、やはり山田洋次監督の力量が伺える一本だった。小さな島の港町、主人公の春子と竜太は恋人同士だが、竜太は夢を求めてブラジルに旅立ってしまう。一方、春子…
「婚約者の友人」 モノトーンで静かに展開するミステリーですが、どこかいつもの不思議な空気感を感じることができませんでした。監督はフランソワ・オゾンです。主人公アンナがフィアンセのフランツの墓参りに行くシーンから映画が始まる。ところが、墓には…
「斉木楠雄のΨ難」 こんな馬鹿馬鹿しい映画を金とって見せるな!というところだが、大好きなんですよね、福田雄一の世界。とにかく、背景にある理屈など吹っ飛ばして、ただノリだけで展開していくストーリー感が最高。もちろん、原作があるので、こういう物…
「女神の見えざる手」 典型的なアメリカン法廷劇であるが、ハイスピードでリズムに乗って行く映像展開は秀逸、とにかくラストシーンまで突っ走って、予想通りのどんでん返しが埋め込んであって爽快に終わる。これがサスペンス、と言える傑作だった。監督はジ…
「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」 眠くて眠くて参った。物語の中心に置くべきE.1027の建造物のすごさを描写しないために、何がどうかわからないままに、凄い凄いというセリフだけでル・コルビュジエとアイリーン・グレイの話が展開して行く。…
「ブレードランナー」(ファイナルカット) 初めて見てから、DVDなどで見直したものの、大スクリーンで見直したのは初めてであるが、たしかにこのビュジュアル感はすごいと思う。ジョン・ダイクストラの特撮と、日本の道頓堀界隈をモチーフにしたと言われる街…
「野良犬」(4Kマスター) やはり黒澤明は凄い。何十年ぶりかで見直したけれど、改めて、怖いほどの演出に圧倒される。それに、サスペンスの面白さもさることながら、人間ドラマが半端ではないために、スクリーンに釘付けになり涙が溢れてきます。これが抜きん…
「わたしたち」 なるほど、映画になっている。みずみずしいほどに一瞬の時間を切り取ったストーリー構成と淡々と進む中に主人公たちの心の動きを目の当たりに見せてくれる演出が素晴らしい。映画づくりの究極の世界がここにあるという一本だった。監督は韓国…
「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」 新猿の惑星シリーズの三作目、元ネタの流れを汲んで行く大河ドラマなので、ラストはそれなりに胸に迫るものもあった。でも、どう見ても「地獄の黙示録」やったなという感じです。監督はマット・リーブス。人間と猿の…
「踊りたい夜」 ショービジネスの世界をミュージカル仕立てで描いた娯楽映画で、たわいのない話ですが、華やかな色使い、賑やかで能天気な展開が楽しい一本でした。監督は井上梅次です。三人姉妹のショーダンサー「ピンクタイツ」が踊っているシーンから映画…
「あいつばかりが何故もてる」 ゆるゆるの物語で、こんなことあるわけないやろと思うのですが、これが当時の映画の良さであると思うし、本来映画館に足を運んで、こんなありえないフィクションを楽しんで、なぜかほんのりして劇場をでる。これでいいと思うの…
「追想」 ロベール・アンリコ監督の代表作の一本を見る。第二次大戦末期、ドイツ兵に家族を惨殺された医師がたった一人で復讐をする物語。一見静かなタッチで展開して行くドラマですが、あちこちに主人公の悲しさが溢れているという独特の演出スタイルが目を…
「あゝ、荒野」前篇 これは傑作、菅田将暉の迫真の演技で作品を牽引して行く一方で、さりげなく配置した脇役の存在感が物語に厚みを加える。さらに的確なテンポのカメラワークが映画を躍らせていきます。久々に、力の入った本当の力作に出会った気がします。…