くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「リンドグレーン」

「リンドグレーン」 長くつ下のピッピなどの児童文学の女流作家アストリッド・リンドグレーンの半生を描いた作品ですが、ほとんど、一人の女性の恋と親子の問題のドラマで、児童文学に目覚める下りも何もない普通の女性映画でした。監督はペアニル・フィッシ…

映画感想「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」

「スター・ウォーズスカイウォーカーの夜明け」 いよいよシリーズ完結、過去作品へのオマージュ満載で締めくくるクライマックスは圧巻だし、四十年経ったかとという感慨に胸が熱くなってしまいました。やはりバトルシーンを描かせるとこの監督な実に旨いです…

映画感想「殺人者にスポットライト」

「殺人者にスポットライト」 ゴーモン映画社特集の一本なのですが、なんともB級の塊のようなサスペンスで、何が何か物語の整理がついてこないし、なんでこんなシーンがあるのかわからないし、結局、何度か意識を失ったまま、ラストを迎えた。監督はジョルジ…

映画感想「快楽」「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」

「快楽」 これは良かった。カメラワークが流麗で素晴らしいし、セットの立体的な造形も見事、しかも、映像のテンポも素晴らしい傑作でした。物語はモーパッサンの短編三本なのですが、別々のようで別々ではなく絡み合わせた脚本も秀逸でした。監督はマックス…

映画感想「ヨシワラ」「テッド・バンディ」

「ヨシワラ」 やっつけ仕事のような脚本で、その場その場で書き加えられていった展開は雑だが、話なシンプルなので、気楽に見ることはできた。フランス人がちょんまげを結っていたり、どう見ても富士山ではない富士山や、吉原の景色が下町に見えたり、様々な…

映画感想「とらんぷ譚」「THE UPSIDE 最強のふたり」「シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢」

「とらんぷ譚」 サイレント映画の調子で、主人公が自身の回想録を綴るというナレーションを背景に過去の物語が展開。過去のお話はほとんどサイレント調で進んでいく。テンポがいいので退屈しない楽しい映画でした。監督はサッシャ・ギトリ。 タイトルやスタ…

映画感想「パリ横断」「ジョン・デロリアン」

「パリ横断」 「ゴーモン 珠玉の映画史」特集で見ました。流石に古さを感じさせる映画ですが、それでも、光と影を巧みに使った演出は惹かれるものがあります。監督はクロード・オータン・ララ。 時は第二次大戦下のフランス。闇市で裁くために一匹の豚がさば…

映画感想「忠直卿行状記」「ゾンビ」(日本初公開復元版)

「忠直卿行状記」 非常に骨太に作られた時代劇で、一人の人間の心の浮き沈み、世の中の現実の機微を交えて奥の深い仕上がりになっています。その意味で、いわゆる娯楽としての時代劇とは一線を画した傑作とも呼べるかもしれません。監督は森一生。 大阪城が…

映画感想「歌行燈」「切られ与三郎」「ジュマンジ ネクスト・レベル」

「歌行燈」 目の保養になるくらい美しい色彩と構図の画面が素晴らしい。傑作とはこういう映画を言うのだと言わんばかりの素晴らしい映像芸術を堪能しました。監督は衣笠貞之助。 場所は伊勢、明治三十年頃、東京から伊勢にやってきた東京の能の家元恩地源三…

映画感想「2人のローマ教皇」「再会の夏」「こんな私じゃなかったに」

「2人のローマ教皇」 これまたNetflixドラマ。物語の組み立てが完全にテレビサイズでやたら長く感じてしまいました。確かに主役の2人の演技力は素晴らしいので魅せてくれますが、やはりネット配信並みの映像はなかなか受け入れ難いです。監督はフェルナンド…

映画感想「家族を想うとき」「去年マリエンバードで」(4Kデジタルリマスター版)「娘はかく抗議する」

「家族を想うとき」 壮絶な家族のドラマで、結局、救われる未来がないラストがなんとも苦しい作品でした。監督はケン・ローチ。 父のリッキーが就職活動をしている場面から映画が始まる。そして自分で車を購入して宅配ドライバーをすることを決める。連日の…

映画感想「屍人荘の殺人」「カツベン!」

「屍人荘の殺人」 ミステリーなので、物語の点から見れば、なるほどこういう切り口もあるんだなという感じである。原作通りだとすれば、すでに謎解きの種は尽きたといえば尽きたのだろう。映像としてみれば、特に個性的な演出はされてないし、完全に蒔田光治…

映画感想「シティーハンターTHEMOVIE 史上最香のミッション」「アダムズ・アップル」

「シティーハンターTHEMOVIE 史上最香のミッション」 あまりに、面白いという評判が多いので見にきました。映画は安っぽいのですが、コメディのセンスがいいのとコミック原作のノリがテンポよくて、どんどんはまってしまいました。ちょうどチャウ・シンチー…

映画感想「ウエストサイド物語」「“隠れビッチ”やってました。」

「ウエストサイド物語」 スティーブン・スピルバーグがリメイクするという名作中の名作。上映される度に見にいく映画をまた見に行きました。監督はロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス。 何度見ても引き込まれますね。流石に展開をほとんど知ってるので…

映画感想「ラフィキ ふたりの夢」「夕陽のあと」

「ラフィキ ふたりの夢」 今流行りのLGBTを扱った作品ですが、差別を差別として、偏見を偏見として丁寧に描いた良質の作品でした。監督はワヌリ・カヒウ。 軽快な音楽をバックに映画は幕を開ける。主人公のケナはちょっとボーイッシュな女の子で、父は地元の…

映画感想「私のちいさなお葬式」「読まれなかった小説」

「私のちいさなお葬式」 いい映画だという噂を聞いていたが、期待通り、なかなかの佳作でした。ロシア映画も最近は面白いです。監督はウラジミール・コット。 73歳のエレーナが、病院で診察結果を聞いているシーンから映画は始まる。何やら心臓の病気が進ん…

映画感想「源氏物語 浮舟」「ラスト・クリスマス」

「源氏物語 浮舟」 オールスターキャストなのですが、平安の濃い化粧で最初は分からなかった。一人の女性浮舟をめぐっての二人の男の恋物語で、舞台こそ源氏物語の世界ながらいまに通じるよくある話なのでわかりやすかった。監督は衣笠貞之助。 宮中に一人の…

映画感想「羊とオオカミの恋と殺人」「ファイティング・ファミリー」

「羊とオオカミの恋と殺人」 お話が面白そうだったので、あんまり期待もしていなかったけど、まあこの程度楽しめたらよかったなという感じの映画でした。監督は朝倉加葉子。 主人公黒須は予備校もやめて前途悲観のどん底になっているところから映画が始まる…

映画感想「KIN キン」「マリッジ・ストーリー」「スペインは呼んでいる」

「KIN キン」 典型的なB級SFで、その場限りのストーリー展開と噛み合わないキャストの登場、どこかターミネーターを思わせる物語と、切り張りしたような映画でしたが、まあこれも映画です。監督はジョナサン&ジョシュ・ベイカー。 廃工場で何やら閃光が走り…

映画感想「THE INFORMER 三秒間の死角」「浅太郎鴉」「怪盗と判官」

「THE INFORMER 三秒間の死角」 ちょっと作り込みすぎてる気がしないでもないですが、なかなか重みのあるサスペンスドラマでした。監督はアンドレア・ディ・ステファノ。 主人公ピートは、喧嘩が原因の殺人で収監されたが、FBIとの取引で、“将軍”と呼ばれる…

映画感想「EXIT」「潮来出島美男剣法」「弥次喜多道中」

「EXIT」 韓国映画らしいとぼけたシーンの連続で、サバイバルアクションなのに、全然緊張感も何もない映画ですが、これが韓国の国民性という感じで、これもまた面白い。監督はイ・サングン。 主人公ヨンナムは、就活をするも決まらず、鉄棒で筋トレしたりフ…