2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧
「ブラインドスポッティング」 思いの外いい映画でした。ありきたりの展開を次々と覆していくテンポの良さが作品に深みと厚みとユーモアを生み出していく。それでいて、どこか胸に迫ってくるあったかいものを感じられる作品でした。監督はカルロス・ロペス・…
「ペット2」 前作も大したことはなかったが、今回も時間つぶしに見に行った。一作目よりは面白かった。マックスたちの農場での話とスノーボールたちのサーカスからトラを助ける話の二本立てだが、適当な作劇はやはりディズニーとの違いかもしれません。でも…
「火口のふたり」 あれだけの話で2時間近く見せるということは、脚本が良くできていたのか、演出や演技が優れていたのか、映画としてなかなかの仕上がりの作品でした。監督は荒井晴彦。 いとこの直子が結婚するからという連絡をもらい10年ぶりに実家に帰って…
「ロケットマン」 「ボヘミアン・ラプソディ」よりも格段に映画として楽しかった。ミュージカル仕立てというのもあるけれど、テクニカルな特殊映像を駆使して描くエルトン・ジョンの半生はとにかく音楽に彩られ破天荒ながら賑やか、そんな空気感が出ていたと…
「ダンスウイズミー」 楽しいに違いないといき込んで見始めたのですが、オープニングのノリが早くも中盤で失速して行って、ラストに至っては歌だけというちょっと予想外れな展開が残念な映画。物語の組み立てが悪いのか、これはこれで意図したものなのか、個…
「ペトラは静かに対峙する」 こういう空気感の映画はたまに見かけるのですが、よほど卓越した演出を見せられないとしんどい。今回の作品は章ごとに時間を前後させて、工夫を見せるもののいまひとつ面白くなかった。人物の動きや会話の後を追うようなゆっくり…
「永遠に僕のもの」 モダンで面白い作りをした映画なんですが、肝心の主人公の猟奇性にインパクトが足りないのと、物語の展開がなんともキレがないので、やたら長く感じてしまいました。監督はルイス・オルテガ。 学生のカルリートスが、当たり前のように盗…
「小さな恋のメロディ」(デジタルリマスター版) 今更ながら、ダニエルとメロディの幼い二人のラブストーリー。何度見ても、とっても素敵な映画だなと思います。全編がファンタジーなのですね。監督はワリス・フセイン。 10歳のダニエルは、母親の溺愛を受け…
「イソップの思うツボ」 「カメラを止めるな!」のスタッフが結集ということで、ちょっと興味ありの映画。たしかにどんでん返しをわざとらしく繰り返すのは楽しいのだが、次第に飽きてきて、次第にくどくなって、次第に先が見えて、結局自主映画のよくできた…
「ピータールー マンチェスターの悲劇」 19世紀初頭、イギリスマンチェスターで自由を求めて集会した人々が軍隊によって虐殺に近い圧力をかけられた事件を扱った群像劇ですが、生真面目な作品でした。丁寧に描写するのもほどがあるという感じで、もうちょっ…
「ライオン・キング」 実写版というよりフルCGアニメである。たしかにここまでCGで描けるようになったかと思うとすごいと思う。物語はオリジナル版をややコンパクトにした感じになっているので、オリジナル版ほどに芸術性を感じられないのはちょっとさみしい…
「札幌オリンピック」 私の世代ではオリンピックといえば札幌オリンピック。そんな懐かしさから見に行きました。ドキュメンタリーとしての仕上がりは、名作と言われる「東京オリンピック」とはちょっとレベルダウンという感じでした。監督は篠田正浩。 ドキ…
「少年時代」 さすがに秀作。妙なヒューマニズムにならない脚本が抜群にいいし、カメラも美しい。戦時中の素朴な一風景を少年たちの姿を通して描くドラマ作りが素晴らしい映画でした。監督は篠田正浩。 第二次大戦も敗戦の色が濃くなった頃、東京に住む小学…
「化石の森」 どこを取っても力が入りすぎた感じの作品で、何をどう描きたいのかポイントが全体にぼやけた感じです。原作があるので、根本的な話は変えられないのでしょうが、脚本段階で思い切った改編があったほうがよかったと思います。監督は篠田正浩。 …
「世界の涯ての鼓動」 正直、退屈な映画だった。全体に緩急ができていないのだと思う。出会いで盛り上がる二人の感情が見えないし、その後の死に直面する物語も普通、さらにラストに至っての再度の盛り上がりが甘い。それなりに静かな展開を意識した演出なの…
「美しさと哀しみと」 川端康成の原作が持つ妖しい妖艶さが、篠田正浩監督の独特のカット割りで見事に表現されています。どこか艶めかしくも純粋な男と女の物語が描かれた秀作という感じです。 除夜の鐘を聞くために東京から京都に大木はやってくる。かつて…
「あかね雲」 篠田正浩監督全盛期の一本という感じです。素晴らしい映画でした。構図といいカット割りと言い、物語の展開といい、一級品の迫力がありました。 二人の兵隊が脱走する場面から映画が始まります。一人はなんとか逃げ果せ、いずこかへ去る。舞台…
「巴里祭」(4Kデジタルリマスター版) ルネ・クレール監督の代表作の一本をほぼ40年ぶりに見直しました。たしかにフランス映画らしいコミカルな展開は独特の世界で洒落ていますが、さすがに物語だけ見れば、ちょっと古き良き時代という感じです。ただ、画面の…
「涙を、獅子のたて髪に」 時代色が強い物語ですが、和製ロミオとジュリエット的なストーリー構成と丁寧なカメラワークがなかなか面白い作品でした。監督は篠田正浩。 港の沖仲仕たちがストをしているシーンから映画は始まる。彼らを監視しているチンピラま…
「工作黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」 なかなか見ごたえのある政治サスペンスでした。実話を基にしているとはいえ、ここまで南北朝鮮の物語を描けるのはやはり韓国映画でないと無理だと思います。久しぶりに本物を見た感じです。監督はユン・ジ…