くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「アダムス・ファミリー」(アニメ版)「マロナの幻想的な物語り」

「アダムス・ファミリー」(アニメ版) 半分時間潰しで見たのですが、これが意外に面白かった。アニメの造型も楽しいし、ストーリー展開も毒ありブラックユーモアあり、現代風刺ありともりたくさんに楽しめる。ラストは今時らしくちょっと考えさせられるのもい…

映画感想「甘いお酒でうがい」「マティアス&マキシム」

「甘いお酒でうがい」 小品ですがちょっと素敵なハッピーになれる映画でした。若林ちゃんを演じた黒木華が抜群に良くて、彼女が映画のレベルを上げた感じです。映画館を出る時笑みが溢れてました。監督は大九明子。 主人公佳子が出社するのに靴を履いている…

映画感想「青春群像」(4Kリマスター版)「マーティン・エデン」

「青春群像」 なるほどと言えるいい映画ですね。めくるめく様な夢見心地にさせられる青春ストーリー。ラストのベッドの場面が交錯するシーン、バッチリ決まった見事な画面の構図に引き込まれてしまいます。監督はフェデリコ・フェリーニ。 海辺の街で、ミス…

映画感想「恋する惑星」

「恋する惑星」 とっても洒落た映画で、二つのラブストーリーをめくるめく様なテンポで描いていく。監督はウォン・カーウァイ。 一人の刑事223号が犯人を追っている。途中、金髪にサングラスの女性とすれ違う。223号は最近メイという女性と失恋をし、もう一…

映画感想「鵞鳥湖の夜」「花様年華」

「鵞鳥湖の夜」 噂通りの傑作でした。ハイスピードなストーリー展開とカメラワークの見事さ、さらに光と影を縦横無尽に使った映像演出に引き込まれてしまいました。監督はディアオ・イーナン。 深夜の高架下、一人の男チョウが佇んでいる。そこへオーバーラ…

映画感想「ポネット」「現在地はいづくなりや 映画監督東陽一」

「ポネット」 シンプルでピュアな詩篇のようなファンタジックな映画でした。映画としてずば抜けて優れた出来栄えに見えないのですが、淡々と綴っていく一人の少女の全くの澱みのない物語は胸を打たれます。監督はジャック・ドワイヨン。 一人の少女のポネッ…

映画感想「女優 原田ヒサ子」「フェリーニのアマルコルド」(4Kリマスター版)「シリアにて」

「女優 原田ヒサ子」 原田美枝子が、自らの母を捉えた短編ドキュメンタリー。認知症が進んだ母、原田ヒサ子が自らの娘原田美枝子を語り出す。 原田美枝子の母原田ヒサ子が普通に若い頃から映画に出ていたと語り出す。原田美枝子の娘や息子が協力するいわばホ…

映画感想「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」

「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」 韓国映画らしい陰気で陰湿な映画でしたが、伏線やフェイクもしっかり効いていたなかなかの佳作でした。ただ、いつものことながら、韓国の警官ってアホやし、独特のハングル語の下品さはやはり私にはあいません。監督はキ…

映画感想「TENET テネット」

おもしろかった。時間テーマをこういう風に小道具に使うという発想が見事。一瞬混乱しかけるのですが、それは人間がまだ完全に未知な存在としての時間に対する既成概念があるからで、物語は一昔前のB級SFのようなシンプルな話。その軸の話にいかに早く行…

映画感想「チィファの手紙」「スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」

「チィファの手紙」 岩井俊二監督が「ラストレター」を発表する前に、同じ原作で中国で描いた作品。展開もカメラワークもアングルもほとんど同じで、役者が変わっただけという感じの映画でした。 主人公チィファの姉チィナンの葬儀の場面に始まり、そこへチ…

映画感想「ミッドウェイ」(2020年版)「窮鼠はチーズの夢を見る」「喜劇 愛妻物語」

「ミッドウェイ」 日米両側を公平に描き、日本の横柄さを誇張するわけでもなく、アメリカの有意さを見せるわけでもなく、いかにアメリカも真珠湾攻撃で追い詰められたかもちゃんと描いている演出は良かった。いい映画になっていたという感じです。監督はロー…

映画感想「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」「ソニア ナチスの女スパイ」

「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」 二十世紀最高のバッハ演奏家と言われているジョアン・カルロス・マルティンスの半生を描いたいわゆる不屈の音楽家の物語ですが、いかんせんあれもこれもと描こうとしたためにかなり長く感じ、さらにピアノシーンが何度も…

映画感想「海の上のピアニスト」(イタリア完全版)

「海の上のピアニスト」 先日見た4K版より約五十分長い日本初公開版を見る。当初公開されたものは時々感情の流れが途切れたり飛んだりする印象が気になってましたが、今回の長尺版はその辺りはスムーズに流れます。私個人としてはこの長尺版の方が作品として…

映画感想「mid90s ミッドナインティーズ」「真夏の夜のジャズ」(4Kリマスター版)

「mid90s ミッドナインティーズ」 これは良かった。まず音の使い方が抜群に良い。国は違うけれど、かつての自分達の少年時代と全く変わらない世界があった。しかも映像のリズムがいい上に、少年たちの心の温かさが切々と伝わってきて引き込まれてしまいまし…

映画感想「おかしな奴」「凱里ブルース」

「おかしな奴」 昭和初期に活躍した実在の落語家三遊亭歌笑の半生を描いた作品で、全体が丁寧に物語を追っていく一方で、芸達者が繰り広げる落語の世界も面白い逸品でした。監督は沢島忠。 子供の頃から顔立ちがユニークでみんなから馬鹿にされて大きくなっ…

映画感想「喜劇 急行列車」「吹けば飛ぶよな男だが」「あゝ軍歌」「人数の町」

「喜劇 急行列車」 たわいのないプログラムピクチャーで、気楽に見れるコメディですが、構成はしっかりしているのはなかなかのものです。監督は瀬川昌治。 東京から長崎に向かう急行列車、専務車掌の青木が乗り込んで、列車の中で起こる様々なエピソードを綴…

映画感想「宇宙でいちばんあかるい屋根」

「宇宙でいちばんあかるい屋根」つ うーんとなんともまとまらない映画だった。いろんなエピソードがなぜ入ってくるのかはっきり見えない上に、キーになる星ばあの桃井かおりがなんとも汚らしくて映画のファンタジックさを潰している感じで残念。上手く作れば…

映画感想「青くて痛くて脆い」「ようこそ映画音響の世界へ」

「青くて痛くて脆い」 なんともひどい映画だった。原作が悪いのか、脚本が悪いのか、監督の演出が悪いのか、役者が悪いのか、どこへ向けたら良いのかわからないくらい、どれもこれもが薄っぺらくて見ていられない。途中まで我慢すればと頑張ったが結局よくも…

映画感想「勝負をつけろ」

「勝負をつけろ」 やっちゃいました。去年見た映画を気が付かずにまた見てしまった。クライマックスの地雷除去シーンあたりからなんとなく思い出して、そのあとの場面で確信、一緒に見ていた友達も終わり辺りまで気がつかなかった。監督はジャン・ベッケル。

映画感想「ごん」(劇場版)「脅迫者」「ラインの処女号」「霧の中の少女」

「ごん」 ごんぎつねのストップモーションアニメ。繊細な表現で、今までタブーとされてきた水とススキを描くことにチャレンジ。懐かしい童話の世界観と優れたテクニックに引き込まれる三十分でした。監督は八代健志。 物語は今さらいうまでもないので書かな…