くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ローラとふたりの兄」「成れの果て」

「ローラとふたりの兄」 始まった途端、またいつものような平凡なフランスコメディかと思いきや、どんどん胸に伝わって来るものが感じられてラストはほのぼのと感動してしまいました。小品ですがなかなか良かったです。監督はジャン=ポール・ループ。 ビル…

映画感想「レイジング・ファイア」「ただ悪より救いたまえ」「探偵物語」(根岸吉太郎監督版)4K修復版

「レイジング・ファイア」 香港映画らしいスピーディなストーリー展開と派手なアクションの連続、そしてシンプルな筋立ては本当に肩の凝らない作品でした。ベニー・チャン監督の遺作。 チョン警部が雨の中車を走らせている。その先には大勢で一人の男がリン…

映画感想「キングスマン ファースト・エージェント」

「キングスマン ファースト・エージェント」 面白かった。ますます磨きのかかったアクションシーンの数々も楽しいし、見せ場の連続というかてんこ盛りで飽きさせないし、歴史の史実をフィクションに取り込んでいく脚本も面白い。難を言えば、これはB級映画の…

映画感想「世界で一番美しい少年」「麻雀放浪記」(和田誠監督版)「夜空に星のあるように」

「世界で一番美しい少年」 ルキノ・ヴィスコンティ監督の「ベニスに死す」で少年タジオを演じたビョルン・アンドレセンのドキュメンタリー。ものすごいストーリー性のある映像で、「ベニスに死す」で頂点で現れた少年のその後の人生のドラマに圧倒されてしま…

映画感想「彼女が好きなものは」「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」

「彼女が好きなものは」 友達に勧められて半信半疑で見に行ったのですが、思いの外とっても良い映画でした。ホモを認めるのが善で、認めないのは悪であるかのような最近の風潮をバッサリと切り捨てて原点に戻り、ゲイであることの苦悩を真正面から描いたスタ…

映画感想「偶然と想像」「私はいったい、何と闘っているのか」

「偶然と想像」 淡々と演劇の本読みのように繰り返す台詞の応酬と、まるで舞台を見ているような長回しとフレームを意識した演出、その中で繰り広げられる偶然が生み出すドラマですが、決して奇抜さを狙ったものではない。その空気感が非常に知的な雰囲気を醸…

映画感想「マトリックス レザレクションズ」

「マトリックス レザレクションズ」 何の意図があって、18年も経ってこの作品を発表したのか意味不明の映画で、キアヌ・リーヴス、キャリー=アン・モス、ジェイダ・ビンスケット・スミスら主要キャストたちがリアルに年を取って、しかも、実年齢で出せない…

映画感想「GUNDA グンダ」

「GUNDAグンダ」 モノクロ映像と音楽を廃して環境音だけでつづるある農場の母豚と子豚を捉えたドキュメンタリーですが、とにかく、カメラがすごい。あそこまで動物に寄ることが可能なのかと思えるようなクローズアップで描写する映像はまるで動物の表情をと…

映画感想「モスラ」(4Kデジタルリマスター版)「あなたの番です 劇場版」

「モスラ」(1961年版) 小学校の講堂で見て以来のスクリーン鑑賞ですが、本当に綺麗に蘇りました。改めて、東宝特撮技術の凄さに感動。モスラの歌が流れてきたら寒気がしてしまいました。一分の序曲があったのも初めて知りました。監督は本多猪四郎。 オープ…

映画感想「消えない罪」「ドント・ルック・アップ」

「消えない罪」 物語も登場人物の行動にもきっちりと動機付けが行われた濃厚な脚本が見事な見応えのある作品でした。少々エピソードを詰め込みすぎた気がしないでもないし、過去の出来事を細切れで挿入していく演出はちょっとうるさい気がしないでもないです…

映画感想「老後の資金がありません!」「茲山魚譜チャサンオボ」

「老後の資金がありません!」 平凡な脚本と並の演出でどうなることかと思ったが、小手先の器用さで演技を繰り返すテレビレベルの役者が演じる前半部分はいかにも凡作でしたが、草笛光子が登場する中盤から後半、みるみる映画になってくる。流石に草笛光子の…

映画感想「ラストナイト・イン・ソーホー」

「ラストナイト・イン・ソーホー」 これは面白かったが、少々、描きたいものを詰め込みすぎたきらいがないわけでもない。でも、音楽センスが抜群にいいし、オープニングから引き込む演出テンポの良さは一級品。単なるタイムトラベルホラーと捉えるとこの映画…

映画感想「グロリア 永遠の青春」「渚の果てにこの愛を」「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」

「グロリア 永遠の青春」 オリジナル版と同じ監督でリメイクされた作品です。ジュリアン・ムーアが是非にと言っただけあって、頑張ってはいますが物語は普通だし映画も普通だった。監督はスティアン・レリオ。 離婚して一人暮らしのグロリア、子供たちも離れ…

映画感想「The Hand of God 神の手が触れた日」「悪なき殺人」

「The Hand of God 神の手が触れた日」 なかなかいい映画でしたが、最初登場人物の関係についていけなくてしんどかった。しかし、物語の流れが進んでくると、次第に全体の空気感が見えてきて、どんどん引き込まれて行きました。画面も綺麗だし、なかなかの佳…

映画感想「その人は女教師」「潮騒」(山口百恵版)「ミラベルと魔法だらけの家」

「その人は女教師」 三船敏郎の息子三船史郎と岩下志麻の悲恋ドラマですが、さすがに古さを感じるのと、やっつけ仕事的な仕上がりに微笑ましさを感じるような映画でした。監督は出目昌伸。 1969年新宿、学生と機動隊の衝突場面から映画は幕を開ける。一人の…

映画感想「バツグン女子高生16歳は感じちゃう」「放課後」「パーフェクト・ケア」

「バツグン女子高生16歳は感じちゃう」 吉沢京子全盛期の昭和色満載の青春映画。シンプルなストーリーと陽気なお色気を含んだ楽しい娯楽映画でした。監督は松森健。 美少女川村弓子が転校してくるところから映画が始まる。そしてテニス部に入るが、テニスコ…

映画感想「グッドフェローズ」「ディア・エヴァン・ハンセン」

「グッドフェローズ」 ワンシーンワンカットと細かいカットを繰り返す美しいカメラワークも綺麗だし、雑多な物語に流れるのを見事にストーリーテリングしていく演出も秀逸でいい映画ですが、果たして名作かというとそこまでいかない気がします。30年ぶりに見…

映画感想「夢の涯てまでも」(4Kレストアディレクターズカット版)「東京画」(2Kレストア版)

「夢の涯てまでも」 前半の美しい画面と構図、そしてキレのある演出に大傑作の予感を感じたけれど、オーストラリアに着いてからの目標の見えない混沌とした間延びした展開に、結局、何を描きたかったか理解できずに終わってしまいました。長すぎますね。それ…

映画感想「フォーリング 50年間の想い出」「スパゲティコード・ラブ」

「フォーリング 50年間の想い出」 これはいい映画でした。編集のリズムがとっても心地よくて画面も美しく、何と言っても老人のウィリス役を演じたランス・ヘンリクセンが抜群に素晴らしい。人生の時間の流れを描いた秀作でした。監督はヴィゴ・モーテンセン。…