くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「いつも2人で」「ホリック×××HOLiC」

「いつも2人で」 決してずば抜けた傑作ではないけれど、洒落たラブストーリーを堪能できる映画でした。オードリー・ヘップバーンがいてこその映画という感じですね。40年ぶりくらいの再見です。監督はスタンリー・ドーネン。 倦怠期を迎えているジョアンナと…

映画感想「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」

「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」 1969年夏、ウッドストックが開催された時、160キロ離れた場所で行われた音楽フェスティバル「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」を捉えたドキュメンタリーで、アカデミー賞長編…

映画感想「パリ13区」「ベルイマン島にて」

「パリ13区」 映像のテンポがいいし、曲の選曲も心地よく、SEXシーンは頻繁に出てくるもののシンプルで嫌味がないのでいやらしさも見えない。出だしはいい感じで始まるものの終盤若干弱さを感じるのですが、あっさり素敵なラブストーリーで締め括ったのはよ…

映画感想「さらば愛しき大地」「たぶん悪魔が」

「さらば愛しき大地」 三十数年ぶりの再見。高度経済成長期に、次第に崩れていく旧態然とした日本の姿と近代化していく姿のチグハグな矛盾を切り取った見事な作品ですが、さすがに物語が暗くてどんどん沈んでいく展開は相当に重い。しかしそれでも引き込まれ…

映画感想「十九歳の地図」「ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR」「火まつり」

「十九歳の地図」 40年ぶりくらいの再見。初めて見た時の印象は忘れてしまったが、今見直してみると、一本芯の通った映画だなとしみじみ思う。時代色もあるのですが、描きたいメッセージがしっかりとブレずに描けている気がします。評価されるに値する一本で…

映画感想「カモン カモン」「マリー・ミー」

「カモン カモン」 ちょっと、自己主張が見え隠れするところがあるけれど、美しいモノクロ映像で素朴な画面の中でのシンプルな物語の中にピュアなメッセージを織り交ぜていく作りはそれはそれで、洒落た作品になっていたと思います。監督はマイク・ミルズ。 …

映画感想「フラッシュダンス」(4Kデジタルリマスター版)

「フラッシュダンス」 三十数年ぶり、いろいろ思い出のある映画です。初めて見た当時は、曲に視点が向いていて、ドラマ部分は退屈だった感想でしたが、今見ると、なかなかよく練られた作品だったなと見直してしまいました。ラブストーリーの王道という感じで…

映画感想「呪いの家」「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」

「呪いの家」 この時代のホラーのしては、話も入り組んでいてなかなかしっかり作られて面白かった。悪霊があっさりと退散するラストは物足りないけれど、もやのように現れる亡霊シーンやいかにもな叫び声、臭気による恐怖演出など、この作品が最初らしいが、…

映画感想「マルチプル・マニアックス」「恐怖の足跡」

「マルチプル・マニアックス」 悪趣味の極みという解説で覚悟してみたが、今時のホラー映画の方がよっぽど悪趣味に見える。決して面白いわけでもないものの、やりたい放題のバイタリティは見ていて心地良くなるところもあるから不思議です。監督はジョン・ウ…

映画感想「少林寺」(4Kリマスター版)「ニワトリ⭐︎フェニックス」

「少林寺」 40年ぶりの再見。ストーリーは単調だし、拳法シーンが好きではなければ、正直退屈な映画かもしれません。でも、本物の格闘技シーンは圧巻というのは今見直しても絶品でした。監督はチャン・シン・イェン。 ワン将軍の圧政のもとで労役をこなす主…

映画感想「ハッチング 孵化」「バーニング・ダウン 爆発都市」

「ハッチング 孵化」 映画としての出来栄えもそこそこですが、ホラー映画としては傑作。いかにも幸福な家族こそが真の恐怖の裏返しであるという風刺を巧みに使った人間の恐怖を具現化した映画でした。少々グロいシーンもあるものの、これが北欧ホラーの醍醐…

映画感想「傷だらけの勲章」「潜水艦クルスクの生存者たち」

「傷だらけの勲章」 たわいのない、テレビのサスペンス劇場のような映画なのですが、途中までは、なかなか面白いサスペンスになっています。エジプトやシンガポールなどに海外ロケもわざとらしくないようにも見える。西城秀樹のスター映画のようなのですが、…

映画感想「とんび」「ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード」

「とんび」 原作の良さでラストまで引き込んで、見せ場見せ場で涙ぐませてくれるのですが、いかんせん、手抜きの美術と衣装、さらに役者任せでほとんど演出が入っていないドラマはちょっといかがなものかと思う。ピカピカの車、街並み、隅々に至るまで、リア…

映画感想「親愛なる同志たちへ」「王女メディア」

「親愛なる同志たちへ」 1962年のノボチェルカッスク機関車工場での民衆弾圧事件を扱った作品で、モノクロスタンダードの画面が異様な緊張感を生み出している作品でした。物語はいたって単純なのですが、ソ連共産主義の強烈な権力の圧力がじわじわと伝わって…

映画感想「サタデー・ナイト・フィーバー」(ディレクターズカット4Kデジタルリマスター版)「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」

「サタデー・ナイト・フィーバー」 公開当時見にいけなかった映画を見る。普通のディスコ映画と思っていましたが、なかなか、当時の世相を巧みに背景に織り込んだ脚本が実に奥が深い。もちろん、ビージーズの曲のテンポに乗せた演出が一番の見どころだし、ダ…

映画感想「神経衰弱ぎりぎりの女たち」「三度目の、正直」

「神経衰弱ぎりぎりの女たち」 女遊びの好きな一人の男イバンを巡っての女たちのドタバタ劇で、ペドロ・アルモドバル監督らしい赤と青の色彩を多用した画面作りと、ウィットの効いたセリフの数々、遊び心満載のストーリー展開が楽しい映画でした。 女好きの…

映画感想「女子高生に殺されたい」「やがて海へと届く」

「女子高生に殺されたい」 傑作とまでは行かないけれど、相当に良くできたサイコミステリーの秀作。わざとらしいフェイクが全く見られないのにどんどんミスリードされていく演出が見事で、ラストがラストまで全く見えない脚本の妙味を徹底的に楽しむことがで…

映画感想「英雄の証明」「アネット」

「英雄の証明」 これは恐ろしいほどの傑作でした。書き込まれた脚本の緻密すぎる伏線と、描きたいメッセージを包み隠してラストで明らかにする手腕。さらに登場人物の関係をものの見事に整理していく演出力の恐ろしさに圧倒されてしまいました。監督はアスカ…

映画感想「モービウス」「シャドウ・イン・クラウド」「オートクチュール」

「モービウス」 シンプルなストーリーと何の工夫もない映像、普通のマーベルコミック映画でした。監督はダニエル・エスピノーサ。 医学博士のマイケルがジャングルの奥地へ行き、吸血蝙蝠を入手するところから映画は幕を開ける。そして25年前に戻る。血液の…

映画感想「TITANE チタン」「シッダールタ」

「TITANE チタン」 とんでもない映画がカンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞した。と、もっぱらの話題の映画を早速見にいく。一体この監督、ぶっ飛んだ芸術家か悪趣味な表現者か、バカと天才は紙一重のその一重の線上にいることはたしかだった。スタイリッシ…