2025-04-01から1ヶ月間の記事一覧
「まごころ」 ほんの些細な出来事からここまで膨らませる脚本の凄さ、さらに、細かいカット割りで物語や登場人物の心の動きを表現していく演出力の見事さに呆気にとられるほどの素晴らしい作品だった。監督は成瀬巳喜男。 同級生の富子と信子は、この日、通…
「けものがいる」 観念的に始まるオープニングから、その後の物語の方向が全く見えないままに、時間が前後し空間が前後し、さらにシュールな映像も繰り返されるので、正直、恐ろしく長く感じてしまった。結局、近未来の処置を施された主人公が瞑想の中で見る…
「IT'S NOT MEイッツ・ノット・ミー」 映像コラージュ的な作品で、ポンピドゥセンターからの問いかけを映像で語るという手法の映画。お世辞にも娯楽映画ではないものの、次々と表現される映像の組み合わせは、それはそれで楽しめる一本でした。監督はレオス…
「#真相をお話しします」 ネット社会を揶揄しただけの薄っぺらい娯楽映画かと思っていたが、原作が、テーマをしっかり掘り下げて描かれているのか、なかなか面白いエンタメに仕上がっていました。ラストを紋切り型にしたエンディングも映画の仕上がりを押し…
「ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男」 なかなか見応えのある映画でした。実写映像とフィクション映像を巧みに交錯させて、為政者の裏側の姿をリアルかつ迫力ある演出で描いていく。もちろんナチス映画であるし、反戦メッセージも見えてくるのですが…
「KIDDOキドー」 小品ですが、ちょっと素敵なロードムービーという一本。細かいお遊びカットを挿入しながら、名作映画さながらに展開する親子のアドベンチャーは、これと言って目につくほどの仕上がりでもないけれど、好きになってしまいます。母親を慕って…
「シンシン/SING SING」 最も厳重なセキュリティを施されたニューヨークシンシン刑務所での収監者更生プログラムの舞台演劇での実話をもとにした真摯で誠実な良質のヒューマンドラマでした。二人の中心人物の人間描写がしっかりしているし、犯罪者とはいえ、…
「ボサノヴァ〜撃たれたピアニスト〜」 ジャズもブラジルの国情も全く知識がないので、展開はほとんどわからないのですが、鮮やかで美しいアニメで描く一人のピアニストの失踪を追う作家の物語として絵を楽しむには十分な映画だった。監督はフェルナンド・ト…
「アマチュア」 期待通りに面白い作品だった。主人公チャーリーの人物背景を最後までシークレットにしたのは良かった。次々と復讐していく手段は派手すぎず、甘すぎず、それでいて次第にエスカレートして行って、ラストは見事に締めくくる脚本も上手い。少々…
「アンジーのBARで逢いましょう」 たわいないファンタジーコメディという感じの映画で、癖のある個性的な役者を揃えて、重鎮草笛光子が取りまとめるという設定がとっても面白くて、決して傑作とかそういう類ではないけれども心地よいひとときを過ごせました…
「HERE 時を超えて」 カメラを定点でフィックスに据え置いて、目の前の場所で展開する物語をピクチャーインピクチャーで時間を前後させていく作品。役者も若き日と老いた日を交互に描くというまさにデジタル時代ならではの作品で面白いのですが、作品として…
「眠狂四郎無頼控 魔性の肌」ちさ、おえん 一本のストーリーを丁寧に描いていくのではなく、主人公の見せ場を次々と見せていく痛快娯楽時代劇。とは言っても、様式美を徹底した画面の構図は美しく、色彩にこだわった絵作りも見ていて楽しめます。やたら女体…
「おいしくて泣くとき」 なんとも雑な脚本だが、全体の構成はそれなりに工夫されているので、映画的な作りにはなっていた。まあ、當真あみを見に行っただけなので構わないけれど、演出はあまりに稚拙なので、前半は流石に見ていられない。ラストの数分だけに…
「眠狂四郎 多情剣」 めっぽう面白い娯楽時代劇の秀作だった。様式美にこだわった美しい画面の構図に、多彩なカメラワークによるテンポのいい絵作り、さらに次々と登場する見せ場の連続に眠狂四郎のキャラクターが光る。映画としても十分評価できるクオリテ…
「ドマーニ!愛のことづて」 ちょっと面白い映画だった。初の婦人参政権を謳った映画なのだが、ミスリードが面白く、しかもミュージカル仕立てでその上コミカルな演出が施されているので、最後まで一体どうなるのかと思ってしまう。今の時代の視点で見れば、…
「眠狂四郎勝負」 さすがにこの時代の時代劇は景色といいセットといい、エキストラといい、余裕があって見ていて本当に面白い。市川雷蔵の透明感のあるヒーローはやっぱり心地よい。監督は三隅研次。流石に構図は美しかった。 正月、神社の祭り、一人の女が…
「レイブンズ」 写真家深瀬昌久の半生を、シュールな映像で描き出した作品で、芸術という視点から映像を紡いでいく演出になっているため、人間ドラマ的な部分は希薄にしていくのですが、主人公を演じた浅野忠信に今ひとつカリスマ写真家の姿が見えてこないの…