くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」

「ワン・セカンド永遠の24フレーム」 さすがにカメラアングルが抜群に美しいし、映像としては一級品ですが、ストーリー構成や脚本が弱いために、登場人物の心理描写が希薄になってしまい普通の映画に仕上がったという感じの一本でした。監督はチャン・イーモ…

映画感想「おれの行く道」「ノロワ」「デュエル」

「おれの行く道」 たわいにないプログラムピクチャーで、なんの変哲もないストーリーと、気楽に仕上げた演出という感じの一本でした。監督は山根成之。田中絹代の遺作である。 信州で大学に通う耕三が、父の一周忌で、成田で旅館をしている兄の家に帰ってく…

映画感想「生きててよかった」「チェルノブイリ1986」

「生きててよかった」 非常に荒削りな映画ですが、映画作りのセンスを感じさせる演出とストーリー展開がとっても良い作品で、ラストはどこか不思議な感動に胸が熱くなってしまいました。掘り出し物発見という一本でした。監督は鈴木太一。 暗闇にスパーリン…

映画感想「グロリアス 世界を動かした女たち」「スージーQ」

「グロリアス 世界を動かした女たち」 アメリカのフェミニズム革命家グロリア・スタイネムの物語。非常に面白いスタイルの作品で、幼女時代、少女時代、女学生時代、大人の女性の時代のグロリアを四人のそれぞれの役者が演じ、時に同じバスでお互いに会話し…

映画感想「流浪の月」

「流浪の月」相当にクオリティの高い作品でした。今どきのDV、ネットの暴力、性虐待を描きながら、その奥にある本当を描き出していく脚本が見事。ただ、やや技巧的に走りすぎた部分があり、細かくフラッシュバックを繰り返してジグソーパズルのように交錯さ…

映画感想「乳房よ永遠なれ」「恋文」「月は上りぬ」

「乳房よ永遠なれ」 贔屓目に見ていたわけではないですが、なかなかの佳作でした。この時代にこう言う女性の描き方も見事ですが、クライマックスの映像の組み立ての美味さはやはり才能でしょうね。いわゆる難病ものですが、非常に中身の濃い映画でした。監督…

映画感想「シン・ウルトラマン」

「シン・ウルトラマン」 出だしは非常にスピーディで面白い。かつて「ウルトラQ」を見て育った人たちには一気に引き込まれる。それに続く怪獣、この映画では禍威獣登場からウルトラマン登場までがなかなかと思えるのですが、いかんせん、美術が良くない。禍…

映画感想「不気味なものの肌に触れる」「天国はまだ遠い」「オードリー・ヘプバーン」

「不気味なものの肌に触れる」 のちに制作される「FLOODS」につながるパイロット版的な中編で、エピソードを断片的に繋いだような作品でした。監督は濱口竜介。 二人の青年千尋と直也が演劇の稽古をして体を動かしている場面から始まる。カットが変わり、千…

映画感想「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」「マイスモールランド」

「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」 とっても素敵な映画でした。ファッションが抜群に素晴らしいし、ニューヨークの景色を切り取った映像が洒落ている。しかもセンスのいい音楽で映画全体がリズミカルにかつ心地よく展開していきます。手紙の書き手が観客に…

映画感想「親密さ」「PASSION」(濱口竜介監督版)

「親密さ」 決して贔屓目で見ているわけではないけれど、この監督の演出力は半端じゃない気がします。一見、淡々と映像を繋いでいるようですが、いつの間にか訴えるべきメッセージが見えてきて全体が一つの作品にまとまってくる姿を作り出す力量は半端ではな…

映画感想「メイド・イン・バングラデシュ」「インフル病みのペトロフ家」「湖のランスロ」

「メイド・イン・バングラデシュ」 これはちょっとした映画でした。まず、サビーヌ・ランスランのカメラが抜群に美しく、色とりどりのヒジャブを纏った女性たちの赤と黄色とブルーの衣装が映えるし、縫製工場での色彩演出も素晴らしい。ダリア・アクター・ド…

映画感想「死刑にいたる病」「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」

「死刑にいたる病」 怖い、ひたすらに怖い恐ろしいほどの心理サスペンスの傑作。しかも、カメラワークが圧倒的に素晴らしい。映像で語るというテクニックを可能な限り駆使した画面に翻弄され引き込まれ、片時も目を離せない。それゆえに、物凄くしんどい。く…

映画感想「何食わぬ顔」(long version)「ツユクサ」

「何食わぬ顔」 東京大学映画研究会によって全編8ミリフィルムにて撮影された作品。画面が荒いのは仕方ないけれど、映画イン映画という形式とセリフのテンポで見せる面白さは、ちょっとしたものでした。監督は濱口竜介。 競馬場で三人の青年が馬券を買って見…

映画感想「不都合な理想の夫婦」「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ」(監督自己検閲版)

「不都合な理想の夫婦」 ちょっと面白い映画なのですが、今ひとつインパクトに欠けるのは、淡々と作りすぎたのでしょうか。それが意図したものなのはわかるのですが、その中に力を感じさせないと映画が弱くなる。いわゆる不条理劇という感じの心理サスペンス…

映画感想「いつも2人で」「ホリック×××HOLiC」

「いつも2人で」 決してずば抜けた傑作ではないけれど、洒落たラブストーリーを堪能できる映画でした。オードリー・ヘップバーンがいてこその映画という感じですね。40年ぶりくらいの再見です。監督はスタンリー・ドーネン。 倦怠期を迎えているジョアンナと…

映画感想「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」

「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」 1969年夏、ウッドストックが開催された時、160キロ離れた場所で行われた音楽フェスティバル「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」を捉えたドキュメンタリーで、アカデミー賞長編…

映画感想「パリ13区」「ベルイマン島にて」

「パリ13区」 映像のテンポがいいし、曲の選曲も心地よく、SEXシーンは頻繁に出てくるもののシンプルで嫌味がないのでいやらしさも見えない。出だしはいい感じで始まるものの終盤若干弱さを感じるのですが、あっさり素敵なラブストーリーで締め括ったのはよ…

映画感想「さらば愛しき大地」「たぶん悪魔が」

「さらば愛しき大地」 三十数年ぶりの再見。高度経済成長期に、次第に崩れていく旧態然とした日本の姿と近代化していく姿のチグハグな矛盾を切り取った見事な作品ですが、さすがに物語が暗くてどんどん沈んでいく展開は相当に重い。しかしそれでも引き込まれ…

映画感想「十九歳の地図」「ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR」「火まつり」

「十九歳の地図」 40年ぶりくらいの再見。初めて見た時の印象は忘れてしまったが、今見直してみると、一本芯の通った映画だなとしみじみ思う。時代色もあるのですが、描きたいメッセージがしっかりとブレずに描けている気がします。評価されるに値する一本で…

映画感想「カモン カモン」「マリー・ミー」

「カモン カモン」 ちょっと、自己主張が見え隠れするところがあるけれど、美しいモノクロ映像で素朴な画面の中でのシンプルな物語の中にピュアなメッセージを織り交ぜていく作りはそれはそれで、洒落た作品になっていたと思います。監督はマイク・ミルズ。 …

映画感想「フラッシュダンス」(4Kデジタルリマスター版)

「フラッシュダンス」 三十数年ぶり、いろいろ思い出のある映画です。初めて見た当時は、曲に視点が向いていて、ドラマ部分は退屈だった感想でしたが、今見ると、なかなかよく練られた作品だったなと見直してしまいました。ラブストーリーの王道という感じで…

映画感想「呪いの家」「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」

「呪いの家」 この時代のホラーのしては、話も入り組んでいてなかなかしっかり作られて面白かった。悪霊があっさりと退散するラストは物足りないけれど、もやのように現れる亡霊シーンやいかにもな叫び声、臭気による恐怖演出など、この作品が最初らしいが、…

映画感想「マルチプル・マニアックス」「恐怖の足跡」

「マルチプル・マニアックス」 悪趣味の極みという解説で覚悟してみたが、今時のホラー映画の方がよっぽど悪趣味に見える。決して面白いわけでもないものの、やりたい放題のバイタリティは見ていて心地良くなるところもあるから不思議です。監督はジョン・ウ…

映画感想「少林寺」(4Kリマスター版)「ニワトリ⭐︎フェニックス」

「少林寺」 40年ぶりの再見。ストーリーは単調だし、拳法シーンが好きではなければ、正直退屈な映画かもしれません。でも、本物の格闘技シーンは圧巻というのは今見直しても絶品でした。監督はチャン・シン・イェン。 ワン将軍の圧政のもとで労役をこなす主…

映画感想「ハッチング 孵化」「バーニング・ダウン 爆発都市」

「ハッチング 孵化」 映画としての出来栄えもそこそこですが、ホラー映画としては傑作。いかにも幸福な家族こそが真の恐怖の裏返しであるという風刺を巧みに使った人間の恐怖を具現化した映画でした。少々グロいシーンもあるものの、これが北欧ホラーの醍醐…

映画感想「傷だらけの勲章」「潜水艦クルスクの生存者たち」

「傷だらけの勲章」 たわいのない、テレビのサスペンス劇場のような映画なのですが、途中までは、なかなか面白いサスペンスになっています。エジプトやシンガポールなどに海外ロケもわざとらしくないようにも見える。西城秀樹のスター映画のようなのですが、…

映画感想「とんび」「ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード」

「とんび」 原作の良さでラストまで引き込んで、見せ場見せ場で涙ぐませてくれるのですが、いかんせん、手抜きの美術と衣装、さらに役者任せでほとんど演出が入っていないドラマはちょっといかがなものかと思う。ピカピカの車、街並み、隅々に至るまで、リア…

映画感想「親愛なる同志たちへ」「王女メディア」

「親愛なる同志たちへ」 1962年のノボチェルカッスク機関車工場での民衆弾圧事件を扱った作品で、モノクロスタンダードの画面が異様な緊張感を生み出している作品でした。物語はいたって単純なのですが、ソ連共産主義の強烈な権力の圧力がじわじわと伝わって…

映画感想「サタデー・ナイト・フィーバー」(ディレクターズカット4Kデジタルリマスター版)「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」

「サタデー・ナイト・フィーバー」 公開当時見にいけなかった映画を見る。普通のディスコ映画と思っていましたが、なかなか、当時の世相を巧みに背景に織り込んだ脚本が実に奥が深い。もちろん、ビージーズの曲のテンポに乗せた演出が一番の見どころだし、ダ…

映画感想「神経衰弱ぎりぎりの女たち」「三度目の、正直」

「神経衰弱ぎりぎりの女たち」 女遊びの好きな一人の男イバンを巡っての女たちのドタバタ劇で、ペドロ・アルモドバル監督らしい赤と青の色彩を多用した画面作りと、ウィットの効いたセリフの数々、遊び心満載のストーリー展開が楽しい映画でした。 女好きの…