くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「母性」「グリーン・ナイト」

「母性」 これはなかなかの映画だった。いや、ある意味傑作かもしれない。まるで「白雪姫」や「シンデレラ」のようなお伽話の世界観で描いていく、女性の母性のついての不可思議な寓話。ほとんど人間的な感情が存在しないかで展開する本編に、さすが湊かなえ…

映画感想「それから」「ライブイン・茅ヶ崎」「やまぶき」

「それから」 ロードショー以来の再見。やはり傑作です。レトロであってモダン、ラブストーリーであってサスペンス、独特の映像感性で綴る夏目漱石の世界は素晴らしい。監督は森田芳光。これぞ森田の世界。 主人公代助が寝間で起き上がる。カメラがゆっくり…

映画感想「桜色の風が咲く」「宮松と山下」「ミセス・ハリス、パリへ行く」

「桜色の風が咲く」 世界で初めて盲ろう者の大学教授となった東京大学先端科学技術センター教授福島智さんと母令子さんの物語。評判がいいので見に行ったが、普通の作品だった。特に前半、大手病院の横柄な医師や、役立たずな父親の描写などあまりのありきた…

映画感想「ある男」

「ある男」 物語がどんどん闇の奥へ沈んでいく、あまりに奥の深い作品。名前というものの無意味さ、過去を変えられない残酷さ、そんな人生のどうしようもない一点に集中的に目を向けて行く展開が実に辛い。しかも、エピソードの配分がちょっと悪く、平坦すぎ…

映画感想「ザリガニの鳴くところ」

「ザリガニの鳴くところ」 ベストセラー小説の映画化と、鳴物入りの宣伝文句もあり、期待して観に行ったのですが、そこまで騒ぐほどの出来栄えではなかった。原作が映像として昇華仕切れていないのだろうと思います。でも、映画としてはそこそこに良質のいい…

映画感想「サイレント・ナイト」「ファイブ・デビルズ」「ザ・メニュー」

「サイレント・ナイト」 緊張感あふれるサスペンスというより、どこかブラックユーモア的な作品でした。毒ガスが迫ってきて、世界中の人間が死を覚悟し、安楽死のためのピルを飲んで最期を迎えるまでのジタバタを、恐怖だけでなく、生に執着する姿を描いた感…

映画感想「奈落のマイホーム」「すずめの戸締まり」

「奈落のマイホーム」 ハリウッド大作などとても作れないという割り切りから、アイデア勝負で完成させた娯楽映画の痛快作品でした。冒頭の十分は例によって韓国映画らしい稚拙さで始まるので我慢しないといけないながらも、本編の話になだれ込むとそれなりに…

映画感想「ドント・ウォーリー・ダーリン」「わたしのお母さん」

「ドント・ウォーリー・ダーリン」 いわゆる不条理劇かと思いきや、まさに今最先端のメタバースの世界を巧みにメッセージ発信のために使った、やや知識を見せびらかすような作品。それは難解であるからではなくて、埋め込んだメッセージを隠そうともせず、そ…

映画感想「あちらにいる鬼」「土を喰らう十二ヶ月」「恋人はアンバー」

「あちらにいる鬼」 とってもいい映画です。大人の恋を淡々と静かに描く筆致がとっても心に迫って来る感じですが、後、ほんの少しスパイスというか鬼気迫る一瞬があっても良かったかもしれない。笙子を演じた広末涼子がとっても良い形で映画を牽引しています…

映画感想「ディア・ハンター」(4Kデジタル修復版)「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」

「ディア・ハンター」 午前十時の映画祭、三回目の鑑賞ですが、やはり名作ですね。ビルモス・ジグモンドの美しいカメラも絶品ですが、登場人物それぞれが見事に描き分けられているし、反戦映画ではあるものの、青春映画としての側面もさりげなく画面から漂っ…

映画感想「RRR」「人生は二度とない」

「RRR」 本来はもっと長い作品なのだろう。相当にカットしてあるようで、おいおいと思うシーンの展開が散見されるので、ストーリー構成がアンバランスだし、主人公となる中心人物の物語が、あっちこっちに転がるのは如何ともし難い。クオリティよりも娯楽と…

映画感想「窓辺にて」「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」

「窓辺にて」 これは良かった。まるで、透明なガラスの上に貼られた一本の絹糸の上を歩いていくような研ぎ澄まされた繊細さに彩られたセリフの数々、そしてそのセリフをまるで協奏曲のごとく紡いでいく映像演出、そしてそのリズムに引き込まれる映画でした。…

映画感想「新宿馬鹿物語」「パラレル・マザーズ」「ヒューマン・ボイス」

「新宿馬鹿物語」仙田、邦子、多可子、野本、水田 可もなく不可もない、たわいない人情コメディで、新宿歌舞伎町のバーで繰り広げられるてんこ盛りのエピソードが芸達者な役者たちによって淡々と展開する様は実に面白い。監督は渡辺裕介、脚本は神代辰巳。 …

映画感想「チケット・トゥ・パラダイス」「狂った一頁」(サイレント版79分版)「十字路」『衣笠貞之助監督版 87分英語字幕版)

「チケット・トゥ・パラダイス」 思いの外いい映画でした。アメリカ映画らしい陽気で明るいラブコメディという感じで、ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツの熟年の魅力が等身大に描かれていてとってもいい感じになっているし、小さなトラブルを絶妙の…

映画感想「薮の中の黒猫」「喜劇 男の泣きどころ」「喜劇 女の泣きどころ」

「薮の中の黒猫」 終盤がちょっと間延びして行く上に、ストーリーが、前半の展開、中盤の展開、終盤の展開と一貫性が崩れていく流れが気になる映画でした。特にクライマックスはただの怪談映画で終わった感がある。監督は新藤兼人ですが、ちょっと出来は良く…

映画感想「おっぱいとお月さま」「グッド・ナース」

「おっぱいとお月さま」 これといって秀でた作品ではないですが、音楽がなかなか心地よい映画でした。ちょっと変態的な子供と変質的な青年、変態女という奇妙な三角恋愛ドラマがなんとも奇妙なファンタジー作品。監督はビガス・ルナ。 村のお祭りでしょうか…

映画感想「魅せられて」「貞子DX」

「魅せられて」 初公開以来の再見。監督はベルナルド・ベルトルッチですが、彼の作品としては中の下くらいの出来栄えで、初めて見た時もそれほど印象に残っていませんでしたが、今回もそれほど感銘しませんでした。どちらかと言うとリヴ・タイラーのスター映…

映画感想「アムステルダム」「天間荘の三姉妹」

「アムステルダム」 確かに面白い。歴史の史実をベースにした作品で、どこまでが史実でどこまでがフィクションかと思わせるが、非常に入り組んだ作劇になっているので油断するとついていけなくなる上に、同じ重要度を持った登場人物が目白押しに出てくるので…

映画感想「われ幻の魚を見たり」「赤西蠣太」「国士無双」

「われ幻の魚を見たり」 明治時代、十和田湖で鱒の養殖に成功した和井内貞行という人物の半生を描いたいわゆる偉人もので、監督は伊藤大輔ですが、ちょっと場違いなジャンルだった感じで、どこかギクシャクしていました。それでも、こういう人物がいたという…

映画感想「百合の雨音」「殺し屋たちの挽歌」

「百合の雨音」 ROMAN PORNO NOWの三本目。目眩く女同士の恋物語を、映像を駆使して描いた小品と追う感じの映画。可もなく不可もなしの仕上がりはちょっと物足りないのですが、ロマン・ポルノらしいラブストーリーという感じの作品でした。監督は金子修介。 …

映画感想「夜明けまでバス停で」「アフター・ヤン」「線は、僕を描く」

「夜明けまでバス停で」 どこか掴みどころのない、消化しきれない映画でした。一昔前のエピソードの展開とキャラクター設定がわざとなのかと思っていたが、結局最後まで意図はわからなかった。コロナ禍の世界で何を描きたかった?という感じの作品。監督は高…

映画感想「豪傑児雷也」「逆流」(現存二十八分版)「雄呂血」「42-50火光(かぎろい)

「豪傑児雷也」 トリック撮影を駆使した、いわば娯楽時代劇。主人公児雷也が消えたり現れたり、ガマになったりと、短編ながら見せ場の連続を楽しむ作品。まだまだ映像表現が単調ですが、エンタメの基本が詰まっています。監督は牧野省三。 道端である親子の…

映画感想「暴力脱獄」「明日に向って撃て!」「熱いトタン屋根の猫」

「暴力脱獄」 一見どうやって展開していくのかと思いましたが、どんどん映画が動き出していって、只者ではない流れに乗ってしまうと、あとは圧倒される連続になっていきます。評価されるだけはある傑作でした。これが映画を作るということですね。監督はスチ…

映画感想「七人樂隊」「耳をすませば」(実写版)

「七人樂隊」 七人の香港の監督が描くオムニバスドラマで、1950年代から未来までを描く。それぞれの個性というより、それぞれが香港へ想いを寄せる姿を描く感じの映画でした。 稽古 サモ・ハン監督 必死にカンフーの稽古に励む若き日のサモ・ハンをモチーフ…

映画感想「バビロン」(1980年版)「キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱」

「バビロン」 レゲエムービーということなのでほとんど理解できなかったが、極端な黒人差別の中、音楽にのめり込む若者たちの姿というバイタリティは感じることができた。監督はフランコ・ロッソ。 サウスロンドンに住む青年ブルーは、整備工として働きなが…

映画感想「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」「いつか、いつも…いつまでも。」

「MONDAYS このタイムループ上司に気づかせないと終わらない」 大傑作ではないんだけれども、とってもかわいい小品なのだけれども、楽しい。こういう素直に感動させようとノリとツッコミで走っていく映画は大好きです。粗もあるのですが、役者陣がなかなか個…

映画感想「カラダ探し」

「カラダ探し」 この手の映画にクオリティを求めてはいけないので、まあ、ツッコミまくりのストーリー展開は許すとしましょう。登場人物の描き分けが全くできていないので、一体誰がどうなのか全く見えない雑さはさすがに許せない。ただ、画面の構図自体は映…

映画感想「プリンセス ダイアナ」「スペンサー ダイアナの決意」「もっと超越したところへ。」

「プリンセス ダイアナ」 1981年チャールズ皇太子との婚約から1996年の死までを描くドキュメンタリー。どちら側からでもなく、ストレートな映像で綴った画面は素直にこちらに出来事が伝わってきて好感なドキュメンタリーでした。監督はエド・パーキンズ。 手…

映画感想「8 1/2」「ヘルドッグス」

「8 1/2」 何回見ただろうか、フェデリコ・フェリーニの作品の中で大好きな一本。また見にきました。何回見ても恐ろしいほどの傑作です。現実か幻想か、過去か現代か、何もかもが一つの映像詩となって圧倒的な迫力で映し出されて行く画面が見事です。一見、…

映画感想「ザ・コントラクター」「千夜、一夜」

「ザ・コントラクター」 なんとも単純明快なアクション映画だった。なんの捻りも工夫もなく、原因が分かればそれに対処していくだけのストレートな展開はある意味心地よい。B級アクションはこれでいいのではと思います。そんな一本だった。監督はタリク・サ…