原作を読んでいないので、原作を少し脚色してあるという映画版を原作と比べることはできないが、あまりのヒットに少し期待しすぎたのか、行定勲監督はこうしたメジャー系の作品は演出しきれなかったのか、きょうのできごとで見せたようなあまったるい中にもせつなさを伴った演出は十分発揮されていなかった。 とはいえ、随所にローアングルからとらえられた構図やゆっくりとティルトアップするカメラワークはなかなかのものであった。いろいろ理屈を言ってもやはり泣くところでは涙がにじんできたことは事実で、原作の味を残しながら映画的に物語のスケールを見事に拡大していて、すばらしい脚本であった。 以上は見たすぐ後の感想であるが、こうして半日たってみると、物語構成のうまさが実感されてきた。 大人の朔太郎が結婚を前にして、何か引っかかる物があり、それが高校時代の切ない初恋であることに気づく下りを柴咲コウが一本のカセットテープを見つけることで原作の物語の中に織り込んでいく組み立ては見事。 しかも現在と過去をあまり懲りすぎないように、軽く交錯させながら、少しずつ朔太郎の気持ちを映像に表現していくところは、とにかく感動しました。 | 世界の中心で、愛をさけぶ 指先の花―映画『世界の中心で、愛をさけぶ』律子の物語 世界の中心で、愛をさけぶ ピアノソロ 世界の中心で愛をさけぶ 謎解き『世界の中心で、愛をさけぶ』 世界の中心で、愛をさけぶ Visual story BOOK 世界の中心で愛をさけぶ サウンドトラック |