韓国映画「シルミド」 アメリカ映画に負けないくらいの圧倒的な迫力と、骨太な物語展開に感激しました。 「冬のソナタ」が話題の韓国ですが、あれほど美しい純愛ドラマを一方で作りながら、この「シルミド」のようなシリアスな映画を作っている韓国という国はなんと懐が大きいのだろうと感心してしまいました。 物語は実話を基にしているとのことですが、1971年のシルミド事件など、当時高度経済まっただ中の日本で果たして話題になったのでしょうか? 一方、韓国はまだまだ南北対立が続き、しかもそれは武力闘争のように激化しつつあったのです。 そんな中、起こったシルミド事件。この映画は韓国の転換点に実際にあった汚点とも言うべきドラマを見事に映像化しています。 主演の隊長役のアン・ソンギが素晴らしい演技を見せ、まるで戦争映画にでていた三船敏郎を思わせました。 物語は友情も描き、社会問題も描き、戦争の矛盾も描き、人間ドラマも描くという詰め込んだ内容ですが、そこに素晴らしいスペクタクルを盛り込んで、観客を最後まで引き込んでいきます。 二時間半のドラマで、見終わった後は確かにぐったりしてしまいますが、それは、良い作品を鑑賞したときの充実感が作り出す疲労感です。 この映画、「デイアフタートモロウ」など派手な作品と公開が一緒なので、ヒットするかどうかは微妙ですが、素晴らしい作品として、そして「冬のソナタ」がヒットし、韓国という国に関心が集まっている今こそ是非見てほしい映画です。 |
![]() シルミド―「実尾島(シルミド)事件」の真実 ![]() シルミド・裏切りの実尾島・ ![]() シルミド ![]() シルミド ![]() 実尾島(シルミド) -三十三年後の真実- |