カンヌ映画祭グランプリ他数々の賞に輝く韓国映画の傑作、との噂の高い「オールド・ボーイ」をついに今日見てきました。
確かに、非常に完成された素晴らしい作品でした。
その完成度の高さと、見事な構成、演出は確かにカンヌ好みの面があるかもしれません。今の他国の映画界では決して作り得ない優れた作品でした。
しかし、これは映画を客観的に作品として評価した場合の私の感想です。
この映画、中には嫌悪感をあらわにする方もいらっしゃるでしょう。
物語がかなり際物であるし、その個々のシーンに好き嫌いがあるところがたくさんあるからです。
しかも中心になるテーマは近親相姦という特に韓国では毛嫌いされる内容であるだけに、もちろん日本やその他の国でも、人によればかなり毛嫌いされることでしょう。
その上、アジア映画独特のグロテスクさも加わって、好みが分かれることは間違いありません。しかし、それでも作品のできばえを賛否両論で分けることはないでしょう。映画作品としては前述したように完成されているからです。
私は原作を読んでいませんし、原作のラストと映画のラストの違いがどうということもないのですが、少し後味の悪いすっきりしない映画ですね。
一映画ファンとしては見ておかないといけない作品ですが、それ以上のモノではなく万人にお薦めの作品とは言い難い映画でした。