くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ターミナル」

今年最後の映画は「ターミナル」です。
私たちの世代としては、やはりスピルバーグは神様のような人で、みんな彼にあこがれて8ミリフィルムを回したりしました

さて本日見た映画「ターミナル」ですが、さすがにスピルバーグといわざるを得ません。
「マイノリティリポート」を見たときも頭が下がりましたが、その演出のうまさ、構成のうまさ、観客を引き込む展開のうまさはすっかり円熟期に入ったという感じでした。

空港という舞台をすべてセットで製作したために縦横無尽に動かせるカメラワーク。
その中に展開するファンタジーのような物語。
現実に起こりうるのか、そんなことはあり得ないのか、見ているうちにだんだんと現実から夢の世界に引き込まれていく自分に気がつくのです。

最初の冒頭シーンから度肝を抜いて一気に本編に引き込みます。
訳もわからずに拘束されたトム・ハンクス(ビクター)の横を中国人の団体が一斉に出国管理窓口を走り抜けて行くシーン。
静と動の組み合わせで一気にこのフィクションの世界に入り込むのです。

さりげなく様々な人と出会い、少しずつ心が通じてくるところを流麗なカメラワークで大きく、時には小刻みに場面を見せていくところは見事。
しかも、トム・ハンクスがうまい。やや、くどいところもありますが、様々な人に送る視線のうまいこと。ちらちらっと眼球が動きながら、ある時は伏し目に、ある時は大胆に、シャイに、居丈高に、優しく、そして悲しく・・・まるでカメレオンのように感情の変化を表現してくれます

一方のキャサリン・ゼタ−ジョーンズはやはり美しいですね。
私は「エントラップメント」以来の彼女のファンですが、今回、また好きになりました。
嫌味のない清楚な美しさを彼女は持っています。
きれいな瞳が涙に潤むと、もう抱きしめたくなってしまいます。
それに口元がきゅっと締まって本当にかわいらしい。余談ですが、このきゅっと締まった口元、佐藤江利子もそうですね。私はサトエリもファンなのですが、我ながら納得です(笑い)

確かに、大人になってしまったスピルバーグ演出ですが、それでもしっかりと感動させてくれるのでうれしい限りです。
ただ、希望を言えば、キャサリン・ゼタ−ジョーンズとトム・ハンクスは結ばれてほしかったですね。